同じように働いていても、男性と女性で毎月の給与に差があると感じたことがある方もいるかもしれません。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、フルタイムで働く一般労働者の賃金(月額)は男性37万3400円、女性28万5900円でした。男性を100としたときの女性の賃金(男女間賃金格差)は76.6で、前年の75.8から0.8ポイント上がっています。
この記事では、男女間賃金格差の2001年からの推移と、年齢階級別・企業規模別・雇用形態別に見た差の開き方を確認します。
1. 男女間賃金格差は76.6に縮まった
賃金構造基本統計調査は、厚生労働省が毎年6月分の賃金などを調べている統計です。ここでの「賃金」は、残業代や賞与を含まない6月分の所定内給与額を指します。
集計の対象は10人以上の常用労働者を雇う民営事業所で、短時間労働者以外の常用労働者を「一般労働者」として男女別の賃金を出しています。
1.1 一般労働者の賃金は男性37万3400円、女性28万5900円
令和7年(2025年)の一般労働者の賃金は、男女計で34万600円でした。男性は37万3400円、女性は28万5900円で、男女の差は月8万7500円です。
1.2 女性の賃金は3.9%増え、男性の2.8%増を上回った
前年からの増減率は、男性が2.8%増、女性が3.9%増でした。女性の伸びが男性を上回ったため、男性を100としたときの女性の賃金は75.8から76.6に上がっています。
金額で見た男女の差も、前年の月8万7800円から8万7500円へ、わずかに縮まりました。
2. 男女間賃金格差の推移、2001年の65.3から24年で11.3ポイント縮まった
男女間賃金格差を2001年から並べると、途中で広がった年はあるものの、全体としては差が縮まる方向で推移しています。
2.1 女性の賃金は2001年の22万2400円から6万3500円増えた
2001年の一般労働者の賃金は、男性34万700円、女性22万2400円でした。2025年までに、男性は3万2700円、女性は6万3500円増えています。
男女の差は月11万8300円から8万7500円へ、3万800円縮まりました。
2.2 男女間賃金格差は2023年に74.8へ広がり、その後2年続けて縮まった
男女間賃金格差は2022年に75.7まで縮まったあと、2023年は74.8に広がりました。2024年は75.8、2025年は76.6で、2001年以降では最も差が小さくなっています。
なお、賃金構造基本統計調査は令和2年(2020年)から推計方法を変えています。令和元年(2019年)の男女間賃金格差は、変更前・変更後のどちらの方法で集計しても74.3でした。
3. 年齢階級別の男女間賃金格差は、55〜59歳で最も開く
一般労働者の賃金を年齢階級別に男女で並べ、男性を100としたときの女性の賃金をLIMO編集部で計算しました。
【男性】
- 〜19歳:21万2500円
- 20〜24歳:24万5700円
- 25〜29歳:28万8000円
- 30〜34歳:33万400円
- 35〜39歳:36万6200円
- 40〜44歳:39万8200円
- 45〜49歳:42万700円
- 50〜54歳:43万7500円
- 55〜59歳:44万5600円
- 60〜64歳:35万8500円
- 65〜69歳:30万4300円
- 年齢計:37万3400円
【女性】
- 〜19歳:20万1400円
- 20〜24歳:23万9600円
- 25〜29歳:26万8800円
- 30〜34歳:28万3200円
- 35〜39歳:29万2400円
- 40〜44歳:30万3600円
- 45〜49歳:30万5700円
- 50〜54歳:30万5400円
- 55〜59歳:30万5700円
- 60〜64歳:27万800円
- 65〜69歳:24万700円
- 年齢計:28万5900円
【女性の割合(男性=100)】
- 〜19歳:94.8
- 20〜24歳:97.5
- 25〜29歳:93.3
- 30〜34歳:85.7
- 35〜39歳:79.8
- 40〜44歳:76.2
- 45〜49歳:72.7
- 50〜54歳:69.8
- 55〜59歳:68.6
- 60〜64歳:75.5
- 65〜69歳:79.1
- 年齢計:76.6
3.1 20〜24歳では、女性の賃金は男性の97.5
20〜24歳の賃金は男性24万5700円、女性23万9600円で、差は月6100円です。20歳代までは、男女の賃金はほぼ同じ水準で並んでいます。
3.2 女性の賃金は45〜49歳と55〜59歳の30万5700円が最も高い
男性の賃金は55〜59歳の44万5600円まで上がり続けます。女性の賃金は40歳代以降、30万円台前半でほぼ横ばいです。
そのため55〜59歳では男女の差が月13万9900円まで広がり、女性の割合は68.6まで下がります。
4. 企業規模別・雇用形態別の男女間賃金格差、大企業は72.6で最も大きい
同じ調査の企業規模別・雇用形態別の賃金からも、男性を100としたときの女性の賃金をLIMO編集部で計算しました。
4.1 男女間賃金格差は大企業72.6、中企業78.7、小企業80.1
大企業(常用労働者1000人以上)の賃金は男性42万8000円、女性31万800円で、女性の割合は72.6です。
中企業(100〜999人)は男性35万6000円・女性28万100円で78.7、小企業(10〜99人)は男性32万9600円・女性26万4000円で80.1でした。企業の規模が大きいほど、男女の差が開いています。
4.2 正社員・正職員どうしでも、女性の賃金は男性の78.7
雇用形態別に見ると、正社員・正職員の賃金は男性38万7400円、女性30万4900円で、女性の割合は78.7でした。
正社員・正職員以外は男性26万8100円、女性21万8400円で、女性の割合は81.5です。
令和7年賃金構造基本統計調査では、男性を100としたときの女性の賃金は76.6で、2001年以降で最も差が小さくなりました。一方で年齢階級別に見ると、55〜59歳では68.6まで開きます。
自分の給与を調査の数字と比べるときは、給与明細の基本給と諸手当の合計から、残業代などの時間外手当を除いた額を使うと、所定内給与額と同じ物差しになります。
ここからは、2026年4月に対象の企業が広がった「男女間賃金差異」の公表と、企業が出す数字の読み方を見ていきます。
月の賃金の差は数万円でも、40歳代以降は差が少しずつ広がり、長く働くほど積み上がっていきます。共働きの家計では、夫婦それぞれの手取りを書き出し、貯蓄や積立に回す額をどちらの収入から出すか決めておくと、収入に差があっても将来に向けた資産づくりを止めずにすみます。
