給料が上がったという話を聞く機会が増えましたが、実際に年収の高い人はどれくらい増えているのでしょうか。自分の年収が全体のどのあたりにいるのか、気になる方もいるかもしれません。
国税庁の「民間給与実態統計調査」の長期時系列データで、1年を通じて勤務した給与所得者を給与の階級別に見ると、令和7年分は年収600万円を超える人が25.8%でした。令和3年分の21.6%から4.2ポイント増えています。
この記事では、令和3年分と令和7年分を比べて、年収の分布がこの4年でどう変わったのかを、男女別の動きとあわせて確認します。
1. 令和7年分の民間給与実態統計調査で、年収600万円を超える給与所得者は25.8%
まずは、年収600万円を超える給与所得者の割合がどう動いたかを確認します。民間給与実態統計調査は、国税庁が民間の事業所を対象に行っている標本調査で、給与所得者の1年間の給与の実態を調べています。
1.1 民間給与実態統計調査の「給与」は、給料・手当と賞与を合わせた額面
この記事で使う数字は、1年を通じて勤務した給与所得者が対象です。給与は給料・手当と賞与の合計で、所得税や社会保険料を差し引く前の金額です。給与所得者には、正社員のほか、パート・アルバイトや役員も含まれます。
割合は、長期時系列データの給与階級別の給与所得者数をもとにLIMO編集部で計算しています。
1.2 年収600万円超の給与所得者は、4年で約222万人増えて約1331万人に
年収600万円を超える給与所得者は、令和3年分の約1109万人から、令和7年分は約1331万人になりました。給与所得者全体が5137万人から5163万人とほぼ横ばいのなかで、約222万人増えています。
年収600万円を超える給与所得者の割合は、令和3年分の21.6%から令和7年分は25.8%に上がりました1/2
出所:国税庁「民間給与実態統計調査結果(長期時系列データ)」3-2 1年勤続者の給与階級別給与所得者数をもとにLIMO編集部作成
【男女計】
- 令和3年分:21.6%
- 令和4年分:22.6%
- 令和5年分:23.1%
- 令和6年分:24.9%
- 令和7年分:25.8%
【男性】
- 令和3年分:31.9%
- 令和4年分:33.2%
- 令和5年分:34.3%
- 令和6年分:36.3%
- 令和7年分:37.4%
【女性】
- 令和3年分:7.2%
- 令和4年分:8.2%
- 令和5年分:8.3%
- 令和6年分:9.7%
- 令和7年分:10.5%
男女計・男性・女性のいずれも、年収600万円を超える人の割合は4年続けて上がりました。
2. 給与階級別の割合を令和3年分と比べると、年収400万円を超える階級はすべて増えた
年収の分布全体では、どの給与階級の割合が増え、どの階級が減ったのでしょうか。給与階級別の割合を、令和3年分と令和7年分で並べます。
年収400万円以下の階級はすべて割合が下がり、400万円を超える階級はすべて上がりました2/2
出所:国税庁「民間給与実態統計調査結果(長期時系列データ)」3-2 1年勤続者の給与階級別給与所得者数をもとにLIMO編集部作成
【令和3年分】
- 100万円以下:8.3%
- 100万円超200万円以下:13.2%
- 200万円超300万円以下:14.6%
- 300万円超400万円以下:17.1%
- 400万円超500万円以下:14.9%
- 500万円超600万円以下:10.5%
- 600万円超700万円以下:6.8%
- 700万円超800万円以下:4.8%
- 800万円超900万円以下:3.0%
- 900万円超1000万円以下:1.9%
- 1000万円超1500万円以下:3.7%
- 1500万円超:1.4%
【令和7年分】
- 100万円以下:7.2%
- 100万円超200万円以下:11.3%
- 200万円超300万円以下:13.1%
- 300万円超400万円以下:15.5%
- 400万円超500万円以下:15.3%
- 500万円超600万円以下:11.9%
- 600万円超700万円以下:7.8%
- 700万円超800万円以下:5.4%
- 800万円超900万円以下:3.6%
- 900万円超1000万円以下:2.5%
- 1000万円超1500万円以下:4.7%
- 1500万円超:1.9%
2.1 年収300万円以下の給与所得者の割合は36.0%から31.5%に下がった
年収300万円以下の給与所得者は、令和3年分の36.0%から令和7年分は31.5%になり、4.5ポイント下がりました。人数では約1848万人から約1627万人に減っています。
年収400万円以下の4つの階級は、いずれも割合が下がりました。一方で、400万円超500万円以下から1500万円超まで、400万円を超える階級はすべて割合が上がっています。
2.2 人数が最も多い給与階級は300万円超400万円以下のまま、400万円超500万円以下とほぼ並んだ
給与階級別で人数が最も多いのは、令和3年分も令和7年分も300万円超400万円以下でした。ただし割合は17.1%から15.5%に下がり、2番目の400万円超500万円以下の15.3%とほぼ並んでいます。
3. 男女別に見ると、年収600万円超の割合は男性が31.9%から37.4%、女性が7.2%から10.5%に上がった
年収600万円を超える給与所得者の割合は、男女ともに上がりました。女性は令和3年分から3.3ポイント上がり、令和7年分で1割を超えました。
年収300万円以下の割合も、男女ともに下がりました。男性は20.3%から18.0%、女性は57.7%から49.3%で、女性の下がり幅が8.4ポイントと大きくなっています。
民間給与実態統計調査で1年を通じて勤務した給与所得者を見ると、年収600万円を超える人は令和7年分で25.8%と、令和3年分から4.2ポイント増えました。年収400万円を境に、それより下の階級の割合が減り、上の階級の割合が増えています。
自分の年収を比べるときは、勤務先から受け取る源泉徴収票の「支払金額」を見ると、この調査の給与と同じ額面の金額で確かめられます。
ここからは、ファイナンシャル・プランナーとして、自分の年収が全体のどのあたりにいるかの確かめ方と、年収が上がったときに家計で気をつけたい点をお伝えします。
年収の高い人の割合は4年で増えましたが、年収が上がると所得税の税率が上がる部分も出てきます。額面の伸びだけでなく、手取りがどう変わったかを源泉徴収票で確かめ、増えた分の使い道を先に決めておくと、家計に余裕が残りやすくなります。
