子どもの進学や独立、親との同居など、年齢を重ねるにつれて家計の中身は変わっていきます。

厚生労働省が2026年10月7日に公表した「毎月勤労統計調査」2026年8月分の速報では、物価の変動を除いた実質賃金が前年同月比1.5%増え、8カ月連続のプラスとなりました。

一方、総務省統計局の「家計調査」では、二人以上の世帯の消費支出が実質で4月から7月まで続けて前年同月を下回っています。

自分の家の生活費が多いのか少ないのかは、世帯主が同じ年代の家庭と比べると見当がつけやすくなります。2026年2月6日に公表された「家計調査(家計収支編)2025年平均」では、二人以上の世帯の消費支出は月31万4001円で、世帯主の年齢階級別では50歳代の月36万7643円が最も多い額でした。

この記事では、世帯主の年齢階級別に生活費の平均と主な費目の支出を並べます。最近の賃金と生活費の動きもあわせて確認します。

1. 家計調査2025年平均、世帯主の年齢階級別の生活費は50歳代の月36万7643円が最も多い

まず、家計調査で「生活費」にあたる消費支出の平均を、世帯主の年齢階級別に確認します。

1.1 家計調査の生活費は「消費支出」。二人以上の世帯の平均は月31万4001円

家計調査では、食料や住居、光熱・水道、教育など、日々の暮らしにかかる支出を「消費支出」として集計します。税金や社会保険料は消費支出に含まれません。

2025年の二人以上の世帯の消費支出は月31万4001円で、前年から名目で4.6%、物価の変動を除いた実質で0.9%増えました。

1.2 世帯主の年齢階級別の生活費は、29歳以下が月26万4285円、70歳以上が月26万4332円

世帯主の年齢階級別にみると、生活費の平均は40歳代から50歳代にかけて多くなり、60歳代以降は少なくなります。

世帯主の年齢階級別の1か月の生活費(消費支出)の平均(二人以上の世帯・2025年)1/2

二人以上の世帯の1か月の消費支出の平均を、世帯主の年齢階級別に29歳以下から70歳以上まで比べた棒グラフ

出所:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年 詳細結果表 第3-2表」を参考にLIMO編集部作成

【世帯主の年齢階級別の1か月の生活費(消費支出)の平均】

  • 29歳以下:26万4285円
  • 30歳代:30万3962円
  • 40歳代:34万8607円
  • 50歳代:36万7643円
  • 60歳代:32万7405円
  • 70歳以上:26万4332円

50歳代の36万7643円は、29歳以下の26万4285円より10万3358円多い額です。70歳以上の26万4332円は、29歳以下とほぼ同じ水準でした。

ここでの数字は、2人以上で暮らす世帯(単身世帯は含まない)を、世帯主の年齢で分けた平均です。二人以上の世帯全体を100%とすると、世帯主が70歳以上の世帯は34.5%、50歳代は19.5%、29歳以下は1.2%を占めます(抽出率調整後の世帯数分布)。

2. 世帯主の年齢階級別に費目を比べると、40歳代・50歳代は教育、60歳以上は交際費と保健医療が多い

生活費のうち多くかかる費目は、世帯主の年代によって違います。主な費目を世帯主の年齢階級別に並べます。

世帯主の年齢階級別の主な費目の1か月の支出(二人以上の世帯・2025年)2/2

住居・教育・仕送り金・交際費・保健医療の1か月の支出を、世帯主の年齢階級別に並べ、費目ごとに最も多い年齢階級に色を付けた表

出所:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年 詳細結果表 第3-2表」を参考にLIMO編集部作成

【住居】

  • 29歳以下:4万7007円
  • 30歳代:2万2989円
  • 40歳代:1万8240円
  • 50歳代:1万7608円
  • 60歳代:1万9630円
  • 70歳以上:1万6803円

【教育】

  • 29歳以下:2943円
  • 30歳代:8605円
  • 40歳代:2万6635円
  • 50歳代:3万385円
  • 60歳代:3788円
  • 70歳以上:336円

【仕送り金】

  • 29歳以下:225円
  • 30歳代:571円
  • 40歳代:7612円
  • 50歳代:1万4834円
  • 60歳代:4278円
  • 70歳以上:1472円

【交際費】

  • 29歳以下:7461円
  • 30歳代:9441円
  • 40歳代:1万464円
  • 50歳代:1万4588円
  • 60歳代:2万1723円
  • 70歳以上:2万462円

【保健医療】

  • 29歳以下:1万886円
  • 30歳代:1万5016円
  • 40歳代:1万2897円
  • 50歳代:1万4663円
  • 60歳代:1万7240円
  • 70歳以上:1万7330円

2.1 40歳代は食料が月9万9922円と最も多く、学習塾などの補習教育は月9367円

世帯主が40歳代の世帯は、世帯人員が平均3.73人で、18歳未満の人数は1.52人です。食料は月9万9922円で、年齢階級別で最も多い額でした。

教育は月2万6635円で、そのうち学習塾などの補習教育が月9367円を占めます。補習教育の額は、年齢階級別で最も多くなりました。

2.2 50歳代は教育が月3万385円、仕送り金が月1万4834円と年齢階級別で最も多い

世帯主が50歳代の世帯では、教育が月3万385円で、そのうち授業料等が月2万5798円です。家を離れて暮らす家族への仕送り金も月1万4834円で、40歳代の7612円の約1.9倍でした。

交通・通信も月5万9435円と年齢階級別で最も多く、そのうち自動車等関係費が月3万6677円です。

2.3 60歳代は交際費が月2万1723円、70歳以上は保健医療が月1万7330円

世帯主が60歳代の世帯では、教育が月3788円まで下がる一方、交際費は月2万1723円で、40歳代の1万464円の約2.1倍です。

70歳以上の世帯は保健医療が月1万7330円で、年齢階級別で最も多い額でした。60歳代も月1万7240円で、40歳代の1万2897円より4343円多くなります。

3. 2026年7月の家計調査、二人以上の世帯の生活費は月30万1245円で実質3.6%減

次に、総務省統計局が2026年9月4日に公表した、家計調査の2026年7月分の結果を確認します。

3.1 二人以上の世帯の消費支出は、名目で1.5%、実質で3.6%の減少

2026年7月の二人以上の世帯の消費支出は、1世帯当たり月30万1245円でした。前年同月と比べて名目で1.5%、実質で3.6%の減少です。

この数字は、世帯主の年齢で分けていない二人以上の世帯全体の平均です。季節調整値でみた前月比は、実質で0.5%の増加でした。

3.2 実質の前年同月比は、2026年4月から7月まで続けてマイナス

実質の前年同月比は、4月が0.5%減、5月が0.4%減、6月が3.3%減、7月が3.6%減でした。4月から6月の値は、消費者物価指数の2025年基準改定に伴って遡及改定されています。

2025年平均では実質で0.9%増えていましたが、2026年は4月から7月まで、実質で前年同月を下回る月が続きました。

二人以上の世帯の生活費の平均は、世帯主が50歳代で月36万7643円と最も多く、29歳以下と70歳以上は月26万円台でした。40歳代・50歳代は教育、60歳代以降は交際費や保健医療が多くなります。

自分の家の生活費と比べるときは、家計簿の1か月の合計から税金や社会保険料を除き、世帯主の年齢が同じ階級の平均と並べると、差の大きい費目を確かめられます。

ここからは、持ち家かどうかで変わる住居費の平均と、年齢階級別の平均を自分の家計と比べるときの注意点を見ていきます。

熊谷 良子

家計調査の年齢階級別の数字は、世帯主の年齢で分けた平均です。

自分の家と比べるときは、世帯の人数や持ち家かどうかもあわせて見ておくと、差がどこから生まれているのかをつかみやすくなります。