総務省統計局が2026年10月2日に公表した東京都区部の消費者物価指数(2026年9月中旬速報値)は、総合指数が前年同月比2.7%の上昇でした。品目別では、弁当が前年同月より28.1%上がっています。

物価の動きは、ひとり暮らしの家計にも表れます。総務省の家計調査(2025年平均)では、単身世帯の生活費にあたる消費支出は月17万3042円で、物価の上昇を除いた実質では3年続けて減りました。

この記事では、単身世帯の生活費の平均を10の費目に分けて確認し、東京都区部の消費者物価指数で上がった項目と下がった項目を見ていきます。

1. 家計調査2025年、単身世帯の生活費の平均は月17万3042円

家計調査の「消費支出」は、食費や家賃、光熱費など、日々の暮らしにかかるお金の合計です。2025年の単身世帯の生活費の平均から確認します。

1.1 名目では2.1%増えたが、実質では1.5%減った

単身世帯(平均年齢58.6歳)の消費支出は1か月平均17万3042円で、前年に比べて名目で2.1%増えました。一方、物価の変動を除いた実質では1.5%の減少で、3年連続の実質減少です。

支払った金額は増えていても、物価の上昇分を差し引くと、買った量やサービスの利用は前年より少なかったことになります。

1.2 二人以上の世帯は月31万4001円、総世帯は月25万9880円

同じ2025年の家計調査で、二人以上の世帯の消費支出は月31万4001円(名目4.6%増、実質0.9%増)でした。二人以上の世帯と単身世帯を合わせた総世帯は月25万9880円(名目3.6%増、実質0.1%減)です。

二人以上の世帯は実質で増えたのに対し、単身世帯は実質で減っています。

2. 単身世帯の生活費を10の費目に分けると、食料が月4万9321円で最も多い

単身世帯の生活費の平均17万3042円を、家計調査の10の費目に分けて見ていきます。

単身世帯の消費支出の内訳(2025年・1か月平均)1/2

2025年の単身世帯の消費支出1か月平均17万3042円を、食料4万9321円をはじめとする10の費目ごとの金額で示した横棒グラフ

出所:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」をもとにLIMO編集部作成

  • 食料:4万9321円
  • 住居:2万1667円
  • 光熱・水道:1万3333円
  • 家具・家事用品:6120円
  • 被服及び履物:4908円
  • 保健医療:8754円
  • 交通・通信:1万9334円
  • 教育:37円
  • 教養娯楽:2万1173円
  • その他の消費支出:2万8396円

2.1 食料は消費支出の約3割

最も多い食料の4万9321円は、消費支出17万3042円の28.5%にあたります。次いで、交際費などを含むその他の消費支出が2万8396円、住居が2万1667円、教養娯楽が2万1173円でした。

2.2 実質で大きく減ったのは住居の9.6%、交通・通信の8.5%

前年と比べた実質増減率では、住居が9.6%、交通・通信が8.5%、被服及び履物が7.6%、食料が4.2%の減少でした。増えたのはその他の消費支出の11.4%、保健医療と教養娯楽の各1.5%、光熱・水道と家具・家事用品の各0.4%です。

食料は金額では最も大きい費目ですが、実質では4.2%減っています。

3. 東京都区部の消費者物価指数(2026年9月中旬速報値)、弁当は28.1%上がり電気代は2.4%下がった

2026年10月2日に公表された東京都区部の消費者物価指数(2025年=100)で、上がった項目と下がった項目を確認します。東京都区部の速報値で、全国の値とは異なります。

東京都区部の消費者物価指数で上昇・下落した主な項目(2026年9月中旬速報値・前年同月比)2/2

東京都区部の消費者物価指数の2026年9月中旬速報値で、弁当28.1%上昇や電気代2.4%下落など、前年同月比で上昇・下落した主な項目を示した横棒グラフ

出所:総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)9月分(中旬速報値)」をもとにLIMO編集部作成

【上昇した主な項目】

  • 弁当(品目):28.1%上昇
  • 生鮮魚介:17.2%上昇
  • 飲料:6.7%上昇
  • 肉類:5.0%上昇
  • 調理食品:3.4%上昇

【下落した主な項目】

  • 生鮮野菜:5.3%下落
  • ガソリン(品目):2.7%下落
  • 電気代(品目):2.4%下落
  • 都市ガス代(品目):1.6%下落

3.1 食料では弁当を含む調理食品や生鮮魚介が上がり、生鮮野菜は下がった

総務省の資料では、調理食品が3.4%上がり、そのうち弁当が28.1%の上昇でした。生鮮魚介は17.2%上がり、品目ではさんまが45.9%上昇しています。一方、生鮮野菜は5.3%下がり、トマトは13.8%の下落でした。

3.2 エネルギーは2.0%の下落、電気代・都市ガス代・ガソリンが下がった

エネルギーは前年同月比2.0%の下落で、電気代が2.4%、都市ガス代が1.6%、ガソリンが2.7%下がりました。総務省は、ガソリンの暫定税率の廃止と政策による効果を寄与度の試算値として示しています。

一方で、光熱・水道のうち水道料は65.6%上がり、総務省は水道料により総合指数の上昇幅が0.24ポイント拡大したとしています。

単身世帯の生活費の平均は月17万3042円で、名目では増えたものの実質では3年連続で減りました。東京都区部の2026年9月中旬速報値では、弁当や生鮮魚介が上がる一方、電気代やガソリンは下がっています。

自分の家計を平均と比べるときは、家計簿の費目を家計調査の10の費目にそろえると比べやすくなります。物価の動きは、総務省統計局が毎月公表する消費者物価指数で確かめられます。

ここからは、平均の生活費と自分の家計を比べるときに押さえておきたい家計調査の数え方と、物価が上がったときの支出の目安を見ていきます。

熊谷 良子

家計調査の生活費と消費者物価指数は、性質の異なる数字です。生活費の平均は全国の単身世帯が実際に支払った金額で、物価指数は同じ品目の値段がどれだけ動いたかを示します。

値上がりした品目を買う量を減らしていれば、物価が上がっても支出が増えないこともあります。2つを分けて見ると、家計の動きが読み取りやすくなるように思います。