10月17日は「貯蓄の日」です。1952年に五穀豊穣を祝う「神嘗祭(かんなめさい)」にあわせて制定されたこの記念日には、「勤労の実りを大切にし、貯蓄への関心を高める」という目的があります。
この日を制定したのは、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の前身組織(当時の貯蓄増強中央委員会)です。ちなみに「J-FLEC(ジェイフレック)」という名称は、同機構の英語名(Japan Financial Literacy and Education Corporation)の頭文字から取られており、日本の金融教育を推進する役割が込められています。
毎月少しずつ積み立てを行っていても、ほかの家庭と比べて自家の貯蓄額が多いのか少ないのか、どこまで貯めれば適正なのか、目安がわかりにくいと感じる人は少なくありません。そこで参考にしたいのが、J-FLECによる『家計の金融行動に関する世論調査(2025年)』のデータです。
同調査によると、二人以上世帯の金融資産保有額は平均1940万円、中央値は720万円でした。さらに、各世帯が将来に向けて設定している金融資産の「目標残高」についても調査が行われています。
本記事では、二人以上世帯の金融資産保有額の分布状況とともに、目標残高の平均・中央値をあわせて確認します。ご自身のマネープランを見直すきっかけとしてご活用ください。
1. 二人以上世帯の金融資産保有額はいくら?平均1940万円・中央値720万円
まずは、二人以上世帯が実際に持っている金融資産を、金融資産を保有していない世帯も含めた分布で確認します。家計の金融行動に関する世論調査は、全国の二人以上世帯5000世帯の回答を集計しています。
※金融資産保有額には、預貯金のほか株式や投資信託、生命保険なども含まれます。預貯金は運用または将来の備えにあてている分で、日常的な出し入れ・引落しに備えている分は含まれません。
二人以上世帯の金融資産保有額は、3000万円以上が18.8%でもっとも多く、金融資産非保有が15.7%で続きました1/2
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年」二人以上世帯調査をもとにLIMO編集部作成
二人以上世帯の金融資産保有額の分布は、次のとおりです(「〜」の区分は下限以上・上限未満)。
- 金融資産非保有:15.7%
- 100万円未満:7.6%
- 100〜200万円:6.2%
- 200〜300万円:4.4%
- 300〜400万円:4.1%
- 400〜500万円:2.7%
- 500〜700万円:6.8%
- 700〜1000万円:6.7%
- 1000〜1500万円:9.5%
- 1500〜2000万円:6.2%
- 2000〜3000万円:9.3%
- 3000万円以上:18.8%
- 無回答:2.0%
1.1 平均と中央値の差はなぜ大きい?3000万円以上が18.8%、非保有も15.7%
3000万円以上の世帯が18.8%ある一方、金融資産を保有していない世帯も15.7%あり、分布は両端に広がっています。平均の1940万円は、金額の大きい世帯に引き上げられやすい数字です。
金額の小さいほうから並べてちょうど真ん中にあたる中央値は720万円で、平均の4割に届きません。
1.2 2024年からどう変わった?中央値は350万円から720万円に
J-FLECの時系列データで前年の2024年と比べると、平均は1374万円から1940万円に、中央値は350万円から720万円に上がりました。金融資産非保有の世帯は24.0%から15.7%に下がっています。
2. 金融資産の目標残高はいくら?中央値2000万円で保有額との開きは1280万円
同じ調査では、各世帯がめざす金融資産の目標残高もたずねています。実際に持っている金融資産保有額と並べると、目標との開きが見えてきます。
二人以上世帯の金融資産目標残高は中央値2000万円で、実際の金融資産保有額の中央値720万円と1280万円の開きがあります2/2
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年」二人以上世帯調査をもとにLIMO編集部作成
【平均】
- 金融資産目標残高:3926万円
- 金融資産保有額:1940万円
【中央値】
- 金融資産目標残高:2000万円
- 金融資産保有額:720万円
2.1 目標残高の平均は前年3088万円から3926万円に。分布は7000万円以上が13.7%
金融資産目標残高の平均は、前年の3088万円から3926万円に上がりました。J-FLECの集計では、目標残高の平均は、金融資産を保有している世帯の保有額の平均2309万円の1.7倍にあたります。
目標残高の分布は次のとおりです。
- 200万円未満:8.6%
- 200〜300万円:2.3%
- 300〜500万円:2.2%
- 500〜700万円:7.2%
- 700〜1000万円:1.2%
- 1000〜1500万円:13.3%
- 1500〜2000万円:2.6%
- 2000〜3000万円:13.0%
- 3000〜5000万円:12.1%
- 5000〜7000万円:11.1%
- 7000万円以上:13.7%
- 無回答:12.6%
2.2 年代別の目標残高はいくら?中央値は30歳代から70歳代まで2000万円
世帯主の年代別に見ると、目標残高の中央値は20歳代が800万円で、30歳代から70歳代まではいずれも2000万円でした。平均は次のとおりです。
- 20歳代:2634万円
- 30歳代:3866万円
- 40歳代:4430万円
- 50歳代:3965万円
- 60歳代:4047万円
- 70歳代:3512万円
二人以上世帯の金融資産保有額は、平均1940万円・中央値720万円でした。目標残高の中央値は2000万円で、実際に持っている金融資産の中央値とは1280万円の開きがあります。
わが家の数字と比べるときは、通帳や証券口座の残高のうち、日常の支払いにあてる分を除いた金額で確かめると、調査と同じ範囲で見ることができます。
ここからは、平均と中央値のどちらで比べるかの考え方と、貯蓄の日にわが家の金融資産を書き出すときの手順をお伝えします。
平均の1940万円と比べて焦るより、まずはわが家の金融資産を同じ範囲で書き出すことが出発点です。
貯蓄の日をきっかけに、通帳と証券口座の残高を同じ日付で並べ、家族と目標額を話し合っておくと、毎月いくら積み立てるかを決めやすくなります。
