冬のボーナスの使い道として、住宅ローンの繰り上げ返済を考えている方もいるのではないでしょうか。

国税庁が2026年9月に公表した「令和7年分 民間給与実態統計調査」では、建設業で1年を通じて勤務した給与所得者の平均賞与は年86万8000円でした。全業種の平均74万9000円を11万9000円上回っています。

この記事では、世帯主が建設業で働く二人以上世帯の住宅ローン残高を金融経済教育推進機構(J-FLEC)の調査で確認したうえで、建設業の平均給与と平均賞与を見ていきます。

1. 世帯主が建設業で働く二人以上世帯で、住宅ローンなどの借入金がある世帯は23.8%

まずは、住宅ローンなどの借入金がある世帯の割合を確認します。使うのは、J-FLECの「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」の各種分類別データです。

1.1 二人以上世帯全体の18.7%を5.1ポイント上回る

世帯主の就業先の産業別に見ると、世帯主が建設業で働く世帯(282世帯)のうち、借入金がある世帯は23.8%でした。二人以上世帯全体(5000世帯)の18.7%より5.1ポイント高くなっています。

産業別では、建設業の23.8%は卸売業、小売業の23.6%や運輸業、郵便業の23.0%とほぼ同じ水準です。

1.2 借入金には住宅ローン以外のものも含まれる

この割合は「借入金がある」と答えた世帯の割合で、住宅ローンのほか、自動車のローンや教育ローンなどの借入金も含まれます。住宅ローンを返している世帯だけの割合ではない点に注意が必要です。

2. 建設業の世帯の住宅ローン残高は平均1106万円、中央値800万円

次に、借入金がある世帯のうち、借入金額を回答した世帯の住宅ローン残高を見ていきます。世帯主が建設業で働く世帯では67世帯が対象です。

2.1 住宅ローン残高が2000万円以上の世帯は22.4%

世帯主が建設業で働く世帯の住宅ローン残高は、平均が1106万円、中央値が800万円でした。二人以上世帯全体の平均1295万円、中央値900万円をいずれも下回っています。

世帯主が建設業の世帯では、住宅ローン残高が2000万円以上の世帯が22.4%で、1000万円以上を合わせると40.3%になる1/3

J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」で世帯主が建設業の世帯の住宅ローン残高の分布を示した横棒グラフ。50万円未満4.5%、50万〜100万円未満3.0%、100万〜200万円未満4.5%、200万〜300万円未満0.0%、300万〜500万円未満1.5%、500万〜700万円未満3.0%、700万〜1000万円未満14.9%、1000万〜1500万円未満14.9%、1500万〜2000万円未満3.0%、2000万円以上22.4%、無回答(ゼロも含む)28.4%。借入金額を回答した67世帯で平均1106万円、中央値800万円

出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」各種分類別データをもとにLIMO編集部作成

700万円以上1000万円未満と1000万円以上1500万円未満がいずれも14.9%で、2000万円以上は22.4%でした。1000万円以上の残高がある世帯を合わせると40.3%になります。

2.2 回答した世帯が67世帯と少なく、無回答も28.4%ある

この集計の対象は67世帯で、二人以上世帯全体の937世帯と比べると少なくなっています。また、「無回答(ゼロも含む)」が28.4%あり、平均と中央値はこれらを除いた世帯で計算されています。数字は目安として見ておくのがよさそうです。

3. 令和7年分の民間給与実態統計調査、建設業の平均給与は590万3000円で平均賞与は86万8000円

繰り上げ返済の資金に賞与をあてる場合、賞与の額が計画の前提になります。国税庁の「令和7年分 民間給与実態統計調査」で、建設業の給与所得者の給与と賞与を確認します。

3.1 建設業の平均給与は全業種の平均を100万円ほど上回る

同調査の業種別の集計によると、建設業で1年を通じて勤務した給与所得者(410万7505人)の平均給与は590万3000円でした。内訳は、給料・手当が503万5000円、賞与が86万8000円です。全業種の平均給与486万6000円を103万7000円上回っています。

建設業の給与所得者の平均年齢は48.6歳、平均勤続年数は14.9年でした。

3.2 建設業の平均賞与86万8000円は、14業種のうち7番目

業種別の平均賞与を並べると、最も多いのは金融業,保険業の173万1000円、最も少ないのは宿泊業,飲食サービス業の16万8000円でした。建設業の86万8000円は14業種のうち7番目で、全業種の平均74万9000円を上回っています。

建設業の平均賞与は86万8000円で14業種のうち7番目、全業種の平均74万9000円を上回る2/3

国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」の業種別の平均賞与を示した横棒グラフ。金融業,保険業173.1万円、電気・ガス・熱供給・水道業163.8万円、情報通信業124.3万円、製造業111.9万円、複合サービス事業100.1万円、学術研究・教育など99.8万円、建設業86.8万円、全業種74.9万円、不動産業,物品賃貸業68.3万円、運輸業,郵便業59.8万円、卸売業,小売業57.9万円、農林水産・鉱業53.7万円、医療,福祉52.9万円、サービス業45.9万円、宿泊業,飲食サービス業16.8万円

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」第9表をもとにLIMO編集部作成

なお、この平均賞与は1年間に支給された賞与の合計を、給与所得者1人あたりで見た金額です。J-FLECの調査の世帯単位の数字とは、集計の単位も違います。

J-FLECの調査では、世帯主が建設業で働く二人以上世帯の住宅ローン残高は平均1106万円、中央値800万円で、22.4%は2000万円以上が残っています。

国税庁の調査では、建設業の平均賞与は年86万8000円でした。住宅ローンの残高と残りの返済期間、適用されている金利は、借入先の返済予定表や取引画面で確かめられます。

ここからは、建設業の平均賞与に近い86万円を繰り上げ返済したときに減る利息を計算例で確かめ、繰上返済日の決め方と、銀行窓口でご相談を受けていた頃に確かめていたことを見ていきます。