10月に入り、各地で最低賃金が順に引き上げられています。厚生労働省の「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」によると、全国加重平均は時給1177円で、改定前の1121円から56円上がります。ただし、新しい最低賃金がいつから使われるかは都道府県によって違います。
同資料の発効日を数えると、10月18日までに32都道府県が新しい金額になりましたが、10月24日以降に変わる府県も15あり、11月や12月に引き上げられる府県もあります。とくに11月・12月に変わる府県で働く人は、年末に向けて時給が変わることになります。
パートやアルバイトで働く人にとっては、時給が変わる時期を知っておくと、年末に向けた収入の見通しを立てやすくなります。本記事では、都道府県ごとの最低賃金と発効日、これから引き上げられる府県の一覧、全国加重平均の推移を確かめます。
1. 【最低賃金はいつから上がる?】令和8年度の全国加重平均は時給1177円、改定前から56円・5.0%の引き上げ
厚生労働省の「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」には、都道府県ごとの最低賃金(1時間あたりの金額)と、その金額が使われ始める発効日がまとめられています。まずは全国の平均と、都道府県ごとの金額を見ていきます。
1.1 最低賃金の全国加重平均は時給1177円、改定前の1121円から56円上がる
同資料によると、令和8年度の全国加重平均は1177円で、改定前の1121円から56円、率にして5.0%の引き上げです。同資料の金額は各地の審議会が答申した改定額で、都道府県労働局長の決定を経て順に発効するとされています。仮に時給1177円で1日8時間、月20日働くと、1か月の賃金は18万8320円になります。実際の賃金は、働く都道府県の最低賃金や勤務時間によって変わるため、ここでの金額はあくまで目安です。全国加重平均は全国をまとめた金額なので、自分の地域の金額は一覧で確かめるとよいでしょう。
1.2 最低賃金が最も高いのは東京都1280円、最も低いのは宮崎県1085円
都道府県別に見ると、最低賃金が最も高いのは東京都の1280円で、神奈川県の1279円、大阪府の1231円が続きます。最も低いのは宮崎県の1085円です。同じ時間働いても、働く都道府県によって最低限受け取れる賃金が違うため、自分の働く場所の金額を知っておくことが大切です。引上げ額は佐賀県の65円が最も大きく、東京都・神奈川県・大阪府は54円でした。
厚生労働省「最低賃金の種類」によると、地域別最低賃金は、働く人の生計費や賃金、通常の事業の賃金支払能力を総合的に考えて決めるとされています。都道府県ごとの金額の違いには、こうした地域の事情が表れていると考えられます。
2. 【11月・12月に最低賃金が上がる府県の一覧】岩手・熊本は12月1日、沖縄は12月2日から
新しい最低賃金がいつから使われるかは、都道府県ごとに決まっています。同資料の発効日を、時期ごとに分けて見ていきましょう。
2.1 10月1日に変わったのは15都道府県、10月24日以降に変わるのは15府県
同資料の発効日を見ると、10月1日に新しい最低賃金になったのは、北海道や東京都、大阪府など15都道府県です。その後も、静岡県(10月15日)や福島県(10月16日)、茨城県(10月18日)などが順に新しい金額に変わりました。一方で、10月24日以降に変わる府県は15あります。10月下旬は、宮崎県(10月24日)、鹿児島県(10月25日)、青森県と高知県(10月29日)、山形県(10月30日)です。
2.2 11月は7府県、12月は岩手・熊本・沖縄の3県
11月に変わるのは、山梨県・徳島県・愛媛県・大分県(11月1日)、長崎県(11月2日)、佐賀県(11月15日)、京都府(11月16日)の7府県です。12月には、岩手県と熊本県(12月1日)、沖縄県(12月2日)が新しい最低賃金になります。発効日が遅い県で働く人は、新しい時給がどの月の給与から反映されるのかを、勤務先の締め日とあわせて確かめておくとよいでしょう。住んでいる地域ではなく、働いている事業場のある都道府県の最低賃金が使われる点にも注意しておきたいところです。
最低賃金の引き上げは大きく報じられますが、自分の時給にいつから関係するかは、働く都道府県の発効日で変わります。給与明細で時給と働いた時間を書き出しておくと、収入の変化をつかみやすくなるでしょう。
ここまでをまとめると、令和8年度の最低賃金は全国加重平均で時給1177円になり、改定前から56円上がります。10月24日以降に引き上げられる府県は15あり、12月2日の沖縄県まで、順に新しい金額に変わっていきます。