入院や手術で医療費が高額になりそうなとき、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑える証明書が「限度額適用認定証」です。マイナ保険証を使う人は、この認定証を申請しなくても同じ扱いを受けられます。
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、2026年8月以降に交付する限度額適用認定証の有効期限を最長で2027年7月31日までとしています。制度改正が予定されているためで、必要な場合は2027年8月以降に新たに申請するよう案内しています。
この記事では、マイナ保険証と限度額適用認定証の関係と、協会けんぽの限度額適用認定証の有効期限を確認します。
1. マイナ保険証なら、限度額適用認定証を申請しなくても窓口の支払いは自己負担限度額まで
まず、限度額適用認定証がどのような書類か、マイナ保険証を使うと何が変わるのかを確認します。
1.1 限度額適用認定証は、窓口の支払いを自己負担限度額までに抑える証明書
協会けんぽは、限度額適用認定証を、入院や手術などで医療費が高額になった場合に、医療機関等の窓口で支払う金額を自己負担限度額までに抑えるための証明書と説明しています。
認定証は、加入している健康保険に申請して交付を受けます。厚生労働省は、交付の手続きについて、加入している健康保険組合、協会けんぽ、市町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度)などに問い合わせるよう案内しています。
1.2 オンライン資格確認を導入した医療機関等なら、マイナ保険証の提示で足りる
厚生労働省は、月ごとの上限額を超える分を窓口で支払わずに済む取扱いを受けるには、マイナ保険証を利用するか、事前に限度額適用認定証を入手する必要があるとしています。
協会けんぽによると、マイナ保険証を利用する場合は限度額適用認定証の申請は要りません。ただし、オンライン資格確認を導入していない医療機関等を受診する場合や、協会けんぽにマイナンバーの登録をしていない場合は、事前の申請が必要です。
1.3 マイナ保険証で限度額を超える支払いが免除されるのは、同一月・同一医療機関の支払い
厚生労働省の「マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問」では、マイナ保険証のメリットとして、限度額適用認定証の発行を申請しなくても、窓口で限度額を超える支払いの免除が受けられることを挙げています。対象は、同一月・同一医療機関での支払いです。
別の医療機関で支払った分は、この窓口での免除の対象になりません。協会けんぽは、同一の月に医療機関等で支払った自己負担額が自己負担限度額を超えたときは、申請することで、超えた分が後日「高額療養費」として払い戻されるとしています。
2. 協会けんぽの限度額適用認定証は、2026年8月以降の交付分も有効期限が最長2027年7月31日まで
限度額適用認定証には有効期間があります。協会けんぽの限度額適用認定証がいつまで使えるのかを確認します。
2.1 限度額適用認定証の有効期間は、申請を受け付けた月の1日から最長1年
協会けんぽの限度額適用認定証の有効期間は、申請書を受け付けた日の属する月の1日から最長で1年間です。資格を取得した月に申請した場合は、資格取得日からになります。
2.2 2026年8月以降に交付される限度額適用認定証は、最長で2027年7月31日まで
協会けんぽは、2026年8月以降に交付する限度額適用認定証の有効期限を、最長で2027年7月31日までとしています。制度改正が予定されているためで、必要な場合は2027年8月以降に新たに申請するよう案内しています。
高額療養費の自己負担限度額は2026年8月に見直され、2027年8月にも見直しが予定されています。上野厚生労働大臣は、2026年10月6日の記者会見で、高額療養費の見直しについて次のように述べました。
いずれにせよ、令和9年8月の施行に向けて、必要な準備を進めていきたいと考えています。
出所:厚生労働省「上野大臣会見概要(令和8年10月6日)」
2.3 マイナ保険証を使う人は、限度額適用認定証を申請し直す手間がかからない
オンライン資格確認を導入した医療機関等でマイナ保険証を使う場合は、限度額適用認定証の申請そのものが要りません。認定証の有効期限が来るたびに申請し直す手間もかかりません。
一方で、マイナ保険証を使わずに資格確認書で受診する人が窓口の支払いを自己負担限度額までに抑えるには、有効期間内の限度額適用認定証を用意しておく必要があります。
マイナ保険証をオンライン資格確認を導入した医療機関等で使えば、限度額適用認定証がなくても、同一月・同一医療機関での窓口の支払いは自己負担限度額までになります。協会けんぽの認定証を使う場合は、2026年8月以降に交付されたものも、有効期限は最長で2027年7月31日までです。
すでに限度額適用認定証を持っている人は、認定証に記載されている有効期限で、いつまで使えるかを確かめられます。
ここからは、限度額適用認定証の申請が間に合わなかったときの扱いと、マイナ保険証を使う場合でも申請が必要になる人を見ていきます。
入院の日程が決まってから、窓口での支払いがいくらになるのかを慌てて調べることは少なくありません。
マイナ保険証で受診するのか、限度額適用認定証を用意するのかを、家族の分も含めて入院の前に一度確かめておくと安心だと思います。
