ゆうちょ銀行は2026年9月18日、通常貯金の金利を11月9日から年0.400%から年0.500%に引き上げると発表しました。

通常貯金はいつでも出し入れできる貯金で、年金を自動で受け取る口座にもなっています。

年金をゆうちょ銀行で受け取っている人にとって、この引き上げで何が変わるのでしょうか。ゆうちょ銀行の案内をもとに、この疑問に答えます。

1. 【ゆうちょ銀行】年金を受け取る通常貯金の金利は11月9日から年0.5%

今回取り上げるのは、次のような疑問です。

「年金はずっとゆうちょで受け取っていて、使わなかった分はそのまま口座に残しています。11月から金利が上がると聞きましたが、何か手続きをしないと利息は増えないのでしょうか?」

先に結論をお伝えすると、手続きはいりません。年金が振り込まれる通常貯金は、11月9日以降、すでに預けている残高にも年0.500%の金利が付きます。

ただし、利息がどれくらい増えるかは、口座に残っている金額しだいです。まずは、年金がどの口座に入るのかから確認しましょう。

2. ゆうちょ銀行で受け取る年金は通常貯金に入る

ゆうちょ銀行の「年金自動受取り」は、年金が支給日に通常貯金へ自動的に振り込まれるサービスです。厚生年金や国民年金のほか、共済年金や恩給なども対象になっています。

2.1 すでに預けている残高にも新しい金利

ゆうちょ銀行のよくある質問では、すでに預けている貯金の金利について、次のように答えています。

通常貯金・通常貯蓄貯金は、日々利子計算を行っており、2026年11月9日(月)以降は、引き上げ後の金利を適用いたします。

出所:ゆうちょ銀行「貯金金利の引き上げ(2026年11月9日実施)について、詳しく教えてほしい。」

年金を受け取っている人が、窓口で申し込んだり口座を作り直したりする必要はありません。11月9日以降の残高に、そのまま新しい金利が使われます。

2.2 通常貯蓄貯金も同じ幅で上がる

11月9日の引き上げ幅は、通常貯金・通常貯蓄貯金とも0.100%です。通常貯蓄貯金の新規の申し込みは2025年5月2日に終わっていますが、すでに使っている人の残高にも年0.500%が付きます。

3. 年金を置いている通常貯金の利息はいくら増えるのか

では、利息はどれくらい変わるのでしょうか。通常貯金に同じ金額を1年間置いたままにした場合で、年0.400%と年0.500%の利息を比べました。

通常貯金に100万円を1年間置くと、利息は税引前で年4000円から5000円に増える1/2

ゆうちょ銀行の通常貯金に30万円・100万円・300万円・500万円を1年間置いた場合の税引前の利息を、年0.400%と年0.500%で比べた表

出所:ゆうちょ銀行「貯金金利の引き上げのお知らせ」をもとにLIMO編集部作成

【1年間置いた場合の利息(税引前)】

  • 30万円:年0.400%なら1200円、年0.500%なら1500円
  • 100万円:年0.400%なら4000円、年0.500%なら5000円
  • 300万円:年0.400%なら1万2000円、年0.500%なら1万5000円
  • 500万円:年0.400%なら2万円、年0.500%なら2万5000円

3.1 税金が引かれると100万円で3985円

預貯金の利息には、所得税・復興特別所得税と住民税を合わせて20.315%の税金がかかります。2027年からは防衛特別所得税も加わりますが、復興特別所得税が下がるため、合計の税率は変わりません。

100万円を年0.500%で1年間置いた場合、税引前の5000円から1015円が引かれ、受け取る利息は3985円です。

3.2 年金をすぐ使う人は利息もわずか

年金を受け取るとすぐに生活費に使う人は、口座に残る金額が少ないため、金利が上がっても利息はあまり増えません。たとえば2か月分の年金30万円を2か月かけて同じペースで使い切る場合、平均の残高は15万円で、年0.500%でも利息は税引前で年750円ほどです。

年金をすぐ使う人と100万円を置いたままの人では、年0.500%でも利息に年4000円以上の差がある2/2

年金30万円を2か月で使い切る人(平均残高15万円・利息年750円)と、100万円を1年間置いたままの人(利息年5000円・税引後3985円)の年0.500%での利息を比べた図

出所:ゆうちょ銀行「貯金金利の引き上げ(2026年11月9日実施)について、詳しく教えてほしい。」をもとにLIMO編集部作成

通常貯金の金利が年0.500%に上がっても、利息が大きく増えるのは残高が多い人です。自分の口座にどれくらいのお金が残っているかは、通帳やゆうちょ通帳アプリで確かめられます。

太田 彩子

年金の受取口座からは、国民健康保険料や後期高齢者医療の保険料を口座振替にしている人も多いでしょう。金利のことだけでなく、引き落としに必要な残高があるかもあわせて通帳で確かめておくと安心です。