3. 親元を離れた学生はNHK受信料の全額免除になることがある

2契約目が学生の部屋なら、家族割引より先に確かめたいのが学生を対象にしたNHK受信料の免除です。要件に当てはまれば、受信料は半額ではなく全額免除になります。

3.1 対象は大学・短大・専門学校などに通い、親元を離れて暮らす学生

免除の対象になるのは、学校教育法で規定されている大学や短大、修業年限が1年以上ある専門学校などに通い、親元などから離れて暮らす学生です。学位の授与の対象となる課程がある省庁大学校のうち、学生に給与を支払っていないところも含まれます。

NHKはもともと2019年2月から、経済的な要件のある奨学金を受けている学生などを全額免除にしていました。2023年10月からは、健康保険などの被扶養者になっている学生や、それと同じ程度の収入水準の学生も対象に加わりました。

3.2 全額免除になる要件は8つ。どれか1つに当てはまればよい

学生の免除は、次の8つの要件のいずれか1つに当てはまれば対象になります。申請には学生証が必ず必要で、そのうえで要件ごとの証明書類をそろえます。

学生の受信料免除に当てはまる8つの要件と、学生証に加えて出す主な書類2/2

親元を離れて暮らす学生がNHK受信料の全額免除を受けられる8つの要件と、それぞれの主な証明書類をまとめた表

出所:日本放送協会「学生を対象とした免除・割引制度」を参考にLIMO編集部作成

  • 健康保険など(被用者保険)の被扶養者である
  • 国民健康保険の修学特例の対象である
  • 経済的理由の選考基準がある奨学金を受給している
  • 経済的理由の選考基準がある授業料免除制度の適用を受けている
  • 前年の年間収入が187万円以下である
  • 20歳以上で国民年金保険料の学生納付特例の対象である
  • 親元などが市町村民税(特別区民税を含む)非課税である
  • 親元などが公的扶助受給世帯である

奨学金は、日本学生支援機構の貸与型奨学金や給付型奨学金などが例として挙げられています。親元などの非課税や公的扶助を理由にする場合は、親元などの住民票と、非課税証明書または生活保護受給証明書が必要です。

3.3 年間収入の基準は2026年1月以降の手続きから187万円以下に

学生本人の年間収入の基準は、2025年4月施行の所得税法の改正で給与所得控除額と基礎控除額が引き上げられたことにあわせて見直されました。2025年12月までは「前年の年間収入が130万円以下」と案内されていましたが、2026年1月以降に手続きをする場合は「187万円以下」が対象です。

187万円は、給与所得控除65万円、勤労学生控除27万円、基礎控除95万円を合計した額です。この要件で申請するときは、学生本人の市町村民税非課税(課税)証明書か確定申告控(内容確認票)を学生証に添えて提出します。

4. 学生の免除と家族割引の申請書類。従来の保険証は使えない

NHK受信料の学生の免除と家族割引は、どちらも要件を確かめる書類を出して申請します。健康保険証の切り替えで、これまでと同じ書類が使えなくなっている点を確認しておきます。

4.1 マイナ保険証はマイナポータルの「健康保険証情報」の画面で出す

従来の健康保険証は、2025年12月1日までに使用の猶予期間が終わるか有効期限が切れたため、証明書類として使えません。マイナンバーカードを健康保険証として利用している場合も、カードの券面では免除に必要な情報が確認できないため、カードの写しは使えない扱いです。

代わりに、マイナポータルにログインして表示できる「健康保険証情報」の画面キャプチャを使えます。マイナ保険証を使っていない人は、加入先から交付される資格確認書に「家族(被扶養者)」の記載があれば、それを証明書類にできます。

4.2 国民健康保険の学生は被扶養者の書類にならない

国民健康保険には被扶養者の認定がありません。そのため、国民健康保険に加入している学生は、資格確認書に「家族」と書かれていても被扶養者の証明には使えず、市町村民税非課税(課税)証明書などで申請します。

修学特例の対象で、資格確認書に「学」の記載がある場合は、その資格確認書を使えます。記載がない場合は、親元などから今の住居に住所を移したことが分かる住民票の写しもあわせて提出します。

4.3 家族割引を受けていても、免除には別の手続きが必要

すでに家族割引(学生)を受けている学生も、免除の要件に当てはまるなら、あらためて免除の申請をする必要があります。家族割引は自動で免除に切り替わるわけではありません。

支払い済みの受信料がある場合、免除が適用された月以降の分は返金されます。家族割引の手続きでは、学生は学生証、単身赴任は社員証または健康保険の資格確認書など、同一生計を確かめる書類を添えて申し込みます。

5. まとめにかえて

NHK受信料は住居ごとの契約なので、単身赴任や進学で家族が別々に暮らすと2契約目が必要になります。家族割引を使えば2契約目は半額になり、衛星契約の12か月前払額は2万1765円から1万882円に下がります。

親元を離れた学生なら、被扶養者であることや前年の年間収入187万円以下などの要件で、全額免除になる場合があります。一方で、家族割引には支払い方法の条件があり、免除には証明書類の提出が必要です。

どの制度に当てはまるかは、NHK受信料の窓口のウェブサイトで要件を確かめ、迷ったらNHKふれあいセンター(0570-077-077、9時から18時)に問い合わせておくと安心です。

参考資料

太田 彩子