厚生労働省の「介護保険事業状況報告(暫定)」令和8年6月分によると、2026年6月末時点で要介護(要支援)認定を受けている人は742万5362人でした。65歳以上の人に限ると、認定を受けている割合は20.3%です。

介護保険のサービスは、認定を受けたら好きなだけ使えるわけではありません。在宅で使うサービスには、要介護度ごとにひと月の上限があり、自己負担の割合も人によって1割・2割・3割と分かれています。

この記事では、要介護度別の支給限度額と、限度額まで使ったときの自己負担の目安、負担割合の決まり方を確認します。

1. 介護保険の要介護認定は7段階、令和8年6月末の認定者は742万5362人

介護保険のサービスを使うには、市区町村の要介護認定を受ける必要があります。まず、認定の区分と、それぞれの区分に何人いるのかを見ていきます。

1.1 要介護認定は要支援1・2と要介護1〜5の7段階

厚生労働省の介護サービス情報公表システムによると、要介護認定の申請は、お住まいの市区町村の窓口で行います。申請から認定の通知までは原則30日以内です。

認定は要支援1・2から要介護1〜5までの7段階と、非該当に分かれています。どの段階に認定されるかで、次の章で見る支給限度額が変わります。

要介護(要支援)認定者数(令和8年6月末現在・暫定)1/2

令和8年6月末時点の要介護(要支援)認定者数を、要支援1から要介護5までの7区分で比べた横棒グラフ

出所:厚生労働省「介護保険事業状況報告(暫定)(令和8年6月分)」を参考にLIMO編集部作成

【要介護(要支援)認定者数・令和8年6月末現在】

  • 要支援1:110万3016人
  • 要支援2:107万1911人
  • 要介護1:153万6800人
  • 要介護2:124万7045人
  • 要介護3:95万4300人
  • 要介護4:92万8268人
  • 要介護5:58万4022人
  • 総数:742万5362人

1.2 65歳以上の認定者は729万395人、第1号被保険者の20.3%

7区分のうち最も多いのは要介護1の153万6800人で、要介護5の58万4022人が最も少なくなっています。

認定者742万5362人のうち、65歳以上の第1号被保険者は729万395人、40〜64歳の第2号被保険者は13万4967人です。第1号被保険者は3587万4845人で、65歳以上の認定者の割合は20.3%でした。

2. 要介護度別の支給限度額は、要支援1の月5万320円から要介護5の月36万2170円

介護保険で在宅のサービスを使うときは、要介護度ごとにひと月の支給限度額が決まっています。限度額の一覧と、限度額まで使ったときの自己負担の目安を確認します。

2.1 支給限度額は在宅で使う居宅サービスの1か月の上限

介護サービス情報公表システムでは、居宅サービスを利用する場合は、利用できるサービスの量(支給限度額)が要介護度別に定められていると説明しています。要介護1なら月16万7650円、要介護5なら月36万2170円が上限です。

この金額は自己負担の額ではなく、介護保険の給付と自己負担を合わせたサービスの費用の上限です。実際に払うのは、使ったサービスの費用のうち1割・2割・3割のいずれかになります。

在宅サービスの支給限度額と、限度額まで使ったときの自己負担(月)2/2

要支援1から要介護5までの支給限度額と、限度額まで使った場合の1割・2割・3割負担の月額を並べた表

出所:厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」を参考にLIMO編集部作成

【支給限度額と、限度額まで使ったときの自己負担(1割/2割/3割)】

  • 要支援1:5万320円(5032円/1万64円/1万5096円)
  • 要支援2:10万5310円(1万531円/2万1062円/3万1593円)
  • 要介護1:16万7650円(1万6765円/3万3530円/5万295円)
  • 要介護2:19万7050円(1万9705円/3万9410円/5万9115円)
  • 要介護3:27万480円(2万7048円/5万4096円/8万1144円)
  • 要介護4:30万9380円(3万938円/6万1876円/9万2814円)
  • 要介護5:36万2170円(3万6217円/7万2434円/10万8651円)

自己負担の額は、支給限度額に負担割合をかけて計算した目安です。限度額より少なく使えば、そのぶん自己負担も少なくなります。

2.2 支給限度額を超えて使った分は全額自己負担になる

介護サービス情報公表システムによると、限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担になります。要介護1の人が月18万円分のサービスを使えば、限度額16万7650円を超えた1万2350円は、1割ではなく全額を自分で払うことになります。

3. 介護保険の自己負担1割・2割・3割は、本人の合計所得金額などで決まる

介護保険の自己負担の割合は、原則1割で、一定以上の所得がある65歳以上の人は2割または3割です。厚生労働省の資料をもとに、負担割合の判定の基準と、2割・3割負担の人数を確認します。

3.1 介護保険で2割負担・3割負担になる所得の基準

厚生労働省の資料では、65歳以上の人の負担割合を次の流れで判定しています。

  • 3割負担:本人の合計所得金額が220万円以上で、同じ世帯の65歳以上の人の「年金収入+その他の合計所得金額」が単身で340万円以上、2人以上の世帯で463万円以上
  • 2割負担:本人の合計所得金額が160万円以上で、同じ世帯の65歳以上の人の「年金収入+その他の合計所得金額」が単身で280万円以上、2人以上の世帯で346万円以上(3割負担に当たる人を除く)
  • 1割負担:上のどちらにも当たらない人

40〜64歳の第2号被保険者、市区町村民税が非課税の人、生活保護を受けている人は、所得にかかわらず1割負担です。

3.2 65歳以上の認定者のうち2割負担は36万9509人、3割負担は32万8241人

介護保険事業状況報告(暫定)の令和8年6月分では、65歳以上の認定者729万395人のうち、2割負担の対象者は36万9509人、3割負担の対象者は32万8241人でした。

65歳以上の認定者に占める割合は、2割負担が5.1%、3割負担が4.5%です。残りの約9割は1割負担で、認定を受けた65歳以上の人の多くは、使ったサービスの費用の1割を払う計算です。

3.3 ひと月の自己負担が上限を超えたら高額介護サービス費が支給される

限度額まで使ったときの自己負担は、3割負担の要介護5で10万8651円になる計算です。ただし、介護保険には高額介護サービス費というしくみがあり、月々の利用者負担額の合計が所得に応じた上限額を超えた場合は、超えた分が介護保険から支給されます。

上限額は、たとえば市区町村民税の課税世帯で課税所得380万円(年収約770万円)未満なら、世帯で月4万4400円です。福祉用具購入費や食費・居住費など一部は合計に含まれず、支給を受けるには市区町村への申請が必要です。

要介護1の在宅サービスの支給限度額は月16万7650円で、限度額まで使うと1割負担なら1万6765円になります。65歳以上の認定者の約9割は1割負担ですが、所得によっては2割・3割になり、ひと月の自己負担には高額介護サービス費の上限もあります。

自分や家族の負担割合は、要介護・要支援認定を受けた人に市区町村から交付される介護保険負担割合証の「利用者負担の割合」の欄で確かめられます。

ここからは、支給限度額の中でサービスを組み立てるときに家族で確認しておきたい点を見ていきます。

和田 直子

支給限度額は「この金額まで払う」という意味ではなく、介護保険で使えるサービスの量の上限です。毎月の支払いを見通すときは、限度額と負担割合証の割合を並べて確認していただくと整理しやすいと思います。