スマートフォンの料金は、家族の人数分だけ毎月かかる固定費です。障害者手帳を持つ人は、携帯電話会社の障害者向けの割引を申し込むと、基本料などが割り引かれます。
ただし、割引の大きさは会社によって大きく違い、ドコモの割引は家族向けの割引などと重ねて使えません。手帳を持つ本人の名義で契約しているかどうかも、割引を受けるための条件になります。
この記事では、2026年10月時点のドコモ・au・ソフトバンクの公式の案内をもとに、3社の障害者割引の対象と割引額、名義の条件、ほかの割引との関係を整理します。
1. 携帯電話の障害者割引は、ドコモ・au・ソフトバンクとも3種類の障害者手帳が対象
大手3社の携帯電話の障害者割引は、名前は違いますが、対象になる手帳はほぼ共通しています。まずは3社の割引の名前と対象を確認します。
1.1 割引の名前は、ドコモ「ハーティ割引」、au「スマイルハート割引」、ソフトバンク「ハートフレンド割引」
ドコモは「ハーティ割引」、auは「スマイルハート割引」、ソフトバンクは「ハートフレンド割引」という名前で、障害者手帳を持つ人向けの割引を設けています。いずれも自動では適用されず、申し込みが必要です。
携帯電話大手3社の障害者割引、基本料の割引額は会社によって大きく違う1/2
出所:ドコモ「ハーティ割引」、au「スマイルハート割引」、ソフトバンク「ハートフレンド割引(基本プラン)」をもとにLIMO編集部作成
1.2 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のほか、特定医療費(指定難病)受給者証なども対象
3社とも、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種類の手帳が対象です。申し込みのときは、手帳の原本などで交付を受けていることを確認されます。
手帳のほかに、特定疾患医療受給者証や特定医療費(指定難病)受給者証などの交付を受けている人も対象になります。ソフトバンクは、自立支援医療受給者証(精神通院医療)や小児慢性特定疾病医療受給者証も対象に挙げています。
2. ドコモのハーティ割引は、ドコモ MAX(無制限)で月額料金が8448円から6468円に
3社のなかで割引額が大きいのが、ドコモのハーティ割引です。ドコモの案内には、料金プランごとに割引を適用したあとの月額料金が載っています。
2.1 ドコモ MAXは3つの段階とも、割引のあとの月額料金が1980円下がる
ドコモ MAXの月額料金は、無制限で8448円、3GBまでで6798円、1GBまでで5698円です。ハーティ割引を適用すると、それぞれ6468円、4818円、3718円になります。いずれもspモードの月額使用料を含んだ金額で、差はどの段階でも1980円です。
eximoは無制限の7315円が5808円に下がり、差は1507円です。一方で、「ドコモ mini」と「irumo」は、料金プランの割引の対象外とされています。
2.2 「みんなドコモ割」「dカードお支払割」などとは重ねて使えない
ハーティ割引は、家族の回線数に応じた「みんなドコモ割」や、子育て向けの「子育てサポート割引」、dカードで支払う「dカードお支払割」などと重ねて適用できません。重ねられない割引の一覧は、ドコモのサイトに別に掲載されています。
家族割やカード払いの割引をすでに使っている場合は、ハーティ割引に切り替えたときに、毎月の料金が実際にいくら下がるかを確かめる必要があります。
3. auのスマイルハート割引は基本料から月440円、ソフトバンクのハートフレンド割引は月220円
auとソフトバンクの障害者割引は、基本料から決まった額を割り引く形です。ドコモと比べると、基本料の割引額は小さくなります。
3.1 auは通話料とSMS送信料も割引。au電話あては50%、他社あては20%
auのスマイルハート割引は、auバリューリンクプラン系や使い放題MAX+系などの基本料から月440円を割り引きます。ケータイプランは月407円の割引です。
あわせて、au電話や一般電話への通話料は50%、他社の携帯電話などへの通話料は20%割り引かれます。SMSの送信料も、au電話あては50%、他社あては20%の割引です。ただし、通話定額のついたプランなど、通話料の割引の対象にならないプランもあります。
3.2 ソフトバンクは基本料が1078円から858円に。留守番電話プラスなどのオプションは60%割引
ソフトバンクのハートフレンド割引は、基本プラン(音声)の基本料1078円から一律220円を割り引き、858円にします。留守番電話プラス、割込通話、位置ナビ、電話帳バックアップの月額使用料は60%割引です。
ソフトバンクの提供条件書(2026年1月27日更新)では、割引額が割引の対象になる料金を超えても、超えた分は翌月に繰り越さないとしています。
4. 割引の対象になる手帳、身体障害者手帳は467万4999人、療育手帳は132万1350人
携帯電話の障害者割引を使える人は、どのくらいいるのでしょうか。厚生労働省の「令和6年度 福祉行政報告例」から、手帳の交付台帳に載っている人数を確認します。
4.1 身体障害者手帳は前年度から2.3%減り、療育手帳は3.1%増えた
2025年3月末時点(令和6年度末)の身体障害者手帳の交付台帳登載数は467万4999人で、前年度より10万8137人(2.3%)減りました。障害の種類別では、肢体不自由が224万7815人で最も多く、内部障害が161万8720人で続きます。
療育手帳の交付台帳登載数は132万1350人で、前年度より3万9881人(3.1%)増えました。身体障害者手帳は減り、療育手帳は増えるという、逆の動きになっています。
4.2 子どもの回線を親の名義で契約しているなら、利用者の登録を確かめる
手帳を持つのが子どもの場合、スマートフォンを親の名義で契約している家庭もあります。その場合は、割引の条件になる「本人の名義」や「利用者の登録」がどうなっているかを、契約内容で確かめておく必要があります。
携帯電話の障害者割引は、ドコモ・au・ソフトバンクとも3種類の障害者手帳が対象ですが、基本料の割引額はドコモ MAXの1980円から、ソフトバンクの220円まで開きがあります。ドコモのハーティ割引は、みんなドコモ割やdカードお支払割と重ねて使えません。
割引を申し込む前に、いまの請求書でどの割引が適用されているかを確かめ、割引を切り替えたあとの月額料金と比べておくと、思ったほど安くならなかったという事態を避けられます。
ここからは、割引を受けるための名義の条件と、ハーティ割引とほかの割引のどちらが安くなるかを計算例で見ていきます。