公共料金やクレジットカードの引き落としの日に、ゆうちょ銀行の通常貯金の残高が少し足りなかった、ということは誰にでも起こりえます。

ゆうちょ銀行の総合口座で定額貯金や定期貯金を持っていると、通常貯金の残高が不足したときに、その貯金を担保にして自動で貸付けを受けられます。「貯金担保自動貸付け」という仕組みで、2026年10月13日時点の金利一覧では、担保定額貯金を担保にした場合の貸付利率は返済時の約定金利に0.250%を上乗せした率です。

この記事では、ゆうちょ銀行の案内をもとに、貯金担保自動貸付けの仕組みと借りられる上限、貸付期間、貸付利率の決まり方を確認します。

1. ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けは、通常貯金の残高が足りないときに自動で貸し付ける仕組み

貯金担保自動貸付けは、総合口座の中で、定額貯金や定期貯金を担保に不足分を貸し付ける仕組みです。まず、どの貯金が担保になり、どんな場面で使われるのかを確認します。

通常貯金の残高が足りないと、担保定額貯金・担保定期貯金を担保に自動で貸し付けられる1/2

ゆうちょ銀行の総合口座で、通常貯金の残高が不足したときに担保定額貯金・担保定期貯金を担保として自動で貸付けが行われ、通常貯金に預け入れると自動で返済される流れを示した図

出所:ゆうちょ銀行「貯金担保自動貸付け」をもとにLIMO編集部作成

1.1 担保になるのは総合口座の担保定額貯金と担保定期貯金

担保になるのは、総合口座で管理する「担保定額貯金」と「担保定期貯金」です。ゆうちょ銀行は担保定額貯金を「自動貸付けが可能な定額貯金」と説明しています。ただし、貯金担保自動貸付けの対象外としている貯金は除かれます。

総合口座の対象を通常貯蓄貯金にしている場合は、自動払込みや給与の受け取りとともに、自動貸付けも使えません。

1.2 自動払込みの日に通常貯金が足りないときも、担保の貯金を解約せずに済む

ゆうちょ銀行は、急にお金が必要になった場合や、自動払込みで通常貯金の残高が不足しているときに便利だと案内しています。担保にした定額貯金や定期貯金はそのまま残り、不足した分だけを借りる形になります。

定額貯金は1口の預入金額を分けて払い戻すことができず、預けてから6か月の据置期間内に払い戻すと据置期間内払戻金利になります。引き落としの数万円のために1口を崩さなくても済むのが、この仕組みの使いどころです。

2. ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けで借りられるのは、預入金額の90%以内・1口座300万円まで

貯金担保自動貸付けで借りられる額と期間には、決まりがあります。

2.1 担保定額貯金200万円なら180万円まで、上限は総合口座1口座につき300万円

貸付金額は、担保にする貯金の預入金額の90%以内で、総合口座1口座につき300万円までです。

たとえば担保定額貯金が200万円なら、90%の180万円までです。400万円なら90%は360万円ですが、1口座300万円の上限があるため、借りられるのは300万円までになります。

2.2 貸付期間は貸付けの日から2年、担保の貯金の満期が先ならその満期まで

貸付期間は、貸付けの日から2年です。2年以内に担保の貯金が満期を迎える場合は、その満期までになります。元利金を継続する担保定期貯金は、貸付期間の範囲内で貸付けも継続されます。

3. 貯金担保自動貸付けの貸付利率は、担保定額貯金なら約定金利に0.25%、担保定期貯金なら0.5%を上乗せ

貯金担保自動貸付けの貸付利率は、担保にした貯金の金利をもとに決まります。基準になる時点が、担保定額貯金と担保定期貯金で違います。

3.1 担保定額貯金は「返済時」、担保定期貯金は「預入時」の約定金利が基準

担保定額貯金を担保にした場合の貸付利率は、返済時の約定金利に0.25%を上乗せした率です。担保定期貯金を担保にした場合は、預入時の約定金利に0.5%を上乗せします。利子は、1年を365日とする日割計算です。

2026年10月13日時点の金利一覧では、定額貯金は預入期間6か月以上1年未満の年0.425%から3年以上の年0.710%まで6段階、定期貯金は1年もので年0.500%、10年もので年1.250%です。

3.2 年0.710%の定額貯金なら貸付利率は年0.960%、30万円を30日借りた利子は約237円

約定金利が年0.710%の担保定額貯金を担保にした場合、貸付利率は年0.960%です。預入時の約定金利が年0.500%の担保定期貯金なら、貸付利率は年1.000%になります。

30万円を30日借りた場合の利子(1年を365日とする日割計算)2/2

30万円を30日借りた場合の利子を、担保定額貯金(約定金利年0.710%、貸付利率年0.960%)で約237円、担保定期貯金(預入時の約定金利年0.500%、貸付利率年1.000%)で約247円、口座貸越サービス(年14.0%)で約3452円と比べた棒グラフ

出所:ゆうちょ銀行「金利一覧」、ゆうちょ銀行「口座貸越サービス」をもとにLIMO編集部作成

30万円を30日借りたときの利子を日割で計算すると、貸付利率年0.960%なら約237円、年1.000%なら約247円です。担保を使わない口座貸越サービス(年14.0%)で同じ額を借りた場合の約3452円と比べると、10分の1以下になります(いずれも概算)。

ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けは、総合口座の担保定額貯金・担保定期貯金を担保に、預入金額の90%以内・1口座300万円まで、通常貯金の不足分を自動で貸し付ける仕組みです。貸付利率は、担保定額貯金なら返済時の約定金利に0.25%、担保定期貯金なら預入時の約定金利に0.5%を上乗せした率です。

総合口座で定額貯金や定期貯金を持っている人は、預入金額の90%と300万円のどちらが上限になるかを計算しておくと、借りられる額の目安がつかめます。

ここからは、信託銀行で資産運用のご相談を受けてきた立場から、借りたあとの返し方と、担保の貯金が2口以上あるときの順番、口座貸越サービスとの違いを見ていきます。