子どもにかかる教育費は、世帯年収でどれほど違うのでしょうか。文部科学省の公表データによると、私立高校の学習費総額は年収400万円未満の世帯で80.6万円となります。

対して年収1200万円以上では177.7万円に達しました。この数値は2026年1月に文部科学省が訂正して公表した最新データです。受験が近づき出費がかさむこれからの時期に、小・中・高の公立私立一覧と、差がつく学校外活動費を整理します。

1. 世帯年収別の学習費はいくら?小学校・中学校・高校を公立・私立で一覧

世帯年収別の年間学習費総額(公立・私立)1/4

世帯年収別の年間学習費総額(公立・私立)

出所:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査(訂正版)」表10-1をもとにLIMO編集部作成

学習費総額は、学校教育費と給食費、学校外活動費を合わせた額です。ここでは、文部科学省が2026年1月16日に訂正した「令和5年度子供の学習費調査」を使います。世帯の年間収入区分ごとの、子供1人あたりの年間額は次のとおりです。

 

  • 公立小学校
    • 400万円未満:26.1万円
    • 400万〜599万円:28.1万円
    • 600万〜799万円:33.2万円
    • 800万〜999万円:40.1万円
    • 1000万〜1199万円:47.9万円
    • 1200万円以上:59.2万円
  • 私立小学校
    • 400万円未満:135.7万円
    • 400万〜599万円:121.6万円
    • 600万〜799万円:142.5万円
    • 800万〜999万円:146.6万円
    • 1000万〜1199万円:161.6万円
    • 1200万円以上:198.5万円
  • 公立中学校
    • 400万円未満:38.1万円
    • 400万〜599万円:46.8万円
    • 600万〜799万円:48.7万円
    • 800万〜999万円:59.6万円
    • 1000万〜1199万円:68.2万円
    • 1200万円以上:72.4万円
  • 私立中学校
    • 400万円未満:106.4万円
    • 400万〜599万円:113.0万円
    • 600万〜799万円:137.1万円
    • 800万〜999万円:150.3万円
    • 1000万〜1199万円:155.5万円
    • 1200万円以上:177.6万円
  • 公立高校(全日制)
    • 400万円未満:50.3万円
    • 400万〜599万円:49.1万円
    • 600万〜799万円:56.2万円
    • 800万〜999万円:64.7万円
    • 1000万〜1199万円:78.9万円
    • 1200万円以上:85.2万円
  • 私立高校(全日制)
    • 400万円未満:80.6万円
    • 400万〜599万円:86.1万円
    • 600万〜799万円:97.3万円
    • 800万〜999万円:117.0万円
    • 1000万〜1199万円:131.6万円
    • 1200万円以上:177.7万円

※令和5年度調査の数値は2026年1月に文部科学省が訂正しており、この記事は訂正後の数値を使っています。訂正前の数値が残っているWebページもある点に、ご注意ください。

私立高校の学習費総額は、年収400万円未満で80.6万円、1200万円以上で177.7万円でした。差は97.1万円に上ります。たとえば私立高校に通うお子さんがいる世帯では、この差を月にならすと約8万1000円です。

調査の年収区分は「400万〜599万円」のように区切られており、世帯の年収が400万円台なら、この区分に入ります。この区分の私立高校は86.1万円です。

2. 子どものいる世帯の年収はどのくらい?「平均的な家庭」を置き直す

児童のいる世帯の所得分布と平均・中央値2/4

児童のいる世帯の所得分布と平均・中央値

出所:厚生労働省「2025(令和7)年国民生活基礎調査の概況」をもとにLIMO編集部作成

次に、子どものいる世帯の収入水準を確かめておきましょう。2026年7月15日に厚生労働省が公表した「2025(令和7)年国民生活基礎調査の概況」によります。児童のいる世帯の1世帯当たり平均所得金額は857万3000円で、中央値は766万円でした。なお、この所得は2024年1〜12月分です。

所得階級別にみると、400万円未満が13.1%、400万〜600万円未満が17.4%となっています。600万〜800万円未満は22.7%、800万〜1000万円未満は19.2%でした。1000万円以上は27.6%です。

国民生活基礎調査の「所得」と学習費調査の「年間収入」は、調査年も区分も異なります。このため、両者の区分を直接つなげた比較はできません。

国税庁が2026年9月29日に公表した「令和7年分民間給与実態統計調査」も確認します。1年を通じて勤務した民間の給与所得者の平均給与は、487万円でした。これは世帯全体の年間収入とは定義が異なる点に、留意しましょう。

3. 年収が高いほど教育費は増える?差がつくのは学校外活動費

公立小・中学校で年収によって差がつくのは学校外活動費3/4

公立小・中学校で年収によって差がつくのは学校外活動費

出所:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査(訂正版)」表10-1〜10-3をもとにLIMO編集部試算

年収1200万円以上の学習費総額を400万円未満で割ってみます。公立は小学校で約2.3倍、中学校で約1.9倍、高校で約1.7倍です。私立は小学校で約1.5倍、中学校で約1.7倍、高校で約2.2倍でした。

差の中身をみると、公立小学校では総額の差33.1万円のうち、学校外活動費の差が32.1万円を占めます。約97%が塾や習い事などの費用の差です。

  • 公立小学校:学校外活動費は15.8万円から47.9万円へと、32.1万円増えます。学校教育費と給食費の合計は10.3万〜11.3万円で、ほぼ横ばいです。
  • 公立中学校:学校外活動費は20.2万円から55.0万円へと、34.8万円増えました。学校教育費と給食費の合計は17.4万〜19.8万円の範囲にとどまっています。

学校教育費と給食費の合計は、総額から学校外活動費(補助学習費とその他の学校外活動費)を差し引いた試算値です。

ただし、すべての区分で年収に比例して増えるわけではありません。公立高校は400万円未満の50.3万円より、400万〜599万円の49.1万円のほうが低くなっています。私立小学校も、135.7万円から121.6万円へ下がりました。いずれも統計上の誤差範囲(95%信頼区間)が重なり、差があるとは言い切れません。おおむね、年収が高い世帯ほど教育費が増える傾向とみられます。