北九州のソウルフードとして知られる「資さんうどん」が、愛知県に初進出します。同チェーンは、2024年10月に株式会社すかいらーくホールディングスの傘下に入って以降、国内の店舗網を広げ、2026年には海外1号店も台湾にオープンしました。
今回の出店は東海地域での初進出となります。それでは、国内の未出店エリアはどこなのでしょうか。短期間で店舗数を増やせている理由も合わせて、紹介します。
1. 資さんうどんが愛知県に初進出!2027年1月下旬にオープン
株式会社資さんは2026年10月13日、愛知県名古屋市に「資さんうどん 熱田一番店」を出店すると発表しました。オープンは2027年1月下旬を予定しています。
東海地域1号店となる同店は、これまで営業していた「ラ・オハナ 熱田一番店」を業態転換して開業します。
資さんは2026年7月に、愛知県への初出店を発表。その際、愛知県をはじめ東海エリアで複数店舗の出店を計画していると説明しています。今回の発表では、1号店の場所と開業時期が明らかになった形です。
2店舗目以降の具体的な所在地や開業日は、現時点で公表されていませんが、今後名古屋市を皮切りに東海地域での店舗網が一気に広がるかもしれません。
2. 資さんうどんの店舗数は2年で約50店増。未出店エリアは?
資さんうどんは1976年に北九州市で創業したうどんチェーンです。看板商品の「肉ごぼ天うどん」をはじめ、丼、カレー、おでんなど150種類以上のメニューをそろえ、年間830万個を販売する「ぼた餅」も名物として知られています。
創業時の「資さんうどん」2/2
出所:株式会社資さん
同チェーンは、2024年10月に株式会社すかいらーくホールディングスの傘下に入ったことで、店舗網が全国に広がってきています。
すかいらーくホールディングスの公式資料によると、2024年10月のグループ入り時点で74店でしたが、2026年9月末には121店となり、約2年で47店増加しています。
関東や関西への出店を進める一方、2026年6月には台湾に海外1号店をオープン。海外戦略も始動しています。
3. 現在出店している&出店していない都道府県はどこ?
2026年10月15日時点で、国内店舗を展開している都道府県は次の19都道府県です。
- 関東: 群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
- 近畿: 京都府、大阪府、兵庫県、奈良県
- 中国: 岡山県、広島県、山口県
- 九州: 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
店舗は急拡大していますが、北海道・東北、甲信越・北陸、東海、四国には、現時点で国内店舗がありません。
27年1月に進出が決まっている愛知県も含むと、以下の28県にはまだ資さんうどんが進出していません。
- 北海道・東北: 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
- 関東: 茨城県、栃木県
- 甲信越・北陸: 新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県
- 東海: 岐阜県、静岡県、三重県
- 近畿: 滋賀県、和歌山県
- 中国: 鳥取県、島根県
- 四国: 徳島県、香川県、愛媛県、高知県
- 九州・沖縄: 沖縄県
愛知県以外の東海エリアでも複数店舗を出店する計画が発表されていることから、もしかすると岐阜県、静岡県、三重県などの地域は比較的早いタイミングで出店される可能性はあります。
4. すかいらーくが既存店舗からの業態転換で資さんうどんを拡大する狙い
資さんうどんの店舗数が増加している背景には、すかいらーくグループの経営資源を活用した出店戦略があります。
4.1 既存店舗を活用して出店を進める
株式会社すかいらーくホールディングスは、資さんうどんについて既存店舗からの業態転換を活用し、出店を進めています。
今回の熱田一番店も、既存の「ラ・オハナ 熱田一番店」を転換する計画です。
飲食店の新規出店では、立地の選定、物件の確保、建設や内装工事などに費用と時間がかかります。グループ内の既存店舗を転換すれば、建物や設備を活用できるため、物件開発の負担を抑えながら店舗網を広げることができます。
4.2 グループの調達・物流・人材育成の仕組みを活用
株式会社すかいらーくホールディングスは、資さんうどんの事業拡大にあたり、グループの購買、製造、立地開発、人材育成などの経営基盤を活用する方針を示しています。
食材の共同購買や物流網、従業員の採用・育成などを支援できれば、出店エリアが広がった際にも店舗運営を進めやすくなります。
店舗数を増やすには、立地を確保するだけでなく、各店で品質やサービスを維持できる運営体制も必要ですが、グループの経営資源活用は、こうした課題への対応にもつながります。
4.3 既存ブランドの店舗構成を見直す
すかいらーくグループでは、地域の人口動態や店舗の収益性などを踏まえ、既存店舗の業態転換を進めています。
資さんうどんへの転換は、同ブランドの店舗を増やすだけでなく、グループ全体の店舗構成を見直す施策でもあります。既存店の立地を活用しながら、地域の需要に合う業態へ切り替えられれば、店舗資産を有効に活用できます。
資さんうどんは、うどんに加えて丼、カレー、おでん、ぼた餅などを提供しており、食事から軽食まで幅広い需要を取り込めます。ロードサイド立地での営業にも対応しやすいことから、既存店舗の転換先として活用されていると考えられます。
5. トレンドウォッチャーのひとこと

2026年6月、資さんうどんは台湾・台北に海外1号店「資さん烏龍麵」をオープンしました。すかいらーくグループは台湾で複数の飲食ブランドを運営しており、現地で培った店舗運営のノウハウを活用しています。
すかいらーくホールディングスによると、台湾1号店は「非常に好調」とのこと。台湾では2026年中に3店舗、中長期的には100店舗以上を目指す方針を示しており、東南アジアへの展開にも意欲をみせています。
台湾店舗では、看板商品の肉ごぼ天うどんなど日本でおなじみのメニューを提供する一方、現地の好みに合わせた味の調整や台湾限定メニューも用意しています。日本のブランドらしさを保ちながら、現地の食文化にも対応する方針です。
参考資料
- 「資さんうどん」
- 株式会社資さん「北九州のソウルフード『資さんうどん』、東海地域1号店となる『資さんうどん 熱田一番店』を出店決定!2027年1月下旬、愛知県名古屋市にオープン!」
- 株式会社すかいらーくホールディングス「ブランド別店舗数」
大蔵 大輔