出産の直後や引っ越しの前後は、役所への届け出が重なります。児童手当の申請を後回しにしているうちに、気づいたら月が変わっていたという方もいるのではないでしょうか。

こども家庭庁は、子どもが生まれたときや他の市区町村から転入したときは、出生日や転入した日の翌日から15日以内に申請するよう案内しています。申請が遅れると、原則として遅れた月の分は受け取れません。

この記事では、12月に支給される児童手当の額を確認したうえで、支給が始まる月の決まり方と「15日以内」の特例、引っ越しのときの手続きを見ていきます。

1. 児童手当は高校生年代まで、3歳未満は月1万5000円で12月の支給は10月分と11月分

まずは、こども家庭庁の「児童手当制度のご案内」をもとに、児童手当の額と支給月を確認します。

1.1 児童手当の月額は3歳未満が1万5000円、3歳から高校生年代までが1万円

児童手当は、0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもを養育している人に支給されます。子ども1人あたりの月額は次のとおりです。

  • 3歳未満:1万5000円(第3子以降は3万円)
  • 3歳から高校生年代まで:1万円(第3子以降は3万円)

第3子以降とは、子どもとその兄や姉などのうち、年齢が上の子から数えて3人目以降の子のことです。

1.2 児童手当の支給は偶数月、12月は10月分と11月分

児童手当は2月・4月・6月・8月・10月・12月の年6回、それぞれ前月分までの2か月分がまとめて支給されます。次の12月の支給では、10月分と11月分が振り込まれます。

3歳未満の第1子なら、12月の支給額は3万円です。

2. 児童手当の支給は「申請した月の翌月分」から。遅れた月の分はさかのぼらない

児童手当は、子どもが生まれれば自動的に振り込まれるものではありません。住んでいる市区町村に「認定請求書」を提出し、認定を受けてから支給が始まります。

2.1 児童手当法第8条で、支給は認定の請求をした月の翌月から始まる

児童手当法第8条第2項は、児童手当の支給は、認定の請求をした日の属する月の翌月から始めると定めています。

こども家庭庁も、申請が遅れると原則として遅れた月の分の手当を受けられなくなると案内しています。出生届を出しただけでは、児童手当の申請をしたことにはならない点に注意が必要です。

2.2 出生日や転入した日の翌日から15日以内なら、申請が翌月になっても支給は翌月分から

原則には特例があります。こども家庭庁は、出生日や転入した日が月末に近い場合、申請日が翌月になっても、その日の翌日から15日以内であれば申請した月の分から支給するとしています。

たとえば9月25日に第1子が生まれた場合、10月5日に申請すれば、出生日の翌日から数えて10日目なので10月分から支給されます。10月20日の申請では25日目となり、原則どおり11月分からの支給です。

月末に生まれた子の児童手当、申請日で支給の始まる月が変わる(計算例)1/2

9月25日に第1子が生まれた場合の児童手当の計算例。10月5日に申請すると出生日の翌日から10日目で15日以内のため10月分から支給され、10月20日に申請すると25日目のため11月分からの支給となり、10月分の1万5000円は支給されないことを示した図

出所:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」を参考にLIMO編集部作成

この計算例では、申請が15日を過ぎたことで、10月分の1万5000円が支給されません。船橋市も、5月25日に生まれた子について6月5日に請求した場合は、15日以内なので特例で6月分から支給すると例を挙げて案内しています。

2.3 2人目以降が生まれたときは「額改定」の請求が必要

すでに児童手当を受け取っている人に2人目以降の子どもが生まれたときは、額を増やすための請求が必要です。児童手当法第9条第1項は、増額の改定は、改定後の額の認定を請求した日の属する月の翌月から行うと定めています。

目黒区は、出生日などの翌日から15日以内の提出を求め、15日を過ぎると手当は請求日の翌月から開始すると案内しています。一方、子どもが高校生年代を終えるなどして額が減るときは、その事由が生じた月の翌月から減額されます(同条第3項)。

3. 引っ越しは転入先で15日以内に申請。2025年に市区町村を移った0歳から14歳は40万8962人

児童手当は住んでいる市区町村から支給されるため、他の市区町村へ引っ越すときも手続きが必要です。

3.1 転出予定日の翌日から15日以内に、転入先の市区町村で認定請求

こども家庭庁は、転入した日(転出予定日)の翌日から15日以内に、転入先の市区町村へ申請するよう案内しています。児童手当法第8条第3項も、住所を変更した後15日以内に請求したときは、住所を変更した日の属する月の翌月から支給すると定めています。

それまでの市区町村からの支給は、支給すべき事由がなくなった月の分で終わります(同条第2項)。15日以内に転入先で申請すれば、受け取る月が途切れずにつながります。

3.2 市区町村を移った人は3月に90万5179人で、年間の17.4%

総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、2025年に市区町村の境界を越えて移動した人は519万548人でした。このうち0歳から14歳は40万8962人で、0歳から4歳が23万7747人を占めます。

月別に見ると、移動が最も多いのは3月の90万5179人で、年間の17.4%にあたります。4月の68万3859人と合わせると、3月と4月の2か月で年間の30.6%です。

月別の市区町村間移動者数(2025年)2/2

住民基本台帳人口移動報告による2025年の月別の市区町村間移動者数の横棒グラフ。3月が90万5179人、4月が68万3859人で、ほかの月は30万9853人から39万8417人

出所:総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」表7-1を参考にLIMO編集部作成

  • 1月:32万7312人
  • 2月:35万7056人
  • 3月:90万5179人
  • 4月:68万3859人
  • 5月:38万2823人
  • 6月:37万1648人
  • 7月:39万8417人
  • 8月:34万8602人
  • 9月:36万7877人
  • 10月:37万9751人
  • 11月:30万9853人
  • 12月:35万8171人

3月末に引っ越すと、転入先での申請は4月になることがあります。転出予定日の翌日から15日以内なら、3月末の引っ越しでも4月分から転入先の市区町村で受け取れます。

児童手当の支給は申請した月の翌月分からが原則で、出生や転入のときは翌日から15日以内に申請すれば、申請が翌月になっても月が空きません。12月の支給は10月分と11月分で、3歳未満の第1子なら3万円です。

子どもが生まれたときは出生届と一緒に、引っ越すときは転入届と一緒に、市区町村の窓口で児童手当の認定請求書を出せるか確かめておきましょう。

ここからは、公務員になったときや退職したときの切り替えと、出産と引っ越しが重なる時期の手続きの順番を見ていきます。

宮野 茉莉子

3歳未満の子の児童手当は、1か月遅れるだけで1万5000円を受け取れなくなります。出産予定日や引っ越しの日が決まったら、児童手当の申請もその週の予定に書き込んでおくと安心です。