年末年始の帰省や冬の旅行で、飛行機の予約を考え始める時期になりました。障害者手帳を持つ人と家族にとっては、運賃の割引がどこまで使えるかで旅費が変わります。

ANAは、2026年5月19日搭乗分から国内線の運賃をリニューアルしました。新しい運賃でも、障害者手帳を持つ人と同じ便に乗る介護者1人には、各運賃から20%を割り引く障がい者割引が設けられています。

この記事では、JALとANAの国内線の障がい者割引について、対象になる手帳と運賃、割引率、本人と介護者の2人で乗った場合の計算例を、両社の案内で確認します。

1. 国内線の障がい者割引、JALとANAはどちらも各運賃から20%引き

国内線の障がい者割引は、航空会社が運賃のルールとして設けている割引です。JALとANAの割引率はどちらも20%ですが、割引の対象になる運賃の種類は会社ごとに違います。

1.1 JALの障がい者割引は、フレックスやセイバーなど5種類の運賃から20%

JALの「障がい者割引」は、フレックス、セイバー、スペシャルセイバー、往復セイバー、プロモーションの各運賃から20%を割り引きます。

株主割引や特定路線離島割引は、障がい者割引の対象の運賃に入っていません。種類が異なる割引は同時に予約できず、別の割引を使う場合は区間を分けて予約します。

1.2 ANAの障がい者割引は、2026年5月19日搭乗分からの新しい運賃で20%

ANAは2026年5月19日搭乗分から国内線の運賃をリニューアルし、運賃のラインアップをフレックス・スタンダード・シンプルなどに改めました。2026年5月18日搭乗分までの運賃は、同日で新規予約・発券・搭乗を終えています。

新しい運賃での障がい者割引は、フレックス、スタンダード、シンプル、セールの各運賃から20%相当を割り引きます。障がい者割引を選んで検索すると、割引後の金額が表示されます。

国内線の障がい者割引は、JAL・ANAとも本人と介護者1人が各運賃から20%引き1/2

JALとANAの国内線の障がい者割引を比べた表。対象の手帳は両社共通で身体障害者手帳・戦傷病者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳。割り引かれるのは手帳を持つ本人と同じ便に乗る介護者1人まで。対象の運賃はJALがフレックス・セイバー・スペシャルセイバー・往復セイバー・プロモーション、ANAが2026年5月19日搭乗分からのフレックス・スタンダード・シンプル・セール。割引率はどちらも各運賃から20%

出所:JAL「ディスカウントご利用案内」、ANA「国内線運賃のご利用について」をもとにLIMO編集部作成

【JAL】

  • 対象の運賃:フレックス、セイバー、スペシャルセイバー、往復セイバー、プロモーション
  • 割引率:各運賃から20%

【ANA(2026年5月19日搭乗分から)】

  • 対象の運賃:フレックス、スタンダード、シンプル、セール
  • 割引率:各運賃から20%相当

2. 国内線の障がい者割引の対象は4種類の手帳で、精神障害者保健福祉手帳は等級を問わない

国内線の障がい者割引を使えるのは、障害者手帳を持つ本人と、同じ便に乗る介護者です。対象になる手帳の種類と、介護者の扱いを確かめます。

2.1 身体障害者手帳・戦傷病者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳が対象

JALとANAの障がい者割引の対象になる手帳は、身体障害者手帳、戦傷病者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の4種類です。ANAは、日本国内で発行された手帳としています。

JALは2018年10月4日の予約受付分から、精神障害者保健福祉手帳を等級に関わらず割引の対象に加えました。あわせて、身体障害者手帳・戦傷病者手帳・療育手帳も、種別に関わらず本人と介護者1人まで割引を受けられるように広げています。

2.2 介護者は同じ便に乗る1人まで。本人が座席を使わない幼児なら介護者は対象外

介護者として割引を受けられるのは、手帳を持つ本人と同じ便に乗る1人までです。手帳を持つ本人が小児で小児割引など別の運賃を使う場合でも、介護者は障がい者割引の対象になります。

本人が座席を使わない幼児の場合は、介護者は割引の対象外です。JALは3歳未満、ANAは1歳以下を座席を使用しない幼児としています。

2.3 ANAは、精神障害者保健福祉手帳の有効期間が搭乗日に残っていることが条件

ANAは、精神障害者保健福祉手帳の場合、搭乗日当日に有効期間が満たされていることが必要としています。精神障害者保健福祉手帳の有効期間は2年なので、予約の時点で更新の時期と搭乗日を見比べておきます。

3. 国内線の障がい者割引の計算例、片道2万円の便なら本人と介護者で8000円安くなる

障がい者割引でどれくらい安くなるかを、運賃を仮に置いて計算します。実際の運賃は路線や予約の時期、座席の状況で変わります。

3.1 片道2万円の運賃なら1人4000円、本人と介護者の2人で8000円の割引

1人あたりの運賃が片道2万円の便なら、20%の割引は4000円です。本人と介護者の2人で乗ると、割引なしの4万円が3万2000円になり、8000円安くなります。

往復で同じ運賃なら、2人分の割引なしの8万円が6万4000円になります。往復で1万6000円の差です。

片道2万円の便に2人で乗ると、障がい者割引で往復1万6000円安くなる2/2

計算例として、片道の運賃が1人2万円の便に本人と介護者の2人で乗る場合を示した横棒グラフ。片道は割引なし4万円、障がい者割引で3万2000円(8000円安い)。往復は割引なし8万円、障がい者割引で6万4000円(1万6000円安い)。1人あたり片道2万円の運賃から20%を引いた計算例

出所:JAL「ディスカウントご利用案内」、ANA「国内線運賃のご利用について」の割引率をもとにLIMO編集部作成

  • 割引なし(片道・2人):4万円
  • 障がい者割引(片道・2人):3万2000円(8000円安い)
  • 割引なし(往復・2人):8万円
  • 障がい者割引(往復・2人):6万4000円(1万6000円安い)

3.2 割引は手帳の提示が前提。提示できないと割引は適用されない

JALもANAも、航空券を買うときと搭乗手続きのときに、割引に必要な手帳か、手帳の情報を登録したマイレージのカードを提示するよう求めています。提示できない場合、割引は適用されません。

JALとANAの国内線の障がい者割引は、4種類の障害者手帳を持つ本人と、同じ便に乗る介護者1人が、各運賃から20%の割引を受けられる仕組みです。片道2万円の便なら、2人で8000円安くなります。

どの運賃が割引の対象かは会社ごとに違うので、JALは「ディスカウントご利用案内」、ANAは「国内線運賃のご利用について」のページで、予約の前に確かめられます。

ここからは、予約の前に済ませておきたい手帳の登録と、家族の移動費の見積もり方を見ていきます。