通院や通学、家族の送り迎えで車を使う家庭にとって、高速道路などの通行料金は毎月の出費になりやすいものです。障害者手帳を持つ人が使える有料道路の障害者割引は、事前に申請しておけば通行料金が半額になります。
一方で、この割引には有効期限があり、期限が来るたびに更新の手続きが必要です。2026年4月1日からは、本人以外の名義のETCカードを登録できる対象者が、18歳未満から20歳未満に広がりました。
この記事では、NEXCO西日本などの案内をもとに、割引の対象者と割引額の計算のしかた、有効期限の決まり方、2026年4月の見直しの中身を整理します。
1. 有料道路の障害者割引は通常料金の半額。端数は10円単位で切り上げ
有料道路の障害者割引は、全国の高速道路会社などが統一的に実施している割引です。NEXCO西日本の案内から、対象になる人と割引額の計算のしかたを確認します。
1.1 障害者本人が運転するなら身体障害者手帳、本人以外が運転するなら重度の障害がある人が対象
障害者本人が運転する場合は、身体障害者手帳の交付を受けている人が対象です。本人以外が運転して本人が乗る場合は、身体障害者手帳または療育手帳を持つ、重度の障害がある人が対象になります。
重度の範囲は、JRの運賃の障害者割引でいう「第1種」と同じとされています。手帳に記載された区分は、申請の前に確かめておきましょう。
1.2 割引額は通常料金の半額で、端数は10円単位に切り上げて支払う
割引は、通常料金(ETCを使う場合はETC通常料金)の半額です。半額にしたときに端数が出る場合は、支払う額を10円単位で切り上げます。
たとえば通常料金が1250円の区間なら、半額の625円を切り上げて630円を支払う計算です(LIMO編集部が作成した計算例)。
2. 有料道路の障害者割引の有効期間は、申請した日から2回目の誕生日まで
有料道路の障害者割引は、一度申請すればずっと使えるわけではありません。NEXCO西日本の案内では、有効期間は申請の種類によって次のように決まります。
有料道路の障害者割引の有効期間は、新規・変更申請なら2回目の誕生日、更新申請なら3回目の誕生日まで1/2
出所:NEXCO西日本「有料道路における障がい者割引制度についてのご案内」をもとにLIMO編集部作成
2.1 新規申請と変更申請は、申請した日からその後の2回目の誕生日まで
はじめて申請する場合と、登録内容を変える変更申請をした場合、割引の有効期間は申請した日からその後の2回目の誕生日までです。誕生日が近い時期に申請すると、有効期間は2年より短くなります。
2.2 更新申請は3回目の誕生日まで。ただし最長2年2か月
更新申請をした場合は、申請した日からその後の3回目の誕生日までが有効期間になります。ただし、3回目の誕生日までが2年2か月を超える場合は、2回目の誕生日が有効期限です。
更新申請は、有効期限の2か月前から有効期限の前日まで受け付けています。期限を過ぎると割引は使えなくなるため、期限が近づいたら早めに手続きをしておきたいところです。
3. 2026年4月1日から、本人以外の名義でETCカードを登録できる対象者は20歳未満に
ETCで障害者割引を受けるには、原則として障害者本人の名義のETCカードを登録します。NEXCO東日本など高速道路会社6社は2026年3月9日、この例外の範囲を見直すと発表しました。
3.1 見直しの対象は、重度の障害があり本人以外の運転で割引を受ける人
本人以外の名義のETCカードを登録できるのは、重度の障害があり、本人以外が運転する場合の割引を受け、本人が運転する場合の割引は受けない人です。2026年4月1日以降の申請から、この対象者の年齢が「18歳未満」から「20歳未満」に変わりました。
登録できる名義は、親権者または親権者に準ずる人、未成年後見人、成年後見人・保佐人・補助人です。成年に達する誕生日の前日にこれらに当たっていた人も含まれます。
3.2 見直しの背景は、成年でも高校生だとETCカードが発行されないケース
高速道路会社によると、民法の改正で成年年齢は18歳に引き下げられましたが、クレジットカード会社の発行要件により、成年であっても高校生だとETCカードが発行されないケースが多く見られました。こうした状況を踏まえて、登録できる年齢の範囲を見直したとしています。
なお、手帳の割引有効期限が20歳の誕生日を超える場合、割引有効期限は20歳の誕生日までになります。20歳以降も割引を受けるには、本人名義のETCカードに切り替えて、改めて利用の申請をする必要があります。
有料道路の障害者割引は通常料金の半額で、有効期間は新規申請なら申請した日から2回目の誕生日まで、更新申請なら最長2年2か月です。2026年4月1日の申請からは、重度の障害がある20歳未満の人について、親権者などの名義のETCカードを登録できるようになりました。
割引の有効期限は障害者手帳に記載されています。手帳を開いて期限の日付を確かめ、2か月前になったら更新の手続きができるよう、家族のカレンダーに書き込んでおくと安心です。
ここからは、ETCで割引を使うための登録と、手帳を見せて支払うときに気をつけたい点を見ていきます。