同じ学年の子どもでも、4月生まれと3月生まれでは、生まれた日がほぼ1年違います。児童手当は高校生年代まで受け取れるようになりましたが、受け取り始める月と終わる月の決まり方を見ると、その総額は生まれ月によって変わります。

厚生労働省が2026年10月23日に公表した「人口動態統計速報(令和8年8月分)」によると、2026年1月から8月までの出生数は46万4110人でした。前年の同じ期間より407人少ない数字です。

この記事では、児童手当の支給額と支給される期間を児童手当法で確認したうえで、高校生年代までの受け取り総額が生まれ月でどれだけ違うかを計算例で示し、月別の出生数もあわせて見ていきます。

1. 児童手当は生まれた月の翌月分から、高校生年代の3月分まで支給される

児童手当の総額を考えるには、毎月の額に加えて、支給がいつ始まりいつ終わるかを押さえる必要があります。児童手当法とこども家庭庁の案内から確認します。

1.1 児童手当の月額は3歳未満が1万5000円、3歳から高校生年代までは1万円

児童手当法第6条は、子ども1人あたりの月額を次のように定めています。

  • 3歳未満:1万5000円(第3子以降は3万円)
  • 3歳以上、高校生年代まで:1万円(第3子以降は3万円)

2024年10月分からは所得制限がなくなり、支給の対象も中学生までから高校生年代までに広がりました。支給は年6回で、2月、4月、6月、8月、10月、12月に、それぞれ前月分までの2か月分がまとめて振り込まれます。

1.2 支給は申請した月の翌月分から、出生は翌日から15日以内の申請が必要

児童手当法第8条は、支給は認定を請求した日の属する月の翌月から始まると定めています。こども家庭庁は、子どもが生まれたときは出生の日の翌日から15日以内に、住んでいる市区町村へ申請するよう案内しています。

出生日が月末に近く、申請が翌月になった場合も、出生日の翌日から15日以内であれば申請した月の分から支給されます。期限内に申請すれば、生まれた月の翌月分から受け取れることになります。

1.3 支給が終わるのは「18歳に達する日以後の最初の3月31日」

児童手当法第3条は、児童手当の対象となる「児童」を、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者としています。一般的には高校3年生の3月までにあたり、支給は3月分で終わります。

3月分は2月分とあわせて4月に振り込まれるため、最後の振込は高校を卒業したあとの4月になります。

2. 児童手当の受け取り総額は、4月生まれと3月生まれで11万円違う

支給が始まる月は生まれ月で決まり、終わる月は学年で決まります。同じ学年でも生まれた月が早いほど、受け取る月数が多くなります。

2.1 4月生まれは第1子・第2子で245万円、3月生まれは234万円

第1子・第2子で、生まれた月の翌月分から高校生年代の3月分まで受け取った場合の計算例です。児童手当法は3歳未満かどうかを月単位で判定するため、月の途中に生まれた子は3歳の誕生月までを月1万5000円、その翌月分から月1万円として計算しています。

生まれ月別の児童手当の受け取り総額(計算例・第1子・第2子)1/1

生まれ月別の児童手当の受け取り総額の計算例を示した棒グラフ。第1子・第2子で、生まれた月の翌月分から高校生年代の3月分まで受け取った場合、4月生まれ245万円、5月244万円と1か月ごとに1万円ずつ少なくなり、3月生まれは234万円

出所:e-Gov法令検索「児童手当法」、こども家庭庁「児童手当制度のご案内」をもとにLIMO編集部作成

  • 4月生まれ:245万円
  • 5月生まれ:244万円
  • 6月生まれ:243万円
  • 7月生まれ:242万円
  • 8月生まれ:241万円
  • 9月生まれ:240万円
  • 10月生まれ:239万円
  • 11月生まれ:238万円
  • 12月生まれ:237万円
  • 1月生まれ:236万円
  • 2月生まれ:235万円
  • 3月生まれ:234万円

4月は2日から30日に生まれた場合です。どの月に生まれても、3歳未満の期間は36か月で54万円です。違いが出るのは3歳以降の期間で、4月生まれは191か月で191万円、3月生まれは180か月で180万円になります。

2.2 第3子以降は月3万円のため、差は33万円になる

第3子以降の月額は年齢にかかわらず3万円です。生まれた月の翌月分から高校生年代の3月分まで、ずっと第3子以降として受け取った場合の計算例では、4月生まれは227か月で681万円、3月生まれは216か月で648万円となり、差は33万円です。

ただし、第3子以降として数えるのは、22歳に達する日以後の最初の3月31日までの上の子がいる間です。上の子の年齢によっては、途中から月1万円に変わります。

3. 2026年1月~8月の出生数は46万4110人、前年同期より407人少ない

人口動態統計速報から、月別の出生数を見ていきます。速報の数値は、日本における外国人や外国における日本人なども含む調査票の作成枚数です。

3.1 【2026年】

  • 1月:5万8694人
  • 2月:5万761人
  • 3月:5万3844人
  • 4月:5万9260人
  • 5月:5万9663人
  • 6月:5万9846人
  • 7月:6万2479人
  • 8月:5万9563人

3.2 【2025年】

  • 1月:5万8385人
  • 2月:5万951人
  • 3月:5万3619人
  • 4月:5万7306人
  • 5月:6万718人
  • 6月:5万8301人
  • 7月:6万3415人
  • 8月:6万1822人

2026年1月から3月の出生数は合わせて16万3299人で、4月は5万9260人でした。4月は前年同月より1954人、6月は1545人多く、2月、5月、7月、8月は前年より少なくなっています。8月は前年同月より2259人少なく、1月から7月までは前年を上回っていた累計も、8月までで前年を下回りました。

児童手当の受け取り総額は、第1子・第2子の計算例で4月生まれが245万円、3月生まれが234万円と、生まれ月で11万円の差があります。違いは3歳以降に受け取る月数の差で、支給額そのものは同じです。

子どもが生まれたら、出生の日の翌日から15日以内に市区町村へ申請しておくことで、生まれた月の翌月分から受け取れます。

児童手当の総額は生まれ月で変わりますが、進学でお金が必要になる時期は同じ学年なら同じです。早生まれのお子さんは、ためる期間が短い分を早めに見込んでおくと安心でしょう。