3. 【後期高齢者医療の負担割合】資格確認書に書かれる1割・2割・3割

75歳から医療機関の窓口で払う割合は、1割・2割・3割のいずれかです。どの割合になるかは、同じ世帯の被保険者の所得で決まります。

3.1 割合を決める基準

東京都新宿区の案内では、窓口負担の割合は次の基準で判定されます。住民税非課税世帯の人は、この表にかかわらず1割です。

後期高齢者医療制度の窓口負担割合の判定2/2

後期高齢者医療制度の窓口負担割合の判定基準を、3割(課税所得145万円以上)、2割(課税所得28万円以上で年金収入とその他の合計所得金額が単身200万円以上)、1割(それ以外・住民税非課税世帯)に分けて示した図

出所:新宿区「令和8年8月からの後期高齢者医療資格確認書等の発送について」を参考にLIMO編集部作成

  • 3割:同じ世帯の被保険者に、住民税の課税所得が145万円以上の人がいる
  • 2割:同じ世帯の被保険者に課税所得28万円以上145万円未満の人がいて、「年金収入+その他の合計所得金額」が被保険者1人なら200万円以上、2人以上なら合計320万円以上
  • 1割:上のどちらにもあてはまらない人

なお、3割と判定されても、同じ世帯の被保険者の収入の合計が1人で383万円未満、2人以上で520万円未満などの場合は、1割か2割になります。

3.2 割合は毎年8月1日に切り替わる

後期高齢者医療の保険料の計算を担当していた頃、窓口では「急に3割になった」という相談をよく受けてきました。窓口負担の割合は前年の所得で判定され、毎年8月1日に切り替わります。

土地を売った年など、一時的に所得が増えただけでも割合が変わることがありました。75歳で届いた書類の割合も、翌年の8月には変わる可能性があります。

4. 国民健康保険などで持っていた証は後期高齢者医療制度に引き継がれない

75歳になると、医療保険の保険者が変わります。それまでの健康保険で受けていた認定は、後期高齢者医療制度でそのまま使えるとは限りません。

4.1 特定疾病療養受療証は改めて申請

人工透析が必要な慢性腎不全など、厚生労働大臣が定める特定疾病の人は、認定を受けると窓口での支払いが1つの医療機関につき月1万円までになります。東京都後期高齢者医療広域連合は、これまでの医療保険で特定疾病療養受療証を持っていた人も、新たに被保険者になったときは改めて申請が必要だとしています。

申請には、医師の意見書のほか、後期高齢者医療制度に入る前に健康保険組合などから交付された特定疾病療養受療証も使えます。申請すると、申請した月の初日から適用されるのです。

4.2 資格確認書の人は限度区分の記載を申請できる

マイナ保険証を使えば、手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除されます。資格確認書で受診する人は、高額療養費の限度区分を資格確認書に書いてもらうよう、市区町村の窓口に申請できます。

限度区分が書かれた資格確認書を見せると、保険が使える医療費の窓口での支払いが限度額までになります。入院の予定があるときなどは、早めに申請しておくと安心です。

4.3 マイナ保険証を持っていても資格確認書を受け取れる場合

マイナ保険証を持っている人でも、マイナンバーカードを紛失した人や更新中の人、介助者などが同行して資格確認を手伝う必要がある人は、申請すれば資格確認書を受け取れます。申請先は、住んでいる市区町村の担当窓口です。

5. まとめにかえて

75歳の誕生日には、後期高齢者医療制度へ自動で切り替わり、加入の手続きは原則要りません。ただし、扶養に入っていた75歳未満の家族は、国民健康保険への加入などの手続きが必要です。

誕生日までに届くのは、マイナ保険証をふだんから使っている人なら資格情報のお知らせ、それ以外の人なら資格確認書です。どちらにも1割・2割・3割の窓口負担の割合が書かれています。

特定疾病療養受療証などは、75歳で改めて申請が必要です。手続きに迷ったときは、住んでいる市区町村の後期高齢者医療制度の担当窓口で確かめてみてください。

参考資料

太田 彩子