毎月の奨学金の返還が重く、生活費とのやりくりに悩んでいても、周りには相談しにくいものです。
総務省が公表した「家計調査」2026年8月分では、二人以上の世帯の消費支出が、物価の変動を除いた実質で前年同月より3.1%減りました。勤労者世帯の実収入も、実質では前年を下回っています。
また、日本学生支援機構の最新の属性調査(令和6年度)でも、延滞した人の62.8%が理由に「本人の低所得」を挙げました。
本記事では、延滞者と無延滞者の回答を比べながら、返還が苦しくなったときの相談先まで整理します。
1. 奨学金を延滞する理由、最多は「本人の低所得」62.8%
1.1 そもそも「属性調査」は、誰を対象にした調査?
日本学生支援機構は、「令和6年度 奨学金の返還者に関する属性調査結果」を公式サイトで公開しています。ページの最終更新は2026年1月20日です。
調査の対象は、令和6年12月末時点で3か月以上延滞している人から無作為に抽出した2万人と、延滞していない人から抽出した1万5000人でした。
令和7年2月にWEBで回答を募り、回答者の内訳は延滞者が1648人、無延滞者が1898人です。
1.2 延滞の理由は、何が多い?
延滞の理由を複数回答で尋ねたところ、「本人の低所得」が62.8%で最多でした。
そのほかの主な理由は、次のとおりです。
- 「本人の借入金(奨学金以外)の返済」:34.5%
- 「奨学金の延滞額の増加」:31.1%
- 「返還割賦額(月額)が高い」:19.9%
- 「本人が失業中(無職)」:19.4%
- 「本人の病気・けが」:13.7%
- 「本人の親の経済困難(本人が親へ援助)」:12.6%
収入の少なさに加え、ほかの借入の返済や月々の返還負担がのしかかっている様子がうかがえます。
2. 延滞者の6割は年収300万円以下 無延滞者は3割台
2.1 年収300万円以下は、延滞者と無延滞者でどれだけ違う?
同調査で本人の年収を比べると、300万円以下の合計は延滞者が60.9%、無延滞者が34.3%でした。
差は26.6ポイントで、割合にすると約1.8倍に当たります。
たとえば延滞者を100人に見立てると、本人年収が300万円以下の人は約61人です。
無延滞者で同じように見ると、約34人にとどまります。
年収帯ごとの内訳は、次のとおりです。
各割合は四捨五入しているため、内訳を足した値と合計が一致しない場合があります。
- 年収0円:延滞者8.5%、無延滞者3.0%
- 100万円以下:延滞者13.9%、無延滞者4.3%
- 100万円超〜200万円以下:延滞者18.0%、無延滞者7.4%
- 200万円超〜300万円以下:延滞者20.5%、無延滞者19.7%
2.2 職業の面では、どんな差がある?
正社員の割合は無延滞者の79.0%に対し、延滞者は46.2%です。
非正規雇用は延滞者が27.4%で、無延滞者の11.9%を上回りました。
無職・失業中、休職中の人は延滞者で13.2%、無延滞者では4.1%となっています。
年収の低さや雇用の不安定さが、延滞した人の回答に色濃く表れた結果といえそうです。