物価の上昇が続くなか、毎月の学校給食費が家計に与える影響が気になっている家庭も多いのではないでしょうか。「給食は無料になったはず」と思っていたのに、学校からお知らせが届いて戸惑った人もいるかもしれません。

文部科学省の調査で計算方法をそろえて比べると、公立小学校の学校給食費の平均月額は2023年度の4655円から、2025年5月時点では5196円に上がりました。2年間で541円の上昇です。

この記事では、2026年4月に始まった国の負担軽減で何が変わったのかを、全国と都道府県別の学校給食費とあわせて解説します。

1. 【学校給食費の抜本的な負担軽減】2026年4月から公立小学校の食材費を国が支援

2026年4月から、公立小学校の学校給食費について国の支援が始まりました。文部科学省は、この取り組みを「学校給食費の抜本的な負担軽減」と名づけています。

対象は公立小学校の児童で、義務教育学校の前期課程と特別支援学校の小学部も含まれます。始まって半年がたったいま、家計の負担がどこまで軽くなるのかを国の資料で確認します。

1.1 「無償化」ではなく自治体への支援

これまで「給食無償化」と呼ばれてきましたが、文部科学省は呼び方を改めました。完全に無料になる印象が広がると、自治体の財政負担が増えたり、給食の質が下がったりするおそれがあるためです。

しくみは、学校給食の食材を買う経費を、国が地方自治体に支援するものです。個人に給食費を配る制度ではないため、保護者の手続きは原則いりません。

ただし、重度のアレルギーなどで給食を食べられない児童を支援している自治体もあります。その支援を受けるときは、個別の手続きが必要になります。

1.2 国が支援する基準額

国の支援には、児童1人・1か月あたりの基準額があります。パンや米飯などの主食とミルク、おかずがそろう完全給食なら、公立小学校で5200円です。

給食の種類ごとに、国が支援する1か月あたりの基準額をまとめました1/2

学校給食費の抜本的な負担軽減で国が支援する基準額と、2025年5月時点の学校給食費の平均月額

出所:文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」、文部科学省「学校給食実施状況等調査(令和7年度)」を参考にLIMO編集部作成

特別支援学校の小学部は、完全給食で6200円です。ミルクとおかずの補食給食は4800円(特別支援学校小学部は5800円)、ミルクだけのミルク給食はどちらも1200円になります。

支援は年間で11か月分です。完全給食なら、1年で5万7200円が基準になります。

1.3 基準額を超える分の扱い

給食の内容や回数は自治体によって異なり、食材費が基準額を超える場合もあります。超えた分は、学校給食法にもとづき、引き続き保護者から学校給食費として集めることができます。

つまり、住んでいる地域によっては保護者の負担が残るのです。文部科学省のページでも、無償になるかという問いに「地方自治体によります」と答えています。

なお、国の取り組みが始まる前から、独自の事業で学校給食費の負担を軽くしてきた自治体もあります。

2. 学校給食費の全国平均は小学校「月5196円」・中学校「月6013円」

では、基準額の5200円は、実際の学校給食費と比べてどのくらいの水準なのでしょうか。文部科学省「学校給食実施状況等調査」の最新の結果(2025年5月1日現在)で、全国の学校給食費を見ていきます。

2.1 2025年5月時点の学校給食費

完全給食を実施している公立学校の学校給食費は、平均月額で小学校が5196円、中学校が6013円でした。夜間定時制高等学校は5896円です。

この額は、食材費にあたる分の平均です。1年間に必要な額を11か月で割って、月額を出しています。

2.2 前回調査から1割以上の上昇

前回の2023年度の調査と比べると、小学校は4655円から11.6%、中学校は5380円から11.8%上がりました。2年で1割を超える上がり方です。

比べている2023年度の額は、今回の計算方法にそろえて計算し直した数字です。2023年度の調査結果として公表されていた額は、小学校が4688円、中学校が5367円でした。

2025年度の調査からは、全国平均を都道府県ごとの学校数で重みづけして出す方法に変わりました。そのため、過去に公表された数字とは少し差があります。

2.3 基準額と平均額は時点が違う

小学校の平均5196円は2025年5月時点の数字で、基準額の5200円は2026年度の支援の額です。並べて読むときは、時点がそろっていない点に気をつけましょう。

文部科学省では、基準額は毎年の給食費の調査を行ったうえで、取り組みの実施状況や物価の動向などを踏まえて決めるとしています。

国の支援がどこまで家計に届くかは、住んでいる地域の給食費によって変わります。まずは、子どもが通う学校から届く学校給食費のお知らせで、2026年4月以降の額を確かめてみてください。

太田 彩子

国の基準額を超える分をどう扱うかは、学校を設置している市区町村が決めます。お子さんの学校から届くお知らせや、教育委員会のホームページで、4月以降の学校給食費を確かめておくと安心です。