3. 【児童扶養手当の受給者は77万7962人】全部支給は46万4031人、一部支給は31万3931人(令和6年度末)

こども家庭庁「ひとり親家庭等の支援について(令和8年4月)」の「4. 経済的支援」には、手当を受け取っている人の数と、全部支給か一部支給かを決める所得の基準がまとめられています。早見表の金額のどこに当てはまるかを考えるときの手がかりになります。

3.1 児童扶養手当の受給者数は令和6年度末で77万7962人、平成24年度末より30万5355人少ない

同資料によると、令和6年度末の受給者数は77万7962人で、このうち全部支給は46万4031人、一部支給は31万3931人です。厚生労働省「福祉行政報告例」をもとにした受給者数の推移では、平成24年度末の108万3317人を境に減少に転じ、令和6年度末までに30万5355人減っています。全部支給と一部支給のどちらにも多くの人がいることから、同じ子どもの人数でも、受け取る金額には家庭ごとに幅があると考えられます。

3.2 所得制限限度額は扶養親族等1人で全部支給190万円・一部支給385万円(収入ベース)

全部支給か一部支給か、または支給されないかは、受給資格者の所得額と扶養親族等の数で決まります。同資料の「所得制限限度額表(令和8年度)」によると、扶養親族等が1人の場合、全部支給の限度額は所得ベースで107万円(収入ベースで190万円)、一部支給の限度額は所得ベースで246万円(収入ベースで385万円)です。所得ベースの限度額は、扶養親族等が1人増えるごとに、全部支給・一部支給とも38万円ずつ上がります。扶養する子どもなどが多いほど、手当を受け取れる所得の目安も高くなる仕組みです。子どもの人数が変わったときは、限度額も変わることを覚えておくとよいでしょう。

児童扶養手当の所得制限限度額(令和8年度)3/3

児童扶養手当の所得制限限度額(令和8年度)

出所:こども家庭庁「ひとり親家庭等の支援について(令和8年4月)」をもとにLIMO編集部作成

収入ベースの金額について、同資料では、給与所得者を例として「給与所得控除額等を加えて表示した」金額とされており、政令上は所得額で決められています。また、受給資格者と生計を同じくする扶養義務者の所得額が、扶養義務者の所得制限限度額(本人とは別に決められた金額)以上の場合は、全部支給停止になります。自分の家庭がどこに当たるかは、扶養している人数などによって変わるため、通知や市区町村の窓口で確かめるとよいでしょう。

4. 【金額を見るときの注意点】見込額であること、1月の支払分から変わることがある

早見表の金額は見込額をもとにした目安で、実際に届く金額とは違うことがあります。見込額であることと、金額が見直される時期の2つを確かめておきましょう。

4.1 児童扶養手当の金額は見込額、一部支給は前の年の所得などで決まる

振込額を考えるときに気をつけたいのは、令和8年4月からの金額が資料では見込額として示されている点です。一部支給の場合は、前の年の所得などによって金額が変わるため、早見表の幅の中のどこになるかは家庭によって違います。見込額のまま家計の計画を立てる場合は、少し余裕を持たせておくとよいでしょう。同資料には、働いて収入が増えるにつれて、手当を合わせた総収入も増える仕組みになっていることも示されています。所得の計算のしかたや、扶養している人数による限度額の違いは細かく決められているため、自分で判断しきれないときは、市区町村の窓口で聞いてみるとよいでしょう。

4.2 8月の現況届の所得で、1月の支払分から金額が変わることも

こども家庭庁の案内では、8月の現況届のときに出す前の年の所得によって、必要がある場合は、翌年の1月支払分から手当の金額が変わるとされています。11月の支払いまでは今の金額で、次の1月の支払いから金額が変わることがある、という流れです。

また、金額は年度ごとに見直されることもあるため、毎年4月ごろに金額が変わる可能性も頭に入れておき、新しい年度の通知を確かめる習慣をつけておくとよいでしょう。金額が変わる時期を先に知っておけば、家計の予算を組み直すタイミングも決めやすくなります。

5. 【11月の振込の前に】金額と支払日、家計での分け方を確かめる

11月の児童扶養手当を家計に生かすために、届く前に確かめておきたいことを見ていきましょう。

5.1 通知で全部支給か一部支給か、月額と支払日を確かめる

まず確かめたいのは、自分の手当の金額と支払日です。市区町村から届いている通知などで、全部支給か一部支給か、月額がいくらかを見ておくと、11月に届く2か月分の金額がわかります。具体的な支払日は、市区町村のお知らせで確かめておきたいところです。金額と支払日の両方がわかると、2か月分を次の支払月までにどう使うかを考えやすくなるでしょう。

5.2 2か月分を11月・12月の暮らしと年末年始の出費に分けておく

次に、2か月分をどう分けて使うかを決めます。11月に届く手当は9月分と10月分ですが、次の支払いは1月です。11月・12月の2か月の暮らしに充てる分と、年末年始の出費に備える分などを分けておくと、使いすぎを防ぎやすくなります。12月は冬休みに入り、子どもと過ごす時間が増える時期でもあるので、食費や行事の出費も見込んでおくとよいでしょう。学用品や部活動など、季節ごとにかかる子どもの費用を書き出しておくと、手当をどこに充てるかを決めやすくなります。

手当を受け取りながら、少しずつでも先の出費に備えるお金を分けておくと、子どもの進学など大きな出費の時期にも落ち着いて向き合いやすくなります。児童扶養手当の金額や支給について、わからない点はお住まいの市区町村に問い合わせるとよいでしょう。

6. まとめにかえて

宮野 茉莉子
児童扶養手当は、子どもを育てる家庭の暮らしを支える大切な手当です。金額や支払いの時期を知っておくことは、日々のやりくりの見通しを立てることにつながります。

手当は2か月分がまとめて届くので、届いた月と届かない月とで、お財布の状況が変わりやすいものです。月ごとの予算を決めておいたり、年末年始のように出費がかさむ時期を前もって書き出しておいたりすると、次の支払月までのお金の流れがつかみやすくなります。金額や手続きでわからないことがあれば、お住まいの市区町村の窓口で確かめてみてください。

手当の金額は年度ごとに見直されることがあり、所得によっても変わります。通知が届いたときに金額を確かめ、家計の予算を見直すことを習慣にしておくと、変化があっても慌てずにすみます。子どもの成長とともに必要なお金も変わっていくので、その時々の暮らしに合わせて、無理のない計画を立てていきましょう。

参考資料

宮野 茉莉子