日本学生支援機構(JASSO)の貸与奨学金を申し込むときは、借りる額や返還方式のほかに、保証制度も選びます。親や親族に保証人を頼むか、保証料を払って保証機関に保証してもらうかの二択です。

JASSOのリーフレットによると、2026年度採用者が第二種奨学金を大学で月5万円借りる場合、機関保証の保証料は月2218円の目安です。令和6年度に新しく奨学生になった人のうち、機関保証を選んだ人は56.1%でした。

この記事では、機関保証と人的保証の違い、機関保証を選ぶ人の割合の推移、借りる額ごとの保証料の目安を、JASSOの公表資料で確認します。

1. 奨学金の保証制度は「機関保証」と「人的保証」から選ぶ

JASSOの貸与奨学金では、申し込むときに機関保証と人的保証のどちらかを選びます。まず、2つの保証制度がどう違うのかを確認します。

1.1 人的保証は連帯保証人と保証人の2人を立てる

人的保証は、一定の条件にかなった連帯保証人と保証人が、奨学金の返還を保証する制度です。連帯保証人は原則として父または母(いない場合はそれに代わる人)とされています。

保証人は、原則として4親等以内の65歳未満の親族で、本人および連帯保証人と別生計の人です。奨学生に採用されたあとは、連帯保証人の印鑑登録証明書と収入に関する証明書、保証人の印鑑登録証明書を提出します。

1.2 機関保証は日本国際教育支援協会が連帯保証する

機関保証は、一定の保証料を払うことで、保証機関である公益財団法人日本国際教育支援協会が連帯保証する制度です。連帯保証人や保証人の手続き・書類の準備は要りません。

代わりに、本人と連絡が取れない場合に住所や電話番号を照会できる「本人以外の連絡先」を届け出ます。保証機関は、奨学金の申し込みと同時に機関保証を希望する人の保証を断ることはないとしています。

1.3 機関保証の新規選択率は令和6年度に56.1%

新しく奨学生になった人のうち、機関保証を選んだ人の割合(新規選択率)は、平成28年度の41.3%から上がってきました。令和元年度に54.0%となって以降は、50%を超えて推移しています。

奨学金の機関保証の新規選択率は、平成28年度の41.3%から令和6年度は56.1%に1/2

平成28年度から令和6年度までの、奨学金の機関保証の新規選択率の推移を示した折れ線グラフ

出所:日本学生支援機構「令和7年度第1回機関保証制度検証委員会 資料3 機関保証事業概要」を参考にLIMO編集部作成

日本国際教育支援協会の資料は、新規選択率が所得連動返還方式の導入された平成29年度から上がったと説明しています。令和6年度の機関保証の新規加入件数は22.6万件でした。

所得連動返還方式は、前年の所得に応じて返還月額が決まる方式で、毎年10月から翌年9月までの額が見直されます。第一種奨学金でこの方式を選ぶには、機関保証への加入が必要です。

2. 機関保証の保証料は、第二種奨学金を大学で月5万円借りると月2218円

機関保証を選ぶと、保証料がかかります。JASSOのリーフレットには、2026年度採用者の保証料の目安が、奨学金の種類と貸与月額ごとに載っています。

2.1 保証料は毎月の奨学金から差し引かれる

保証料は、JASSOが原則として毎月の奨学金から差し引き、保証機関に支払います。口座に振り込まれるのは、貸与月額から保証料月額を差し引いた額です。

第二種奨学金を大学で月5万円借りる場合、保証料月額2218円を差し引いた4万7782円が毎月振り込まれます。保証料を払うのは貸与期間中だけで、返還期間中に払う必要はありません。

2.2 大学4年間の保証料は、第二種奨学金の月5万円で10万6464円

保証料は、貸与月額・貸与月数・返還期間のほか、第二種奨学金では貸与利率などによって変わります。大学で48か月借りた場合の目安を、保証料月額に48か月をかけた4年間の合計とあわせて並べました。

機関保証の保証料の目安(2026年度採用者・大学で48か月借りた場合)2/2

第二種奨学金と第一種奨学金について、大学で48か月借りた場合の貸与月額ごとの保証料月額と4年間の保証料をまとめた表

出所:日本学生支援機構「JASSOの奨学金 機関保証制度」(2026年4月)を参考にLIMO編集部作成

【第二種奨学金(大学・48か月)】

  • 貸与月額3万円:保証料月額1168円(4年間で5万6064円)
  • 貸与月額5万円:保証料月額2218円(4年間で10万6464円)
  • 貸与月額8万円:保証料月額4585円(4年間で22万80円)
  • 貸与月額10万円:保証料月額5732円(4年間で27万5136円)
  • 貸与月額12万円:保証料月額6878円(4年間で33万144円)

【第一種奨学金(大学・48か月)】

  • 国公立・自宅、貸与月額3万円:保証料月額947円(4年間で4万5456円)
  • 国公立・自宅外、貸与月額4万円:保証料月額1262円(4年間で6万576円)
  • 私立・自宅、貸与月額4万円:保証料月額1262円(4年間で6万576円)
  • 私立・自宅外、貸与月額5万円:保証料月額1786円(4年間で8万5728円)

第二種奨学金を月5万円で4年間借りると、貸与総額は240万円です。保証料の4年間の合計10万6464円は、この貸与総額240万円の約4.4%にあたります。

機関保証を選ぶと、第二種奨学金を大学で月5万円借りる場合で月2218円、4年間で10万6464円の保証料が奨学金から差し引かれます。人的保証なら保証料はかかりませんが、連帯保証人と保証人の2人を立てる必要があります。

目安に載っていない貸与月額で借りる場合や最新の保証料は、JASSOのリーフレットが案内しているとおり、JASSOのホームページで確かめられます。

ここからは、返還方式の選び方とのつながりと、返還が滞ったときに請求が誰に向かうのかを、保証制度ごとに見ていきます。

和田 直子

保証制度をどちらにするかに、どの家庭にも当てはまる答えはありません。保証料を払うか、親族に保証人を引き受けてもらうかの違いなので、申し込む前に家族で一度話しておくと決めやすくなります。