4. 上乗せがない人の世帯は「夫婦のみ」が41.8%
上乗せがない人がどのような世帯で暮らしているかも、調査で分かります。最も多いのは夫婦のみの世帯で41.8%、ひとり暮らしの単身世帯は11.5%でした。
- 上乗せがない人:夫婦のみ41.8%、単身11.5%、配偶者あり計69.1%
- 上乗せがある人:夫婦のみ39.6%、単身20.1%、配偶者あり計63.1%
4.1 配偶者がいる割合は上乗せがない人のほうが高い
配偶者がいる人の割合は、上乗せがない人で69.1%と、上乗せがある人を6.0ポイント上回りました。反対に単身世帯は、上乗せがある人の20.1%に比べて8.6ポイント低くなっています。
配偶者の年金や収入がどのくらいあるかは、この区分では分かりません。上乗せの有無で分けた夫婦の収入の合計は、調査の集計に載っていないためです。
5. 65歳以上の老齢年金受給者全体の収入と支出
上乗せの有無で分けた数字ではありませんが、65歳以上の受給者全体の収入と支出も見ておきます。本人の年間収入の平均は240万6000円で、男性は331万4000円、女性は171万3000円でした。
5.1 収入のうち公的年金が占める割合
本人の収入総額に占める公的年金の割合の平均は、男性で74.6%、女性で84.3%です。多くの人にとって、年金が収入の大半を占めていることが分かります。
5.2 本人と配偶者の月の支出は中央値18万3000円
本人と配偶者の1か月の支出は、中央値で18万3000円でした。公的年金の額が年50万円未満の人では8万2000円、年200万円から250万円の人では17万6000円と、年金の額によって支出の水準も変わります。
6. 生活保護を受けている人は上乗せがない人で2.0%
調査では、生活保護を受けているかどうかも尋ねています。受けている人の割合は、上乗せがない人で2.0%、上乗せがある人で1.4%でした。
働いていない人に理由を聞くと、「働くことができないため」と答えた人は上乗せがない人で71.0%、上乗せがある人で58.8%です。働いていない理由として、上乗せがない人のほうが12.2ポイント多く挙げた項目です。
7. 老齢基礎年金が中心の世帯で確かめておきたいこと
年金の額を増やす手段は、受け取り始めた後では限られます。いまの年金で暮らしている人は、支出を抑える制度を使えているかを確かめておくことが大切です。
7.1 国民健康保険・後期高齢者医療の保険料の軽減
国民健康保険と後期高齢者医療制度では、世帯の所得が基準以下なら、保険料のうち均等割(国民健康保険では平等割も)が7割・5割・2割軽減されます。2026年度の基準では、65歳以上で年金収入だけの単身なら、168万円以下が7割軽減の目安です。
軽減は世帯全員の所得で判定するため、同じ世帯の家族の収入によっては対象から外れることもあります。保険料の通知書に軽減の記載があるかは、お住まいの市区町村の窓口で確かめられます。
7.2 年金生活者支援給付金
65歳以上で老齢基礎年金を受け取っていて、世帯全員が住民税非課税で、前年の年金収入とその他の所得の合計が基準以下の人は、老齢年金生活者支援給付金の対象になります。対象になりそうなのに請求書が届いていない場合は、ねんきんダイヤルや年金事務所に問い合わせてみてください。
8. まとめにかえて
厚生年金・共済年金の上乗せがない65歳以上は老齢年金受給者の10.3%で、公的年金は年平均64万2000円でした。同じ2022年度の老齢基礎年金の満額77万7800円を、年13万5800円下回っています。
上乗せがない男性の39.7%が働き、働く理由は「生活にどうしても必要だから」が47.5%でした。世帯は夫婦のみが41.8%で、配偶者のいる人が69.1%を占めました。
年金額は年金額改定通知書やねんきんネットで確かめられます。保険料の軽減や給付金の対象かどうかは、市区町村の窓口や年金事務所に相談してみてください。
参考資料
- 厚生労働省「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年」
- 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
太田 彩子