新NISAで積み立てる商品を選ぶとき、「オルカン」と「S&P500」の名前を見かけることは多いのではないでしょうか。どちらも株式の指数に連動する投資信託ですが、その指数の中にどんな会社が入っているのかまで確かめる機会は、意外と少ないものです。

三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート(2026年8月31日現在)によると、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称オルカンの組入銘柄数は2409銘柄、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は503銘柄です。同じ株式のインデックスファンドでも、投資先の広さには大きな違いがあります。

基本的に投資信託に投資をはじめる場合、長期間保有する方も多いでしょう。長期間投資するからこそ、どのような商品が入っているのか細部まで確認することは大切です。

この記事では、2つのファンドが連動を目指す指数の中身を、国・業種・銘柄の顔ぶれから並べて見ていきます。あわせて、基準価額をもとに編集部が計算した暦年ごとの騰落率も紹介します。中身の見方を知っておくと、ほかの投資信託の資料を読むときにも役立つでしょう。

1. 【オルカンとS&P500】中身はどう違う?組入銘柄はオルカン2409銘柄・S&P500は503銘柄

オルカンが連動を目指すのは、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)です。月次レポートでは、MSCI Inc.が開発した株価指数で、世界の先進国・新興国の株式で構成されていると説明されています。S&P500が連動を目指すのは、S&P500指数(配当込み、円換算ベース)です。

2026年8月31日現在の資産構成を見ると、オルカンは国内株式が5.1%、日本を除く先進国株式が83.1%、新興国株式が11.8%でした。S&P500は、実質的に外国株式が100.0%で、そのうち現物が99.0%、先物が1.0%となっています。

組入銘柄数は、オルカンが2409銘柄、S&P500が503銘柄です。どちらも1つの商品で数百から数千の会社に投資していますが、投資先の地域の範囲が違うことが、銘柄数の違いにも表れています。商品を選ぶ前に、まず何の指数に連動しているのかを確かめておくと、中身の違いが見えやすくなります。

2. 【国と業種】オルカンの組入のうちアメリカは62.8%。上位の銘柄には共通点も

オルカンの組入上位の国・地域は、アメリカが62.8%、日本が5.0%、台湾が3.2%、イギリスが3.1%、カナダが3.0%でした。世界の株式に投資していても、組入の6割あまりはアメリカの会社です。

業種で見ると、オルカンは情報技術が30.5%、金融が16.6%、資本財・サービスが10.4%でした。S&P500は、半導体・半導体製造装置が16.9%、テクノロジ・ハードウェア・機器が10.5%、ソフトウェア・サービスが9.9%です。2つの月次レポートは業種の分け方の細かさが違うため、数字をそのまま並べて比べることはできません。

組入上位の銘柄には共通点があります。オルカンは1位がNVIDIA(4.7%)、2位がアップル(4.4%)、3位がマイクロソフト(3.4%)で、S&P500も1位がNVIDIA(7.9%)、2位がアップル(7.0%)、3位がマイクロソフト(5.7%)でした。オルカンの上位10銘柄のうち、アメリカ以外は台湾の1銘柄(TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC)で、ほかの9銘柄はアメリカの会社です。

3. 【年ごとの値動き】暦年の騰落率を2018年から並べて見る

では、年ごとの値動きはどうだったのでしょうか。三菱UFJアセットマネジメントが公表する基準価額をもとに、各年の騰落率を編集部で計算しました。

どちらも、2018年(設定日から年末まで)と2022年は前の年末より下がりました。2022年はオルカンがマイナス5.6%、S&P500がマイナス6.1%です。一方で、2021年や2024年のように、どちらも30%を超えて上がった年もあります。どちらの騰落率が大きかったかは年によって違い、2025年はオルカンが20.5%、S&P500が15.7%でした。

ここで見ているのは過去の値動きで、これからの運用成果が同じになるとは限りません。また、税金や手数料は考えていない数字です。年によって大きく上がることも下がることもある、という値動きの幅を知っておくことが大切です。

宮野 茉莉子
投資信託の中身は、運用会社が毎月公表している月次レポートで確かめられます。組入上位の国や業種、銘柄、組入銘柄数のほか、基準価額や騰落率もまとめて載っています。名前のイメージだけで選ぶより、こうした資料で中身を一度見ておくと、自分が何に投資しているのかがはっきりします。月次レポートは毎月更新され、組入の割合も少しずつ変わっていくので、何月末時点の数字なのかを確かめてから読むことも、とても大切です。

暦年の騰落率は、1年ごとの値動きを切り取った数字です。同じ年の中でも上がったり下がったりしていて、年末の数字には途中の動きが表れません。年ごとの数字は、値動きの大きさをつかむための目安として受け止めてください。