障害者手帳を持つ人の医療費を助ける制度として、東京都には「心身障害者医療費助成制度」(マル障)があります。医療保険の自己負担から一定の額を差し引いた分が助成されます。

マル障の受給者証は毎年9月に切り替わり、2026年9月1日からは令和7年中の所得で判断する新しい所得制限基準額が使われています。窓口で支払う額は、本人の住民税が課税か非課税かで分かれ、住民税非課税の人は医療費の自己負担がありません。

この記事では、マル障の対象になる障害者手帳の等級、所得制限、課税・非課税で変わる自己負担の上限を確認します。

1. 東京都の心身障害者医療費助成(マル障)の対象は、3種類の障害者手帳の一部の等級

マル障の対象は、東京都内に住所がある人のうち、次のいずれかにあてはまる人です。障害者手帳を持っていても、等級によっては対象になりません。

  • 身体障害者手帳1級・2級(心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫・肝臓機能障害の内部障害は3級も含む)
  • 愛の手帳1度・2度
  • 精神障害者保健福祉手帳1級

1.1 精神障害者保健福祉手帳1級は平成31年1月から心身障害者医療費助成の対象

精神障害者保健福祉手帳1級の人は、平成31年1月1日からマル障の対象に加わりました。精神障害者保健福祉手帳の2級・3級の人は対象ではありません。

1.2 マル障受給者証の申請先は住民票のある区市役所・町村役場

マル障を使うには、住民票のある区市役所・町村役場のマル障申請窓口に申請し、マル障受給者証の交付を受けます。受診するときは、医療機関の窓口で保険証とマル障受給者証を見せます。

2. 心身障害者医療費助成の所得制限、2026年9月からの基準額は扶養親族0人で375万8000円

マル障には所得制限があり、所得制限基準額を超える人は申請できません。2026年(令和8年)9月1日から2027年(令和9年)8月31日までは、令和7年中の所得で判断します。

マル障の所得制限基準額(令和8年9月1日から令和9年8月31日まで)1/2

マル障の所得制限基準額は扶養親族0人で375万8000円、1人で413万8000円、5人で565万8000円。6人以上は1人につき38万円を加算

出所:東京都福祉局「心身障害者医療費助成制度(マル障)」を参考にLIMO編集部作成

  • 扶養親族0人:375万8000円
  • 扶養親族1人:413万8000円
  • 扶養親族2人:451万8000円
  • 扶養親族3人:489万8000円
  • 扶養親族4人:527万8000円
  • 扶養親族5人:565万8000円
  • 扶養親族6人以上:1人につき38万円を加算

2.1 所得制限は受給する本人の所得で判断する

所得制限は、マル障を受ける本人の所得で判断します。20歳未満のときは、原則として世帯主の所得で判断します。

ここでいう所得は、住民税の課税対象となる所得額(総所得金額等)から、社会保険料控除や障害者控除(家族)などを差し引いた金額です。扶養親族に70歳以上の同一生計配偶者や老人扶養親族がいる場合は1人につき10万円、特定扶養親族などがいる場合は1人につき25万円が基準額に加算されます。

2.2 申請する月によって、所得制限の判定に使う年の所得が変わる

1月から8月までに申請する場合は前々年の所得、9月から12月までに申請する場合は前年の所得で判断します。2026年10月に新しく申請するなら、令和7年中の所得が基準になります。

3. 心身障害者医療費助成の自己負担は住民税非課税なら負担なし、課税なら1割で外来は月1万8000円まで

マル障を使うと、医療保険の自己負担額から「マル障一部負担金」を差し引いた額が助成されます。窓口で支払う一部負担金は、本人の住民税が課税されているかどうかで変わります。

マル障の自己負担は住民税の課税・非課税で分かれる2/2

マル障の自己負担。住民税課税者は総医療費の1割で外来は月1万8000円(年14万4000円)、外来と入院は月5万7600円まで。住民税非課税者は負担なし

出所:東京都福祉局「心身障害者医療費助成制度(マル障)」を参考にLIMO編集部作成

【住民税課税者】

  • 外来のみ:総医療費の1割、月1万8000円まで(年間上限14万4000円)
  • 外来と入院:総医療費の1割、月5万7600円まで(多数回は4万4400円)

【住民税非課税者】

  • 外来・入院とも:負担なし

3.1 住民税課税者の外来は年14万4000円を超えた分が戻る

毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間で、外来のマル障自己負担額の合計が14万4000円を超えた場合、超えた分が高額医療費として助成されます。過去12か月以内に3回以上、5万7600円の上限に達した場合は、4回目から上限が4万4400円に下がります。

3.2 入院中の食事代は助成の対象外

入院時食事療養・生活療養標準負担額は、マル障では助成されません。住民税非課税の人も、入院中の食事代などは支払います。

マル障の対象は身体障害者手帳1級・2級(内部障害は3級まで)、愛の手帳1度・2度、精神障害者保健福祉手帳1級で、所得制限基準額は扶養親族0人で375万8000円です。窓口の自己負担は、住民税非課税なら外来・入院とも負担なし、課税なら総医療費の1割で外来は月1万8000円までです。

自分の区分は、マル障受給者証の負担者番号で確かめられます。住民税課税者は「80136」、住民税非課税者は「80137」で始まります。

ここからは、65歳を境にしたマル障の申請の扱いと、医療費の計算例を整理します。

和田 直子

通院が長く続くケースでは、医療費が月にいくらまでで止まるのかが重要です。マル障の上限は月単位で決まっているので、家計の予定にも組み込みやすい制度です。