だんだんと今年の終わりを意識するこの時期、年末が近づくと冬のボーナスとあわせて、来年の働き方を考える人もいるでしょう。転職や退職が頭に浮かんだとき、「今の会社を辞めたら、退職金はいくらになるのだろう」と気になる人もいるかもしれません。
退職金は、勤めた年数によって金額が大きく変わるお金です。中央労働委員会の「令和7年退職金、年金及び定年制事情調査」によると、大学を卒業して22歳で入社し、同じ会社で標準的に昇進した総合職相当の人を想定したモデル退職金は、自己都合で辞めた場合、42歳(勤続20年)で766.4万円、52歳(勤続30年)で1811万円でした。
本記事では、年齢ごとのモデル退職金をご紹介します。なお、この調査は原則として規模の大きな企業を対象にしたもので、金額は調査に答えた企業の平均です。退職金の金額は勤め先の決まりによって変わるため、自分の会社の金額と同じになるとは限りません。早見表は、年齢ごとの目安をつかむための材料として使ってみてください。
記事の後半では、実際に定年で退職した大学卒の男性の平均退職金や、会社都合で辞めた場合の金額もあわせて確かめます。
1. 【会社員の退職金】大企業の大卒モデル「42歳・47歳・52歳」で自己都合で辞めたらいくら?
まずは、モデル退職金がどのような人を想定した金額なのかを確かめておきましょう。
1.1 モデル退職金とは=22歳で入社し、同じ会社に勤め続けた大学卒の退職金
厚生労働省の「賃金事情等総合調査」の用語の解説によると、モデル退職金は、学校を卒業してすぐに入社し、同じ企業に勤め続けて標準的に昇進した人の退職金です。大学卒は22歳で入社したとして数えるため、表の見出しでは勤続20年が42歳、勤続30年が52歳になっています。
金額は、退職一時金と退職年金の現価額(事業主負担分の掛金に係るもの)を合わせた退職金総額です。令和5年の調査の対象は、原則として資本金5億円以上かつ労働者1,000人以上の企業などから選んだ380社でした。
1.2 【年齢別のモデル退職金の早見表】自己都合で42歳は766.4万円、52歳は1811万円
中央労働委員会の調査の、大学卒・事務技術労働者(総合職相当)の表で、自己都合で辞めた場合のモデル退職金を年齢ごとに見ると、32歳(勤続10年)は202.1万円、37歳(勤続15年)は418.6万円、42歳(勤続20年)は766.4万円です。47歳(勤続25年)は1226.9万円、52歳(勤続30年)は1811万円、57歳(勤続35年)は2184.9万円、60歳(勤続38年)は2364.2万円でした。
図の早見表を見ると、20代は数十万円、30代は数百万円台で、40代に入ってから金額が大きくなっていきます。42歳から52歳までの10年で、1000万円あまり増えている計算です。勤続年数が長くなるにつれて退職金が大きく増える仕組みの会社が多いと考えられ、辞める時期によって受け取れる金額が変わることがうかがえます。転職を考えるときには、今辞めた場合の金額と、あと数年勤めた場合の金額を並べてみると、判断の材料の一つになるでしょう。
一方で、30代の早い時期に転職する場合は、退職金はまだ大きな金額になっていないことが多いと考えられます。その場合は、退職金よりも、次の職場での給与や経験、働きやすさのほうが、その後の暮らしに与える影響は大きいかもしれません。年齢によって、退職金の重みが変わることも知っておきたい点です。
ここまでをまとめると、大企業の大卒モデルが自己都合で辞めた場合の退職金は、42歳で766.4万円、47歳で1226.9万円、52歳で1811万円でした。