空気が乾燥して火災が起きやすくなるこれからの時季に向けて、2026年は11月9日から15日まで「秋の全国火災予防運動」が行われます。火災や救急の現場に出る消防職員は、市町村や一部事務組合などに勤める地方公務員です。

同じ消防職でも、勤め先の団体によって月収やボーナスには差があります。総務省の「令和7年地方公務員給与の実態」(2025年4月1日現在)によると、消防職は全国に16万5253人で、平均給与月額は42万6274円でした。

期末手当・勤勉手当を足した年収の目安は、指定都市の消防職が713万2812円、町村の消防職が613万294円です。この記事では、消防職の月収・ボーナス・年収の目安を勤め先の団体区分ごとに並べ、差がどこから生まれているのかを確認します。

1. 地方公務員の消防職の月収・ボーナス・年収の目安

はじめに、消防職全体の平均を月収・ボーナス・年収の3つで見ておきます。

1.1 消防職は16万5253人、平均給与月額は42万6274円

総務省の調査によると、地方公務員の消防職は16万5253人で、平均年齢は38.9歳です。平均給与月額は42万6274円で、内訳は給料月額が32万449円、諸手当が10万5825円でした。

平均給与月額は、給料に扶養手当・地域手当・時間外勤務手当などの諸手当を足した額です。期末手当と勤勉手当(ボーナス)は含まれていません。

1.2 期末手当・勤勉手当を足すと消防職の年収の目安は681万2637円

消防職の期末手当は92万2045円、勤勉手当は77万5304円で、合わせて169万7349円です。いずれも支給された職員1人当たりの年額です。

平均給与月額の12か月分に期末手当・勤勉手当を足すと、消防職の年収の目安は681万2637円になります。

2. 消防職の年収を勤め先の団体区分別に見る

消防職の月収・ボーナス・年収の目安を、都道府県・指定都市・市・町村・一部事務組合等の団体区分ごとに並べます。

消防職の年収の目安は、市町村の中では指定都市が713万2812円で最も高く、町村が613万294円で最も低い1/2

地方公務員の消防職の年収の目安を団体区分別に示した棒グラフ。都道府県816万4144円、指定都市713万2812円、市665万1051円、一部事務組合等636万2532円、町村613万294円で、消防職全体は681万2637円

出所:総務省「令和7年地方公務員給与の実態」第5表 職種別職員の平均給与額を参考にLIMO編集部作成

2.1 市の消防職が6万1385人で最も多く、一部事務組合等が5万2796人で続く

消防職を勤め先の団体区分で分けると、市が6万1385人で最も多く、一部事務組合等が5万2796人、指定都市が2万9442人、都道府県が1万9274人、町村が2356人です。

2.2 消防職の団体区分別の月収・ボーナス・年収の目安

年収の目安は、平均給与月額の12か月分に期末手当・勤勉手当を足して計算しています。

【都道府県】

  • 月収:51万2812円
  • ボーナス:201万400円
  • 年収の目安:816万4144円

【指定都市】

  • 月収:44万7108円
  • ボーナス:176万7516円
  • 年収の目安:713万2812円

【市】

  • 月収:41万5128円
  • ボーナス:166万9515円
  • 年収の目安:665万1051円

【一部事務組合等】

  • 月収:39万7937円
  • ボーナス:158万7288円
  • 年収の目安:636万2532円

【町村】

  • 月収:38万3509円
  • ボーナス:152万8186円
  • 年収の目安:613万294円

3. 市町村の消防職の年収、指定都市と町村の差は100万2518円

市町村の消防職で年収の目安が最も高い指定都市と、最も低い町村を比べます。

3.1 年収の差100万2518円のうち76万3188円は月収の差

指定都市の消防職の年収の目安713万2812円と、町村の消防職の613万294円の差は100万2518円です。

月収の差は6万3599円で、12か月分にすると76万3188円になります。残りの23万9330円は期末手当・勤勉手当の差です。

4. 指定都市と町村の消防職の年収の差は地域手当から

月収の差6万3599円が、給料と諸手当のどこから生まれているのかを内訳で確かめます。

4.1 月収の差6万3599円のうち地域手当が2万6052円

地域手当は、指定都市の消防職が月3万6562円、町村の消防職が月1万510円で、差は2万6052円です。月収の差のおよそ4割にあたります。

4.2 給料月額の差は1万7094円、時間外勤務手当の差は1万1949円

給料月額は指定都市が32万729円、町村が30万3635円で、差は1万7094円でした。月収の差のうち3割足らずにとどまります。

時間外勤務手当は指定都市が2万8811円、町村が1万6862円で、差は1万1949円です。地域手当と給料月額、時間外勤務手当の3つで、月収の差の8割あまりを説明できます。

消防職の年収の目安は、指定都市が713万2812円、町村が613万294円で、100万2518円の開きがありました。差のおよそ4割は、毎月の地域手当の違いによるものです。

住んでいる地域の消防職の給与は、各自治体が公表している「給与・定員管理等について」の資料で確かめることができます。

ここからは、消防を担う団体のしくみと、同じ地方公務員の警察職と比べたときの違いを見ていきます。

太田 彩子

自治体で働いていた頃、同じ地方公務員でも、勤め先の団体や職種によって給与の組み立てが違うことを身近に感じてきました。消防職の年収を比べるときは、給料月額と手当を分けて見ると、差の理由がつかみやすくなります。