75歳を過ぎると、入院の可能性を考える機会も増えてきます。いざというときに、1か月の入院でいくら用意しておけばよいのかは気になるところです。
厚生労働省の直近資料によると、2026年は6月に入院中の食事代が、8月に高額療養費の上限額がそれぞれ引き上げられました。
この記事では、厚生労働省の資料をもとに、後期高齢者医療制度に加入する一般の区分の人が1か月入院したときの自己負担を計算します。
1. 【後期高齢者医療】2026年8月から入院を含む自己負担の上限は月6万1500円
入院や外来で支払う医療費には、1か月あたりの上限があります。上限を超えた分が払い戻される仕組みが高額療養費で、2026年8月診療分から上限額が見直されました。
1.1 一般の区分は5万7600円から3900円の引き上げ
厚生労働省の「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」によると、70歳以上で一般の区分の人は、外来と入院を合わせた世帯の上限が月6万1500円になりました。7月診療分までの5万7600円から、3900円の引き上げです。
一般の区分は、課税所得が145万円未満などの人で、年収にするとおおむね370万円以下の層にあたります。後期高齢者医療の窓口負担が1割の人も2割の人も、この上限額は変わりません。
1.2 外来だけの上限は2万2000円
外来だけにかかる個人ごとの上限も、1万8000円から2万2000円に引き上げられました。外来の年間の上限は、14万4000円から21万6000円になっています。
【一般】
- 外来(個人ごと):1万8000円→2万2000円(年間の上限14万4000円→21万6000円)
- 外来+入院(世帯ごと):5万7600円→6万1500円
- 年単位の上限:なし→53万円
【住民税非課税】
- 外来(個人ごと):8000円→1万1000円(年間の上限なし→9万6000円)
- 外来+入院(世帯ごと):2万4600円→2万5700円
- 年単位の上限:なし→29万円
【住民税非課税(所得が一定以下)】
- 外来(個人ごと):8000円→8000円
- 外来+入院(世帯ごと):1万5000円→1万5700円
- 年単位の上限:なし→18万円
2. 入院中の食事代は2026年6月から1食550円
入院したときに支払うのは、医療費の自己負担だけではありません。食事代として、1食ごとに決められた額(標準負担額)を支払います。
2.1 食事代は高額療養費の上限とは別
厚生労働省保険局の通知によると、2026年6月1日から、後期高齢者医療制度の一般の区分の人の食事代は1食550円になりました。改定前の510円から40円の引き上げです。
この食事代は、高額療養費の計算には含まれません。たとえば東京都の案内でも、入院時の食事代や差額ベッド料などは高額療養費の支給の対象外とされています。
2.2 30日入院すると自己負担は11万1000円
一般の区分で、ひと月のうち30日間入院し、医療費の自己負担が上限に達した場合を考えます。1日3食で30日なら食事は90食です。
一般の区分で30日入院すると、上限の6万1500円と食事代4万9500円で11万1000円になる2/2
出所:厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」、厚生労働省保険局長通知(保発0428第1号)をもとにLIMO編集部作成
- 医療費の自己負担(上限):6万1500円
- 食事代:550円×90食=4万9500円
- 合計:11万1000円
改定前の上限5万7600円と食事代510円で計算すると、合計は10万3500円でした。同じ30日の入院でも、2026年の2つの改定で自己負担は7500円増えたことになります。
後期高齢者医療制度の一般の区分の人が同じ月に30日入院すると、医療費の自己負担の上限と食事代を合わせて11万1000円が目安です。上限額は所得の区分ごとに違うため、自分の区分はお住まいの市区町村の後期高齢者医療の窓口で確かめておくと安心です。
入院が長引いたときに負担を軽くする仕組みや、2027年8月からの区分の見直しも確認しておきましょう。