住宅ローンの金利が上がり、毎月の返済額が増えたら、繰り上げ返済をするか、借り換えるか、それともそのまま返し続けるか。住宅ローンを借りている方にとって、身近な問題になっています。
住宅金融支援機構が2026年2月20日に公表した住宅ローン利用者の調査では、変動型と固定期間選択型の利用者に、毎月の返済額が増えた場合にどうするかを尋ねています。
この記事では、近畿の二人以上世帯の住宅ローン残高を金融経済教育推進機構(J-FLEC)の調査で確認したうえで、返済額が増えたときの利用者の対応を見ていきます。
1. 近畿の二人以上世帯で、住宅ローンなどの借入金がある世帯は16.3%
まずは、住宅ローンなどの借入金がある世帯の割合を確認します。使うのは、J-FLECの「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」の各種分類別データです。
1.1 全国は18.7%、近畿は16.3%
同調査の表29「借入金の有無」によると、全国の二人以上世帯5000世帯のうち、借入金がある世帯は18.7%でした。地域別で近畿に分類される817世帯では16.3%です。
この「借入金」は住宅ローンに限らず、ほかのローンも含んだ割合です。近畿の二人以上世帯のおよそ6世帯に1世帯に、なんらかの借入金があります。
2. 近畿の二人以上世帯の住宅ローン残高は平均1443万円、中央値900万円
次に、住宅ローンの残高を見ます。同調査の表32「住宅ローン残高(借入金額回答世帯)」は、借入金があり、その金額を回答した世帯を分母にしています。近畿では133世帯です。
2.1 近畿の28.6%は、住宅ローン残高が2000万円以上
借入金額を回答した近畿の世帯の住宅ローン残高は、平均1443万円、中央値900万円でした。平均は全国の1295万円より多く、中央値は全国と同じ900万円です。
【近畿の二人以上世帯の住宅ローン残高】
- 50万円未満:5.3%
- 50万円以上100万円未満:0.0%
- 100万円以上200万円未満:0.8%
- 200万円以上300万円未満:1.5%
- 300万円以上500万円未満:1.5%
- 500万円以上700万円未満:5.3%
- 700万円以上1000万円未満:8.3%
- 1000万円以上1500万円未満:10.5%
- 1500万円以上2000万円未満:9.0%
- 2000万円以上:28.6%
- 無回答(ゼロを含む):29.3%
1000万円以上の3区分を合わせると48.1%で、借入金額を回答した近畿の世帯の半分近くになります。2000万円以上の割合は、全国の28.4%とほぼ同じです。
3. 住宅ローンの返済額が毎月1万円増えても、58.8%は「返済を続ける」と回答
残高が大きいほど、金利が上がったときの返済額の増え方も大きくなります。返済額が増えたとき、住宅ローンを借りた人はどう対応しようと考えているのでしょうか。
3.1 変動型と固定期間選択型の利用者1112人に聞いた住宅金融支援機構の調査
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」は、2025年4月から9月までに住宅ローンを借り入れた1237人の回答をまとめたものです。調査時期は2026年1月7日から1月20日です。
このうち、金利タイプが変動型と固定期間選択型の利用者1112人に、毎月の返済額が増加した場合の対応を尋ねています。返済額が毎月1万円増えた場合の回答は次のとおりです。
- 返済目処や資金余力があるので返済継続:58.8%
- 繰上返済または借換え:23.3%
- 見当がつかない、わからない:15.5%
3.2 毎月3万円増えると、繰上返済か借換えを選ぶ人が44.1%に
返済額が毎月3万円増えた場合は、「返済目処や資金余力があるので返済継続」が24.2%に下がり、「繰上返済または借換え」が44.1%、「見当がつかない、わからない」が27.2%に増えました。
増える額が1万円から3万円になると、そのまま返し続けると答えた人は半分以下になり、繰上返済か借換えを選ぶ人が2倍近くになります。「わからない」と答えた人も、およそ4人に1人まで増えています。
4. 三菱UFJ銀行の変動金利(年2回型)は、10月1日が見直しの基準日
変動金利の住宅ローンは、金利がいつ見直されるかが契約によって決まっています。三菱UFJ銀行のよくある質問では、変動金利(年2回型)は毎年4月1日と10月1日の短期プライムレートを基準に見直すとしています。
4.1 10月1日の見直しは1月の約定返済分から反映
10月1日を基準にした新しい金利は、12月の返済日の翌日から適用され、1月の約定返済分から反映されます。新しい「ご返済のお知らせ」は11月上旬ごろに発行されます。
なお、同行で2026年3月1日以降に借り入れた方の変動金利は、毎月1日を基準日として見直す扱いになっています。自分の契約がどちらにあたるかは、借入時の契約書か「ご返済のお知らせ」で確かめられます。
近畿の二人以上世帯の住宅ローン残高は平均1443万円、中央値900万円で、28.6%は2000万円以上が残っています。
住宅金融支援機構の調査では、返済額が毎月3万円増えた場合に繰上返済か借換えを選ぶと答えた人は44.1%でした。三菱UFJ銀行の変動金利(年2回型)で借りている方は、11月上旬ごろの「ご返済のお知らせ」で、1月からの金利と返済額を確かめられます。