「1000万円をまとめて定期預金に入れるなら、どこの金融機関がいいのだろう…」。退職金や満期を迎えたお金など、まとまったお金の置き場所を考えるとき、こんなふうに迷う方もいるのではないでしょうか。金利が少しずつ上がってきたいま、1年の定期預金の金利が金融機関によってどのくらい違うのかは、気になるところです。
各金融機関が公表している金利を見ると、2026年10月の時点で、1年の定期預金の金利(税引前・年率)は、ゆうちょ銀行・三菱UFJ銀行・ドコモSMTBネット銀行・楽天銀行が0.5%、ソニー銀行が1.0%です。1000万円を1年預けた場合の利子は、税引後で3万9843円から7万9685円が目安になります。
本記事では、5つの金融機関の1年の定期預金の金利を並べ、1000万円を預けたときの利子を計算してみます。金利のほかに確かめておきたい預金保険の範囲や、普通預金の金利の動きもあわせて解説します。
1. 2026年10月【1年の定期預金の金利は?】ゆうちょ・三菱UFJ・ネット銀行3行を並べてみる
各金融機関がホームページで公表している1年の定期預金の金利(いずれも税引前・年率)を、順に見ていきます。※キャンペーンなどは除く
ゆうちょ銀行の定期貯金は、「金利一覧」(2026年10月5日現在)で0.500%です。三菱UFJ銀行のスーパー定期は、「円預金金利」のページ(2026年10月9日現在)で、300万円未満・300万円以上とも0.5000%となっていて、自由金利型定期預金(大口定期)の1年も0.5000%です。
なお、ゆうちょ銀行の定期貯金の商品概要説明書によると、定期性貯金のご利用は法令の定めにより1人1300万円までとされているため、すでに定期性貯金がある場合は全額を預けられないことがあります。
ネット銀行では、2026年8月3日に住信SBIネット銀行から社名を変えたドコモSMTBネット銀行の円定期預金が、金利のページ(2026年10月12日現在)で、1000万円以上の区分も含めて0.500%です。楽天銀行の定期預金は、2026年10月12日の表示で1000万円以上の区分も0.50%、ソニー銀行の円定期預金は、2026年10月12日に適用している金利で、1000万円以上の区分も1.000%となっています。預ける金額で区分を分けている金融機関でも、1000万円にあたる区分の1年の金利は、ほかの区分と同じでした。
ここで並べたのは、各金融機関が表示している基本の金利です。新しく口座を開いた人向けの金利や、期間を区切った特別金利は入れていません。また、金利は金融情勢などによって変わり、各金融機関のページにもそれぞれ表示の日付があります。実際に預けるときは、その時点の金利を各金融機関のページで確かめておきましょう。
2. 【1000万円を1年預けたら?】0.5%なら税引後3万9843円、1.0%なら7万9685円
では、1000万円を1年の定期預金に預けると、利子はいくらになるのでしょうか。金利が0.5%なら、利子は税引前で5万円です。個人が受け取る利子には、国税15.315%と地方税5%をあわせた20.315%の税金がかかり、差し引くと3万9843円が目安になります。金利が1.0%なら、税引前で10万円、税引後で7万9685円です(国税15.315%と地方税5%をそれぞれ1円未満切り捨てて計算)。
同じ1000万円を1年預けても、金利が0.5%違うだけで、手元に残る税引後の利子はほぼ倍になる計算です。ただし、ここで計算したのは1年間預け続けた場合の利子です。ゆうちょ銀行の定期貯金のように、途中で引き出すと別の利率が使われる商品もあります。利子を比べるときは、税引前ではなく実際に受け取る税引後の金額で考えると、家計の計画に結びつけやすくなるでしょう。
この違いをどう受け止めるかは、人によって分かれるところでしょう。金利の高さはもちろん大切ですが、すでに口座を持っているか、ふだん使っている金融機関か、満期のあとにどう扱われるかといった点も、預け先を選ぶ理由になります。数字だけで決めず、自分にとって無理なく続けられる預け先かどうかもあわせて考えたいところです。
3. 【金利のほかに確かめたいこと】定期預金は元本1000万円まで預金保険で保護、普通預金の金利も上がる
1000万円という金額を預けるときに知っておきたいのが、預金保険制度です。金融庁の「預金保険制度」には、「定期預金や利息の付く普通預金等(一般預金等)は、預金者1人当たり、1金融機関ごとに合算され、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます」とあります。1000万円を超えた分は、破綻した金融機関にどれだけ財産が残っているかによって支払われる金額が決まるため、全額は戻らないこともあります。
同じ金融機関に定期預金や利息の付く普通預金がすでにある人が、さらに1000万円を定期預金に入れると、合わせて元本1000万円を超えることになります。預け先を選ぶときは、金利とあわせて、その金融機関にいまいくら預けているのかも確かめておきたいところです。
もう一つ見ておきたいのが、普通預金の金利の動きです。楽天銀行とソニー銀行は2026年11月2日から、ゆうちょ銀行は11月9日から、普通預金(ゆうちょ銀行は通常貯金)の金利を0.40%から0.50%に上げると発表しています。ドコモSMTBネット銀行は、2026年10月1日に普通預金の金利を0.40%から0.50%に上げています。三菱UFJ銀行の普通預金は、2026年10月9日現在で0.4000%です。
今の定期預金の金利のままなら、普通預金の金利が0.50%になると、1年の定期預金の0.5%と同じ水準に並びます。ドコモSMTBネット銀行は10月からすでにこの形で、楽天銀行とゆうちょ銀行も、定期預金の金利が今のままなら、引き上げのあとは同じ水準になります。いつでも引き出せる普通預金と金利が変わらないのであれば、定期預金を選ぶ意味は、金利の上乗せよりも「1年は手をつけないお金」として分けておけることのほうにあると考えられます。ゆうちょ銀行は定期性貯金の金利も引き上げる予定で、改定後の金利は確定次第知らせるとしています。
ここまでをまとめると、2026年10月の時点で、1年の定期預金の金利はゆうちょ銀行・三菱UFJ銀行・ドコモSMTBネット銀行・楽天銀行が0.5%、ソニー銀行が1.0%です。1000万円を1年預けた場合の税引後の利子は、0.5%で3万9843円、1.0%で7万9685円が目安になります。定期預金や利息の付く普通預金などの元本が預金保険で守られるのは1つの金融機関ごとに1000万円までなので、預けている金額の合計もあわせて確かめておきましょう。
今回並べた5つの金融機関では、1年の定期預金の金利は0.5%と1.0%に分かれていました。普通預金の金利も上がってきていて、定期預金との差は小さくなりつつあります。
まずは、手元のお金のうち1年間使う予定のない金額と、いま各金融機関に預けている金額を書き出してみてはいかがでしょうか。
