4. 年金が年130万円以下の65歳以上なら確定申告は不要になる

給料と年金の両方を受け取っていても、年金の額によっては確定申告をしなくてよい場合があります。目安になるのが、年金の所得が20万円以下に収まるかどうかです。

4.1 年金の所得が20万円以下に収まる場合

国税庁の「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」では、給料を1か所から受け取り、年末調整を受けている人の場合、給料以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要とされています。逆に言えば、給料の年間収入が2000万円以下なら、20万円以下で所得税の確定申告は必要ありません。

65歳以上の公的年金等控除は110万円なので、年金の収入が年130万円以下なら年金の所得は20万円以下です。年金の額が少なく、給料が主な収入という人は、この範囲に入るかどうかを確かめておくとよいでしょう。

4.2 住民税の申告が必要になる場合もある

ただし、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。国税庁のタックスアンサーにも、この点が注記されています。

また、医療費控除などで税金が戻る人は、確定申告をすれば還付を受けられます。申告が必要かどうか迷う場合は、税務署やお住まいの市区町村の住民税の窓口で確認できます。

5. 基礎控除申告書の「合計所得金額」には年金も入る

年末調整の前に会社へ出す基礎控除申告書には、その年の合計所得金額の見積額を書きます。2026年分は基礎控除が所得に応じて段階的に変わるため、この見積額がいっそう大切になります。

見積額には、給料の所得だけでなく年金の所得も含めます。たとえば給料が年600万円、年金が年200万円の65歳以上なら、給料の所得436万円と年金の所得90万円で合計所得金額は526万円です。

489万円を超えるため、基礎控除は104万円ではなく67万円になります。給料の所得だけで見積もると基礎控除を37万円多く差し引いて年末調整をすることになり、確定申告で差額を納める形になります。

6. 2027年1月からは年金の天引き額の計算も変わる

2026年12月の精算に続いて、2027年1月以降に支払われる年金は、引き上げ後の控除額で所得税が天引きされます。日本年金機構によると、65歳以上で所得税が天引きされない年金額は、年205万円未満から年214万円未満に引き上げられます。

一方で、2027年1月1日以後に生じる所得からは、復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%に下がり、新たに防衛特別所得税(所得税額の1%)がかかります。国税庁の「No.1600 公的年金等の課税関係」でも、この変更が案内されています。

2027年に入って最初の年金支払日である2月15日の支払分から、天引きの計算が変わることになります。振込額が前年と違っていたら、所得税の天引き額が変わっていないかを確かめてみるとよいでしょう。

7. まとめにかえて

再雇用の給料と老齢年金を両方受け取る人の場合、会社の年末調整で精算されるのは給料の分だけです。2026年分は、年金の所得税も12月15日の年金支払時に精算されますが、給料と年金を合わせた税額は翌年の確定申告で決まります。

給料300万円・年金200万円の65歳以上なら、確定申告で約4万6000円を納める計算になります。一方で、年金が年130万円以下なら所得税の確定申告は不要です。

自分が申告の対象になるかどうかは、年末調整の後に会社から受け取る源泉徴収票と、年金の源泉徴収票を並べて確認できます。わからないときは、税務署の相談窓口で確かめてみてください。

参考資料

太田 彩子