子どもが朝になって熱を出し、保育所に預けられない。仕事を休めない日に限ってそうなる、という経験のある家庭も多いでしょう。そんなときの預け先が病児保育ですが、1日あたりの利用料が気になって使うのをためらう人もいるかもしれません。
こども家庭庁の資料によると、病児保育事業の施設数は令和5年度で4342か所、延べ利用児童数は134万8088人でした。大阪府堺市の病児保育(施設型)では、1人1日2500円が、市民税非課税世帯なら500円に減免されます。
この記事では、病児保育事業の4つの型と、住民税非課税世帯の利用料の減免の内容、減免を受けるための手続きを、堺市と仙台市の案内をもとに確認します。
1. 病児保育事業は、病気の子どもを一時的に預かる4つの型がある
病児保育事業は、子どもが病気のときに自宅で保育するのが難しい家庭のために、病院や保育所などで子どもを一時的に預かる事業です。実施主体は市町村(特別区を含む)で、国と都道府県、市町村が費用を3分の1ずつ負担しています。
1.1 病児保育事業の4つの型は、預かる場所と子どもの状態で分かれる
こども家庭庁の資料では、病児保育事業は次の4つの型に分かれています。
- 病児対応型:病院・保育所などに付設された専用スペースで、病気の子どもを看護師などが一時的に保育する
- 病後児対応型:病気の回復期にある子どもを、専用スペースで看護師などが一時的に保育する
- 体調不良児対応型:保育中に体調が悪くなった子どもを、保育所などで一時的に預かる
- 非施設型(訪問型):看護師などが保護者の自宅を訪問し、子どもを一時的に保育する
1.2 病児保育の施設数は令和5年度に4342か所、延べ利用児童数は134万8088人
こども家庭庁の資料(令和8年3月版)によると、令和5年度の病児保育の施設数は4342か所、延べ利用児童数は134万8088人でした。令和8年度の予算案では、市町村をまたいだ利用者の受け入れを行い、予約などができるICTを導入している施設を、補助の基本分単価(改善分)の対象に加えるとしています。
2. 堺市の病児保育の利用料は1日2500円、市民税非課税世帯なら500円に減免
病児保育の利用料には、住民税非課税世帯などを対象にした減免を設けている市区町村があります。大阪府堺市の病児保育(施設型)では、世帯の区分によって1日あたりの利用料が変わります。
2.1 堺市の病児保育は生後6か月から小学6年生までが対象
堺市の病児保育(施設型)は、生後6か月から小学校6年生までの子どもが対象です。利用料は1人1日2500円が基本で、次の世帯は減免されます。
【堺市の病児保育(施設型)の利用料(1人1日あたり)】
- 減免なし:2500円
- 所得税非課税世帯:1500円
- 市民税非課税世帯:500円
- 生活保護世帯:500円
2.2 減免を受けるには、世帯の区分を証明する書類を施設に出す
堺市で減免を受けるには、世帯の区分を証明する書類を、初回の登録時と年度ごとに施設へ提出します。市民税非課税世帯は区役所の市民課で、生活保護世帯は保健福祉総合センターで、所得税非課税世帯は勤務先や税務署で証明書を取ります。
病児保育は、利用する施設ごとに事前の登録が必要です。堺市では登録のときに、子どもの健康状態やアレルギーを確かめる面談があります。
3. 住民税非課税の判定基準は3つ。堺市の目安は扶養なしで合計所得金額45万円以下
病児保育の利用料の減免で使われる「市民税非課税世帯」かどうかは、前年の所得をもとに市区町村が判定します。
3.1 堺市で市民税・府民税の均等割も所得割もかからない人
堺市の案内では、次のいずれかに当てはまる人は、市民税・府民税の均等割も所得割もかかりません。
- 生活保護法による生活扶助を受けている
- 障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下
- 扶養家族がなく、前年の合計所得金額が45万円以下
- 扶養家族があり、前年の合計所得金額が35万円×家族数(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)+31万円以下
夫婦と子ども1人の3人家族なら、35万円×3+31万円で136万円以下が目安です。
3.2 住民税非課税世帯は、世帯の全員が非課税の世帯
生計を共にする世帯員全員が住民税(均等割・所得割)非課税である場合に「住民税非課税世帯」に該当します。
病児保育事業の施設数は令和5年度時点で全国に4342か所あり、堺市では1日あたり2500円の利用料が、市民税非課税世帯や生活保護世帯であれば500円に減免されます。減免を受けるには、事前の利用登録と世帯の区分を証明する書類の提出が必要です。
子どもが元気なうちに、近くの病児保育の施設と利用料、減免の有無を市区町村のホームページで調べ、登録まで済ませておくと、急な発熱の日にも慌てずに預け先を探せます。
ここからは、減免の対象になる費用とならない費用の違いと、非課税証明書の年度が切り替わる時期について、仙台市の案内をもとに見ていきます。
急な発熱への備えは、単に「仕事をどう休むか」だけでなく、「利用料金と実費負担」「事前の登録手続き」の2点を具体的に整理しておくことが鍵となります。
堺市の病児保育(施設型)は1日2500円(市民税非課税世帯等は500円に減免)が基本ですが、利用料とは別にかかりつけ医の『診療情報提供書』や施設での実費費用(給食代等)がかかる場合があります。
また、施設型・訪問型ともに事前面談や登録講習が必須であり、発熱当日の突発的な手続きはできません。
子どもが元気なうちに、利用料の減免申請書類の確認や、かかりつけ医・病児保育室への事前登録を済ませておくことが、家庭の負担と不安を和らげる最も確実な予防策です。
