10月15日は、8月分と9月分の年金が振り込まれる支給日です。老齢基礎年金を受け取っている人の中には、「振替加算」という上乗せが付いている人もいます。
振替加算は、配偶者の加給年金が終わったあとに、自分の老齢基礎年金へつくお金です。日本年金機構の「老齢年金ガイド 令和8年度版」には、2026年度の年額が生年月日ごとに載っています。
この記事では、振替加算の対象になる人と生年月日別の額、さらに「自分で届け出ないと付かないケース」を確認します。
1. 【老齢基礎年金】振替加算は加給年金のあとにもらえる上乗せ
振替加算は、老齢基礎年金に上乗せされる加算です。まずは、どんなときに付くのかを見ていきましょう。
1.1 加給年金額が打ち切られたとき
夫(妻)の老齢厚生年金や障害厚生年金には、生計を維持している配偶者がいると「加給年金額」が加算されることがあります。この加給年金額は、対象になっている妻(夫)が65歳になると打ち切られます。
このとき妻(夫)が老齢基礎年金を受けられる場合には、一定の基準で妻(夫)自身の老齢基礎年金に加算が付きます。これが振替加算です。
日本年金機構の年金用語集では、国民年金への任意加入期間など、自分の公的年金の加入期間が短い人やまったくない人への配慮だと説明されています。そのままでは低い額の老齢基礎年金しか受けられない人を考えた仕組みなのです。
1.2 振替加算の対象になる人
振替加算の対象になるのは、65歳になったときに夫(妻)の年金の加給年金額の対象になっていた人のうち、次の条件を満たす人です。
- 1926年(大正15年)4月2日から1966年(昭和41年)4月1日までの間に生まれていること
- 老齢基礎年金のほかに老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、厚生年金保険と共済組合等の加入期間をあわせて240月未満であること
- 共済組合等の加入期間を除いた厚生年金保険の35歳以降(夫は40歳以降)の加入期間が、生年月日に応じた基準(1951年(昭和26年)4月1日以前生まれで180月から228月)未満であること
なお、振替加算が行われるのは、夫婦とも1926年(大正15年)4月2日以降に生まれた場合に限られます。また、妻(夫)が65歳より後に老齢基礎年金を受ける権利を得た場合は、夫(妻)の加給年金額の対象になっていなくても、一定の要件を満たせば振替加算が付きます。
2. 【2026年度の振替加算】額は年24万3100円から1万6335円まで
振替加算の額は、振替加算を受ける本人の生年月日で決まります。
2.1 1927年4月1日以前生まれは年24万3100円
日本年金機構によると、1986年(昭和61年)4月1日に59歳以上だった人(1926年4月2日から1927年4月1日生まれ)の額は年24万3100円です。それより若くなるごとに減っていき、1986年4月1日に20歳未満だった人はゼロになるように決められています。
生年月日ごとの額を一覧にすると、次のとおりです。
- 1926年(大正15年)4月2日〜1927年(昭和2年)4月1日生まれ:年24万3100円(月2万258円)
- 1927年(昭和2年)4月2日〜1928年(昭和3年)4月1日生まれ:年23万6536円(月1万9711円)
- 1928年(昭和3年)4月2日〜1929年(昭和4年)4月1日生まれ:年23万216円(月1万9184円)
- 1929年(昭和4年)4月2日〜1930年(昭和5年)4月1日生まれ:年22万3652円(月1万8637円)
- 1930年(昭和5年)4月2日〜1931年(昭和6年)4月1日生まれ:年21万7088円(月1万8090円)
- 1931年(昭和6年)4月2日〜1932年(昭和7年)4月1日生まれ:年21万768円(月1万7564円)
- 1932年(昭和7年)4月2日〜1933年(昭和8年)4月1日生まれ:年20万4204円(月1万7017円)
- 1933年(昭和8年)4月2日〜1934年(昭和9年)4月1日生まれ:年19万7640円(月1万6470円)
- 1934年(昭和9年)4月2日〜1935年(昭和10年)4月1日生まれ:年19万1320円(月1万5943円)
- 1935年(昭和10年)4月2日〜1936年(昭和11年)4月1日生まれ:年18万4756円(月1万5396円)
- 1936年(昭和11年)4月2日〜1937年(昭和12年)4月1日生まれ:年17万8192円(月1万4849円)
- 1937年(昭和12年)4月2日〜1938年(昭和13年)4月1日生まれ:年17万1872円(月1万4322円)
- 1938年(昭和13年)4月2日〜1939年(昭和14年)4月1日生まれ:年16万5308円(月1万3775円)
- 1939年(昭和14年)4月2日〜1940年(昭和15年)4月1日生まれ:年15万8744円(月1万3228円)
- 1940年(昭和15年)4月2日〜1941年(昭和16年)4月1日生まれ:年15万2424円(月1万2702円)
- 1941年(昭和16年)4月2日〜1942年(昭和17年)4月1日生まれ:年14万5860円(月1万2155円)
- 1942年(昭和17年)4月2日〜1943年(昭和18年)4月1日生まれ:年13万9296円(月1万1608円)
- 1943年(昭和18年)4月2日〜1944年(昭和19年)4月1日生まれ:年13万2976円(月1万1081円)
- 1944年(昭和19年)4月2日〜1945年(昭和20年)4月1日生まれ:年12万6412円(月1万534円)
- 1945年(昭和20年)4月2日〜1946年(昭和21年)4月1日生まれ:年11万9848円(月9987円)
- 1946年(昭和21年)4月2日〜1947年(昭和22年)4月1日生まれ:年11万3528円(月9460円)
- 1947年(昭和22年)4月2日〜1948年(昭和23年)4月1日生まれ:年10万6964円(月8913円)
- 1948年(昭和23年)4月2日〜1949年(昭和24年)4月1日生まれ:年10万400円(月8366円)
- 1949年(昭和24年)4月2日〜1950年(昭和25年)4月1日生まれ:年9万4080円(月7840円)
- 1950年(昭和25年)4月2日〜1951年(昭和26年)4月1日生まれ:年8万7516円(月7293円)
- 1951年(昭和26年)4月2日〜1952年(昭和27年)4月1日生まれ:年8万952円(月6746円)
- 1952年(昭和27年)4月2日〜1953年(昭和28年)4月1日生まれ:年7万4632円(月6219円)
- 1953年(昭和28年)4月2日〜1954年(昭和29年)4月1日生まれ:年6万8068円(月5672円)
- 1954年(昭和29年)4月2日〜1955年(昭和30年)4月1日生まれ:年6万1504円(月5125円)
- 1955年(昭和30年)4月2日〜1956年(昭和31年)4月1日生まれ:年5万5184円(月4598円)
- 1956年(昭和31年)4月2日〜1957年(昭和32年)4月1日生まれ:年4万8760円(月4063円)
- 1957年(昭和32年)4月2日〜1958年(昭和33年)4月1日生まれ:年4万2177円(月3514円)
- 1958年(昭和33年)4月2日〜1959年(昭和34年)4月1日生まれ:年3万5839円(月2986円)
- 1959年(昭和34年)4月2日〜1960年(昭和35年)4月1日生まれ:年2万9256円(月2438円)
- 1960年(昭和35年)4月2日〜1961年(昭和36年)4月1日生まれ:年2万2673円(月1889円)
- 1961年(昭和36年)4月2日〜1966年(昭和41年)4月1日生まれ:年1万6335円(月1361円)
2.2 1961年4月2日から1966年4月1日生まれは年1万6335円
1961年(昭和36年)4月2日から1966年(昭和41年)4月1日までに生まれた人は、どの年の生まれでも年1万6335円で、月にすると1361円です。1966年(昭和41年)4月2日以後に生まれた人には、振替加算は付きません。
2026年度中に65歳になるのは、おおむね1961年4月2日から1962年4月1日までに生まれた人です。これから振替加算を受け始める世代の額は、年1万6335円が上限になります。
振替加算は、夫婦それぞれの生年月日と年金の加入期間で決まります。自分の年金だけでなく配偶者の年金もあわせて確かめておくと、加算の有無を判断しやすくなります。
