1. 【住民税非課税世帯】収入がなくても「住民税の申告」が必要とされることがある
住民税非課税世帯であることは、保険料の軽減や給付金など、さまざまな制度の入口になります。ただ、非課税世帯として扱われるには、市区町村が世帯の所得の状況を把握している必要があります。
市区町村の案内を見ると、前年に収入がなかった人にも住民税(市民税・県民税など)の申告を求めているところがあります。ここでは横浜市・川崎市・大阪市・神戸市の案内をもとに、申告がないと何に影響するのかを確認します。
1.1 横浜市・川崎市は「収入がなかった人も申告が必要」と案内
横浜市は、市民税・県民税の申告は所得税の確定申告とは異なり、所得の多寡に関わらず、収入がなかった人であっても申告をする必要があると案内しています。申告の期限は毎年3月15日です。
川崎市も、前年中にまったく収入がなくても申告をする必要があるとしています。申告がないと、国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料の算定や軽減判定、所得証明書の発行などに影響が出る可能性があると説明しています。
1.2 神戸市は「申告義務はないが、証明が必要なら申告を」
一方、神戸市は、前年に収入がない場合は申告義務はないとしたうえで、所得がないことを証明する所得証明書が必要な場合は申告の必要があると案内しています。
このように、申告が「必要」か「義務はない」かの書き方は市区町村によって違います。ただ、4市とも、所得がないことを証明する場面では申告が前提になっている点は共通しています。
2. 住民税の申告がないと、非課税証明書や保険料の軽減判定に影響する
住民税非課税世帯として受けられる軽減の多くは、市区町村が持っている所得の情報をもとに判定されます。申告がなく所得の情報がそろわないと、判定ができないことがあります。
住民税の申告がないと影響が出るものと、各市の案内1/2
出所:横浜市「市民税・県民税の申告について」、川崎市「前年中に全く収入がなくても、市民税・県民税申告は必要ですか。」、大阪市「よくあるお問い合わせ(証明書請求に関するQ&A)」、神戸市「前年に収入が無かったときの住民税の申告は必要ですか。」を参考にLIMO編集部作成
2.1 非課税証明書は、申告書を出していれば所得がなくても発行できる
大阪市は、所得がない人でも市民税・府民税の申告書を提出していれば、課税(所得)証明書を発行できると案内しています。横浜市も、申告がないと課税(非課税)証明書の発行に影響が出ると案内しています。
なお大阪市によると、だれかの扶養親族になっている人は、申告をしなくても税額が0円である旨の証明書は発行できます。ただし、所得金額の記載のない証明書になります。
2.2 保険料の軽減は、申告がないと適用できないことがある
国民健康保険料や後期高齢者医療保険料には、世帯の所得が一定以下なら均等割を7割・5割・2割減らす軽減があります。神奈川県後期高齢者医療広域連合は、所得の申告をしていない方は基準に該当するか不明のため軽減措置を適用できないとして、所得がない場合でも住民税などの申告を求めています。
2.3 神奈川県の後期高齢者医療なら、7割軽減との差は年3万8754円
神奈川県の令和8年度の後期高齢者医療保険料で、医療分と子ども・子育て支援納付金分を合わせた均等割は、軽減がなければ年5万3861円です。7割軽減(医療分は7.2割)に当たれば年1万5107円になるため、その差は年3万8754円になります。
収入が少なく本来は軽減に当たる人でも、申告がないと判定ができず、この差額を負担することになりかねません。均等割の額は地域によって違うので、お住まいの都道府県の額で確かめてください。
住民税非課税世帯として保険料の軽減や証明書を受けるには、世帯の所得の状況が市区町村に伝わっていることが前提です。前年に収入がなかった場合は、お住まいの市区町村のホームページや住民税の担当窓口で、申告が必要かどうかを確かめられます。
国保や後期高齢者医療の保険料の軽減は、住民税の情報を参照して判定します。収入がないからと申告をしていないと、軽減に当たるはずの方でも判定ができないので、ご家族の分も含めて申告の有無を確かめておいてください。
