老後をひとりで迎える予定の方にとって、年金だけで生活費が足りるのかは気になるところでしょう。貯金があまり多くない場合は、なおさら不安に感じるのではないでしょうか。
総務省「家計調査」によると、2025年の65歳以上の単身無職世帯の消費支出は月14万8445円でした。厚生労働省の統計では、厚生年金の老齢年金の平均月額は15万289円です。
この記事では、厚生年金の平均月額で暮らす単身者の手取りと、月の生活費との差を、持ち家と賃貸に分けて整理します。
1. 65歳以上のおひとりさまの生活費は月14万8445円
総務省「家計調査(家計収支編)2025年平均」で、65歳以上の単身無職世帯の家計を見てみましょう。
1.1 主な支出の内訳
月14万8445円の消費支出のうち、主な費目は次のとおりです。
- 食料:4万2545円
- 光熱・水道:1万5565円
- 交通・通信:1万3601円
- 教養娯楽:1万6132円
- 保健医療:8388円
- 住居:1万1416円
このほか、税金や社会保険料などの非消費支出が月1万2990円あります。
1.2 住居費が月1万1416円と少ないのは、持ち家の世帯が多いから
住居費は家賃や修繕費などの合計ですが、月1万1416円と、ほかの費目に比べて少なく見えます。
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、高齢単身世帯のうち借家に住むのは32.2%で、7割近くは借家以外に住んでいます。家計調査の住居費は、家賃のかからない世帯を多く含んだ平均の数字です。
2. 厚生年金の平均月額15万円、手取りはいくら?
厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(第1号)の老齢年金の平均月額は、老齢基礎年金を含めて15万289円です。
2.1 保険料と住民税が年金から引かれる
年金を年180万3468円(月15万289円)受け取る65歳の単身者について、横浜市の2026年度の料率で手取りを試算しました。
- 国民健康保険料:年5万8800円
- 介護保険料:年8万5000円
- 住民税:年1万6600円
- 所得税:0円
これらを差し引いた手取りは年164万3068円、月にすると13万6922円です。年金の額面より、月に1万3000円あまり少なくなります。
3. 持ち家なら不足は月約1.2万円、賃貸だと月約5.5万円
年金の手取り月13万6922円と、家計調査の消費支出を比べると、毎月の不足額は次のようになります。
- 持ち家(家計調査の平均どおり):支出は月14万8445円で、不足は月1万1523円
- 賃貸(住居費を民営借家(木造)の平均家賃5万4409円に置き換え):支出は月19万1438円で、不足は月5万4516円
賃貸の場合、毎月の不足額は持ち家の約4.7倍です。同じ年金額でも、住まいによって老後に必要な貯金の額が大きく変わります。