病気やけがで働くことが難しくなり、障害年金を調べると、「初診日から1年6か月たたないと請求できない」という説明に行き当たることがあります。

「そんなに待たなければならないのか」と、戸惑う方も少なくないでしょう。

請求の基準になるのは「障害認定日」で、原則は初診日から1年6か月を過ぎた日です。

ただし、病気や手術によっては、これより早く障害認定日になる場合があります。

また、1年6か月は、何もできない期間というわけではなく、請求に向けた準備を進められる期間でもあります。

この記事では、障害認定日の考え方、1年6か月より前に認定日となる例、請求の種類、待つ間にやっておきたいことを、日本年金機構の資料をもとに解説します。

1. 障害年金は、初診日から1年6か月たたないと請求できない?

障害年金は、障害認定日以降に請求するのが原則で、その障害認定日は、初診日を起点に決まります。

1.1 初診日と障害認定日とは

初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師などの診療を受けた日です。

同じ病気やけがで転院した場合も、一番初めに診療を受けた日が初診日になります。

障害認定日は、障害の状態を定める日のことで、原則は初診日から1年6か月を過ぎた日です。

たとえば、初診日が令和6年3月25日の場合、障害認定日は令和7年9月25日です。

初診日から障害認定日、請求までの流れ(例)1/3

初診日から障害認定日、請求までの流れ(例)

出所:日本年金機構「障害年金ガイド(令和8年度版)」をもとにLIMO編集部作成

1.2 障害認定日の翌月分から受け取れる

障害認定日に障害の状態にあれば、障害認定日の翌月分から年金を受け取れます。

請求書は、障害認定日以降であれば、いつでも提出できます。

この1年6か月は、請求できる日が来るまでの期間にあたります。

2. 1年6か月を待たずに、障害認定日になる場合はある?

原則は初診日から1年6か月ですが、次のような場合は、これより早く障害認定日になります。

2.1 1年6か月以内に症状が固定した場合

初診日から1年6か月以内に病気やけがが治った場合は、その治った日が障害認定日になります。

ここでいう「治った」には、症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った場合も含まれます。

2.2 人工透析や人工関節など、病気や手術によって決まる日

日本年金機構の障害認定基準では、一部の病気や手術について、障害の程度を認定する日が定められています。

障害認定日が1年6か月より前になる主な例2/3

障害認定日が1年6か月より前になる主な例

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」をもとにLIMO編集部作成

人工透析療法は、初めて人工透析を受けた日から3か月を経過した日です。

人工骨頭・人工関節は挿入置換した日、心臓ペースメーカー・ICD・人工弁は装着した日、切断・離断は切断・離断した日です。

喉頭全摘出は手術を行った日、在宅酸素療法は開始した日です。

人工肛門の造設や尿路変更術は、手術を行った日から6か月を経過した日、新膀胱の造設は造設した日です。

いずれも、初診日から1年6か月を超える場合は対象外となります。

なお、障害認定日になることと、障害年金を受け取れることは別です。

障害の程度や保険料の納付要件などが審査されます。