国税庁が2026年9月29日に公開した「令和7年分 民間給与実態統計調査」で、1年を通じて勤めた女性の平均給与を見ると、正社員(正職員)は444万円、パートなどを含む正社員(正職員)以外は179万円です。妻がどのように働いてきたかは、老後に夫婦で受け取る年金の金額にも表れてくるでしょう。老後の年金は、夫婦2人分を合わせて考えておくことが大切です。
次の年金支給日は12月15日です。年収600万円で40年働いた夫と、働き方の違う妻の夫婦では、年金はひと月いくらになるのでしょうか。本記事では、日本年金機構の計算式を使い、妻の働き方を3つに分けて夫婦の年金を試算します。専業主婦の場合、パートで厚生年金に加入した場合、正社員の場合です。
記事の後半では、厚生年金の平均月額や、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計とも並べていきます。パートで厚生年金に加入する条件もあわせて確かめ、わが家の場合を考える手がかりにしていきましょう。
なお、公的年金の制度や平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 【年収600万円の夫と妻の働き方別】夫婦の年金は専業主婦なら月25万836円、妻が正社員なら月33万1955円
まずは、夫婦の年金を3つの場合で試算してみましょう。
1.1 試算の前提=夫は年収600万円、妻は国税庁の女性の平均給与で40年加入
日本年金機構の「老齢年金ガイド 令和8年度版」では、老齢厚生年金の報酬比例部分を、平成15年4月以降の加入期間について「平均標準報酬額×5.481/1000×加入期間の月数」で計算するとしています。試算では、これに令和8年度の満額で年84万7300円の老齢基礎年金を足しました。
妻の年収は、国税庁の統計の正社員以外の女性の平均給与179万円と、正社員の女性の平均給与444万円を使い、夫婦とも平成15年4月以降に40年加入したと仮定しています。専業主婦の期間は、会社員の夫に扶養される第3号被保険者です。
1.2 【夫婦の年金の早見表】月25万836円〜33万1955円。12月15日の2カ月分は額面50万1673円〜66万3911円
この前提で計算すると、夫の年金は月18万228円です。妻の年金は、専業主婦なら月7万608円、パートで厚生年金に加入した場合は月10万3311円、正社員なら月15万1727円でした。
夫婦の合計は、順に月25万836円、28万3540円、33万1955円です。日本年金機構の「年金はいつ支払われますか。」によると、12月には10月・11月分の年金が支払われるため、12月15日に届く夫婦の2カ月分は、税金や介護保険料などが差し引かれる前の額面で50万1673円、56万7080円、66万3911円が目安になります。
年収600万円の夫と妻の働き方別・夫婦の年金の試算(令和8年度の計算式)1/2
出所:日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」、国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」をもとにLIMO編集部作成
これは、毎年同じ年収で40年加入し、国民年金も満額を受け取るとした目安です。加給年金額や振替加算、標準報酬月額の等級の刻みなどは考えていないため、実際の金額は人によって変わります。試算の数字は、自分たちの年収や加入年数に置きかえて考えるための出発点として見ておくとよいでしょう。
3つの場合の違いは、妻が厚生年金に入って働いた期間と、そのときの収入から生まれる2階部分の違いと考えられます。同じ夫の年収でも、夫婦の合計は月8万円ほど変わる試算になりました。働き方は家族の事情や健康、本人の希望などによって選ぶものですが、老後の年金にもつながることを知っておくと、これからの働き方を考えるときの材料の一つになるでしょう。夫婦それぞれの年金を足して見ておくと、老後の家計の見通しも立てやすくなると考えられます。
