住宅ローンを返している途中で、まとまったお金を前倒しで返すのが繰り上げ返済です。住宅金融支援機構の調査では、住宅ローンを返済中の人のうち、これまでに繰り上げ返済をしたことがある人は9.6%でした。
一方で、これから繰り上げ返済をしたいと考えている人は23.0%います。返す額と時期によって、減る利息や短くなる返済期間は変わります。
この記事では、金融経済教育推進機構の調査から、世帯主が医療・福祉の仕事に就いている世帯の住宅ローン残高を確かめ、繰り上げ返済の経験と意向をあわせて見ていきます。
1. 世帯主が医療・福祉で働く世帯で、住宅ローンなどの借入金がある世帯は22.4%
金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」では、世帯主の就業先の産業別に、借入金の有無と住宅ローン残高が集計されています。
1.1 二人以上世帯全体の18.7%を3.7ポイント上回る
世帯主の就業先が「医療、福祉」の世帯(340世帯)のうち、住宅ローンなどの借入金がある世帯は22.4%でした。二人以上世帯全体の18.7%と比べて、3.7ポイント高くなっています。
この調査でいう借入金には、住宅ローンのほか、住宅以外の目的の借入も含まれます。借入金がない世帯は77.6%です。
2. 医療・福祉の世帯の住宅ローン残高は平均1449万円、中央値1500万円
同じ調査で、借入金額を回答した医療・福祉の世帯76世帯の住宅ローン残高は、平均1449万円、中央値1500万円でした。
2.1 住宅ローン残高1000万円以上が57.9%、2000万円以上は32.9%
残高の分布を見ると、2000万円以上が32.9%で最も多く、1500万〜2000万円未満が15.8%、1000万〜1500万円未満が9.2%でした。この3つを合わせると、1000万円以上の世帯は57.9%になります。
一方で、500万円未満は合わせて13.1%、500万〜1000万円未満は2.6%でした。借入金額を回答した世帯の半分以上で、1000万円を超える住宅ローンが残っている計算です。
2.2 分母は借入金額を回答した76世帯で、回答数は少なめ
この分布の分母は、借入金があり借入金額を回答した76世帯です。無回答(ゼロも含む)が26.3%あり、回答数も多くないため、割合は幅をもって見る必要があります。
3. 住宅ローンを返済中の人で、繰り上げ返済をしたことがあるのは9.6%
住宅金融支援機構は2026年1月23日に、「住宅ローン利用者の実態調査(2024年度以前借入者調査・2025年10月調査)」の結果を公表しました。2025年3月までに住宅ローンを借りて返済中の人のうち、借入残高が1000万円以上で残りの返済期間が10年以上の、20歳以上70歳未満の5000人が回答しています(単身世帯を除く)。
3.1 3回以上繰り上げ返済をした人は3.3%
これまでの返済期間中に繰り上げ返済をした回数は、「0回」が90.4%で、「1回」が4.3%、「2回」が2.0%、「3回以上」が3.3%でした。繰り上げ返済をしたことがある人は、合わせて9.6%です。
この調査の回答者は、残高1000万円以上・残り10年以上の人に限られています。残高が少なくなった人や、繰り上げ返済で残りの期間が10年を切った人は含まれていない点に注意が必要です。
3.2 これから繰り上げ返済をしたい人は23.0%、一部繰り上げ返済が19.1%
いまの繰り上げ返済の考えを聞いた設問では、「一部繰上返済をしたい」が19.1%、「全部繰上返済をしたい」が3.9%で、合わせて23.0%でした。「繰上返済を検討していない」は77.0%です。
繰り上げ返済をしたことがある人は1割に届きませんが、これから考えている人は2割を超えています。
世帯主が医療・福祉で働く世帯のうち、住宅ローンなどの借入金がある世帯は22.4%で、残高は平均1449万円、中央値1500万円でした。住宅ローンを返済中の人で繰り上げ返済をしたことがあるのは9.6%、これからしたいと考えている人は23.0%です。
三菱UFJ銀行の2026年10月に新規で借りる場合の変動金利(ずーっと一律優遇コース)は、年1.195%です。繰り上げ返済は、返す額だけでなく、いつ返すかによっても減る利息が変わります。
ここからは、残高1500万円・残り25年の住宅ローンで、繰り上げ返済の時期と額を変えた場合の計算例を確かめます。