毎月こまめに家計簿をつけていても、1年分の収入や手元のお金を、全国のほかの世帯と比べる機会はあまりありません。年代や世帯の形によって、収入や資産にはどのくらいの幅があるのでしょうか。今年も残り約2カ月半となり、1年の家計を振り返る時期だからこそ、全国のほかの世帯の数字を物差しにしてみるのもよいかもしれません。

総務省統計局が5年ごとに行っている全国家計構造調査は、世帯の所得分布や消費の水準・構造などを全国的・地域別に明らかにすることを目的とした調査です。2024年に行われた調査のうち、所得と家計資産・負債などに関する結果が、2026年8月28日に公表されました。

本記事では、この結果をもとに、世帯の年間収入とその内訳、世帯主の年代や世帯の形ごとの違い、金融資産の平均と中央値を順に見ていきます。前回の2019年調査と比べて、どこがどう変わったのかもあわせて確かめていきます。

1. 世帯の年間収入は平均593.7万円。2019年より6.3%増加

総務省統計局の「令和6年全国家計構造調査」によると、総世帯の1世帯当たりの2024年の年間収入は593.7万円でした。2019年と比べると6.3%の増加です。

年間収入の内訳をみると、勤め先収入のうち世帯主の収入が306.9万円、公的年金・恩給給付が89.2万円、事業・内職収入が61.8万円などとなっています。2019年と比べると、世帯主の収入や世帯主の配偶者の収入などが増えた一方で、他の世帯員の収入と公的年金・恩給給付は減っています。調査では、後者の減少について、単身世帯が増えたことによるものとしています。

ここでいう年間収入は、前年11月から当年10月までの1年間の収入で、税金などが引かれる前の金額です。手取りの金額ではない点に気をつけて読む必要があります。

年間収入の内訳のうち、勤め先収入の世帯主の収入306.9万円は、年間収入593.7万円のおよそ5割にあたります。総世帯には、働いている人がいる世帯のほか、年金で暮らす世帯や単身世帯も含まれるため、内訳には公的年金などの給付も大きな割合を占めています。

2. 【年代別の年間収入】世帯主の年代が上がると、収入はどう変わる?

総世帯の年間収入を世帯主の年齢階級別にみると、30歳未満が460.2万円、30歳代が633.7万円、40歳代が754.5万円、50歳代が778.7万円、60歳代が612.4万円、70歳代が459.9万円、80歳以上が366.1万円でした。

調査では、年齢階級が高くなるに従って多くなり、50歳代をピークに少なくなっているとしています。2019年と比べると、80歳以上を除く全ての年齢階級で増加しており、30歳未満は19.0%の増加でした。

年代別の金額をみると、40歳代と50歳代はいずれも700万円台で、30歳未満と70歳代はいずれも400万円台でした。

60歳代以降の年間収入には、公的年金などの給付も含まれます。働き方が変わる時期や年金を受け取り始める時期が世帯によって異なるため、同じ年代の中でも収入の幅は大きいと考えられます。ご自身の世帯と比べるときは、平均の金額を目安として受け止めてください。

宮野 茉莉子
全国家計構造調査は、毎月の収支を追う調査とは別に、数年に一度、世帯の所得や資産の分布を詳しく調べる調査です。年間収入は税金などが引かれる前の金額で、収入を数える期間の区切りも暦とは少しずれています。ご自身の源泉徴収票や確定申告の金額と見比べるときは、どの期間の、手取り前の金額かをそろえてから並べると、数字の読み違いを防ぎやすくなるはずです。家計の数字は、比べる物差しをきちんとそろえることが何より大切です。また、この調査は世帯単位の数字なので、共働きの世帯では夫婦それぞれの勤め先の収入を合わせた金額が年間収入になります。ご自身の世帯と比べるときも、家族それぞれの収入を合わせてから並べてみてください。