3. 育児休業支援手当金を受け取るための要件
育児休業支援手当金は、子どもが生まれた直後の一定の期間に、まとまった日数の育児休業を取った人が対象です。国家公務員共済組合法第68条の3に、要件が定められています。
3.1 出生後8週間のうちに通算14日以上
子どもの父親の場合、対象になるのは、子どもの出生日から56日を経過する日の翌日までの期間です。この期間に育児休業を通算して14日以上取ることが、1つ目の要件になります。
2つ目の要件は、配偶者も一定の期間に14日以上の育児休業を取っていることです。ただし、配偶者が出産して産後休業を取った場合や、配偶者が会社などに雇われて働いていない場合などは、この要件を問われません。
3.2 上乗せは通算28日分まで
13%の上乗せは、育児休業の日数を合算して28日に達するまでの分が対象です。分割して育児休業を取る場合も、合計で28日を超えた分には上乗せがつきません。
4. 育児休業中は共済の掛金が免除され、手当金に税金はかからない
手当金の額だけを見ると、標準報酬の日額の8割にとどまります。ただ、育児休業中は給料から差し引かれていた負担も軽くなります。
4.1 掛金の免除
国家公務員共済組合法第100条の2では、育児休業をしている組合員が申し出ると、その期間の掛金を徴収しないと定めています。休業の開始月と、終了日の翌日が属する月が同じ場合でも、その月に14日以上休業していれば免除の対象です。
4.2 手当金は非課税
同じ法律の第49条では、共済組合の給付として受け取るお金に、租税その他の公課を課すことはできないとしています。育児休業手当金や育児休業支援手当金には、所得税などの税金がかからないわけです。
5. 厚生労働大臣は「本人が希望する期間」の取得に言及
男性の育児休業については、民間企業を含めた見直しの議論も始まっています。上野厚生労働大臣は2026年10月16日の記者会見で、次のように述べました。
男性の育児休業取得率や取得期間は、女性と比べると、未だに低い水準となっています。
出所:厚生労働省「上野大臣会見概要(令和8年10月16日)」
会見では、労働政策審議会の雇用環境・均等分科会で、10月2日から育児・介護休業法等の改正法の5年後見直しの議論を始めたことにも触れています。国家公務員の取得率は1週間以上で84.2%ですが、取得期間の長さも今後の論点になりそうです。
6. 地方公務員も共済組合から同じ手当金を受け取る
地方公務員の場合も、育児休業中の手当金は共済組合から支給されます。地方公務員等共済組合法第70条の2と第70条の3に、国家公務員と同じく育児休業手当金と育児休業支援手当金が定められています。
支給率は67%と13%で、国家公務員と変わりません。手続きの窓口や必要な書類は加入している共済組合ごとに案内されているため、勤め先の人事・給与の担当で確認しておくと安心です。
7. まとめにかえて
2024年度に子どもが生まれた国家公務員の男性のうち、1週間以上の育児休業を取った人は84.2%でした。府省ごとに見ると、42.2%から95.9%まで差があります。
育児休業中は、共済組合から標準報酬の日額の67%の育児休業手当金が支給され、子どもの出生直後は2025年4月から13%が上乗せされています。掛金の免除や手当金が非課税であることも合わせて、休業中の家計を見通しておきましょう。
自分の標準報酬の月額や手当金の見込みは、加入している共済組合や職場の担当窓口で確かめられます。休業の時期と期間を決める前に、一度相談してみてください。
参考資料
- 内閣官房内閣人事局「国家公務員の育児休業等の利用状況」
- e-Gov法令検索「国家公務員共済組合法」
- e-Gov法令検索「地方公務員等共済組合法」
- 厚生労働省「上野大臣会見概要(令和8年10月16日)」
- 広島県「【慶弔・災害・休業給付】休業(出産・育児)」
太田 彩子