年金の平均額を見て「自分もこのくらい受け取れるのだろうか」と感じても、実際にいくらになるのかを確かめる機会は意外と少ないものです。

11月は日本年金機構の「ねんきん月間」で、11月30日は「年金の日」です。年金の日は、ねんきんネットなどで自分の年金記録や年金の見込額を確かめ、高齢期の生活設計を考えてもらうための日として平成26年に設けられました。

この記事では、2026年度の年金額と平均月額を確認したうえで、2026年4月に障害年金とiDeCoの試算機能が加わった厚生労働省の「公的年金シミュレーター」と、ねんきんネットの違いを整理します。

なお、2026年度の年金額や平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【厚生年金】2026年6月支給分から「標準的な夫婦世帯」の年金額が4495円アップ!支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?遺族・離婚時のルールも解説
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【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
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1. 公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て

公的年金は、20歳以上60歳未満の人が加入する国民年金(基礎年金)を1階、会社員や公務員などが上乗せで加入する厚生年金を2階とする「2階建て」の仕組みです。

厚生年金と国民年金の仕組み1/4

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

国民年金の保険料は一律で、2026年度は月1万7920円です。40年間(480月)すべて納めると、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れます。厚生年金の保険料は給与や賞与に応じて決まり、受け取る額も加入期間と現役時代の給与によって変わります。

2. 2026年度の国民年金の満額は月7万608円、標準的な夫婦は月23万7279円

厚生労働省が公表した2026年度の年金額の例は次のとおりです。

  • 国民年金(老齢基礎年金・満額1人分):月7万608円
  • 厚生年金(標準的な夫婦2人分):月23万7279円

昭和31年4月1日以前に生まれた人の老齢基礎年金(満額1人分)は、月7万408円です。夫婦2人分の月23万7279円は、平均的な収入(賞与を含む月額換算で45万5000円)で40年間働いた夫の老齢厚生年金と、夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)を合わせた額です。

2026年度の改定の中身を、LIMOの記事「【厚生年金】2026年6月支給分から「標準的な夫婦世帯」の年金額が4495円アップ!支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?遺族・離婚時のルールも解説」から引用して確認します。

2026年度、国民年金は前年度比1.9%、厚生年金は同2.0%の増額となっています。

(略)

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額・1人分)):7万608円(+1300円)
  • 厚生年金(夫婦2人分):23万7279円(+4495円)

(略)

夫婦2人分の標準的な年金額は月額23万7279円となり、年金は2カ月ごとに支給されるため、1回あたりの振込額は47万4558円です。

もっとも、これらはあくまでモデルケースです。実際の受給額は加入期間や現役時代の収入によって異なります。

出所:【厚生年金】2026年6月支給分から「標準的な夫婦世帯」の年金額が4495円アップ!支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?遺族・離婚時のルールも解説

あくまでモデルケースの額なので、自分がいくら受け取れるかは、加入記録をもとに確かめる必要があります。

3. 11月30日は「年金の日」。公的年金シミュレーターは2026年4月から障害年金とiDeCoも試算できる

自分の年金の見込額を確かめる方法として、日本年金機構の「ねんきんネット」と、厚生労働省の「公的年金シミュレーター」があります。

3.1 公的年金シミュレーターで変わったこと

公的年金シミュレーターは、働き方や収入が変わったときに将来の年金額がどう変わるかを簡単に試算できるツールです。ID・パスワードは要らず、ねんきん定期便に印刷された二次元コードをスマートフォンなどで読み取ると、入力の手間を省けます。入力した情報は記録されず、画面を閉じると消去されます。

厚生労働省は2026年4月1日から、障害年金とiDeCo(個人型確定拠出年金)の試算機能を加え、老齢年金の試算にも改善を加えた版の試験運用を始めました。試験運用の期間は、利用者の声を聞いて使い勝手を改善するために設けられています。

注意点として、iDeCoは運用の結果によって受け取る額が変わり、元本を下回ることもあります。原則60歳まで引き出せない点については留意しておきましょう。

3.2 ねんきんネットとの使い分け

公的年金シミュレーターは簡易な試算のため、実際の年金額とは一致しないことがあります。厚生労働省も、より正確な老齢年金の見込額はねんきんネットで確かめるよう案内しています。

ねんきんネットは、自分の年金記録にもとづいて見込額を試算できるほか、加入記録や通知書も確認できます。利用には、マイナポータルとの連携などの登録が必要です。

働き方を変えたら年金がどう動くかを手早く見るなら公的年金シミュレーター、自分の記録にもとづく見込額を確かめるならねんきんネット、と目的で使い分けられます。

日本年金機構は、11月のねんきん月間に年金事務所の出張相談や年金セミナーを開いています(2025年度の案内)。11月30日の年金の日に合わせて、まずは手元のねんきん定期便を開くところから始められます。

ここからは、国民年金と厚生年金の平均月額と、国民年金の月額ごとの人数を確認し、最後に筆者の考えをまとめます。