金の値段をニュースで見かけたとき、その数字が「買うときの値段」なのか「売るときの値段」なのかは、意外と区別されていないかもしれません。

田中貴金属工業が2026年10月2日9時30分に公表した金の店頭小売価格(税込)は、1グラムあたり2万3482円でした。同じ時点の店頭買取価格(税込)は2万3126円で、2つの値段には差があります。

この記事では、10月2日の金の店頭価格と、2025年1月からの月平均価格の動き、金地金と金貨で売買の差がどれくらい違うのかを、公表されている数字で確認します。

1. 金の店頭価格、2026年10月2日は小売2万3482円・買取2万3126円

金の店頭価格は、貴金属を扱う会社が毎営業日に公表しています。ここでは田中貴金属工業の公表値で、金の価格の見方を確認します。

1.1 店頭小売価格と店頭買取価格は1グラムあたり356円違う

2026年10月2日9時30分公表の金の価格は、店頭小売価格(税込)が1グラムあたり2万3482円、店頭買取価格(税込)が2万3126円でした。

店頭小売価格は店頭で金を買うときの値段、店頭買取価格は店頭で金を売るときの値段です。この日の差は1グラムあたり356円で、店頭小売価格の約1.5%にあたります。

前日比はどちらも154円の上昇でした。小売価格と買取価格は同じ幅で動いており、差の356円はこの日の時点では変わっていません。

1.2 公表価格には売買の手数料が含まれていない

田中貴金属工業は、店頭小売価格と店頭買取価格はいずれも1グラムあたりの税込価格で、売買の手数料やその他の手数料は含まれていないと注記しています。

実際に売り買いするときは、公表価格に加えて手数料がかかる場合があります。手数料のかかり方は、地金の重さや商品によって異なります。

2. 金の月平均価格は2026年2月の2万5137円が最も高かった

次に、金の価格がこの1年あまりでどう動いてきたかを、田中貴金属工業の月次の価格推移で確認します。月次の数字は参考小売価格の税抜で、上で見た10月2日の税込価格とは並べて比べられない点に注意が必要です。

金の月平均価格(1グラムあたり・税抜)は2025年1月の1万3676円から上がり、2026年2月の2万5137円が最も高かった1/2

2025年1月から2026年9月までの金の月平均価格を並べた横棒グラフ。2026年2月の2万5137円が最も高く、9月は2万1953円

出所:田中貴金属工業「月次金価格推移」を参考にLIMO編集部作成

【2025年】

  • 1月:1万3676円
  • 2月:1万4169円
  • 3月:1万4298円
  • 4月:1万4996円
  • 5月:1万5349円
  • 6月:1万5638円
  • 7月:1万5832円
  • 8月:1万6020円
  • 9月:1万7429円
  • 10月:1万9836円
  • 11月:2万454円
  • 12月:2万1716円

【2026年】

  • 1月:2万4292円
  • 2月:2万5137円
  • 3月:2万5116円
  • 4月:2万4396円
  • 5月:2万3560円
  • 6月:2万2137円
  • 7月:2万1479円
  • 8月:2万2660円
  • 9月:2万1953円

2.1 2025年は月平均で1万3676円から2万1716円まで上がった

2025年の月平均価格は、1月の1万3676円から12月の2万1716円まで、毎月前の月を上回りました。とくに9月から10月にかけては、1か月で2407円上がっています。

2.2 2026年は3月に月中の最高値2万7550円をつけ、その後は2万1000円台から2万2000円台

2026年に入ると、月平均価格は2月の2万5137円が最も高くなりました。月中の最高値で見ると、3月の2万7550円が2026年1月から9月までで最も高い値です。

4月以降は月平均価格が下がり、7月は2万1479円、9月は2万1953円でした。9月の月平均価格は、前年同月(2025年9月)の1万7429円を4524円上回る一方、2月の2万5137円よりは3184円低い水準です。

3. 金貨の売買の差は、金地金より大きい

店頭小売価格と店頭買取価格の差は、金地金と金貨で大きく違います。同じ2026年10月2日の田中貴金属工業の公表値で、金地金とメイプルリーフ金貨を並べます。

2026年10月2日の店頭小売価格と店頭買取価格の差は、金地金が店頭小売価格の1.5%、メイプルリーフ金貨1オンスが9.2%2/2

2026年10月2日の金地金1グラムとメイプルリーフ金貨1オンスについて、店頭小売価格・店頭買取価格・差額を並べた図

出所:田中貴金属工業「貴金属価格情報」を参考にLIMO編集部作成

3.1 メイプルリーフ金貨1オンスは小売77万4824円・買取70万3500円

2026年10月2日のメイプルリーフ金貨(1オンス)は、店頭小売価格が77万4824円、店頭買取価格が70万3500円でした。差は7万1324円で、店頭小売価格の約9.2%にあたります。

金地金(1グラム)の差は店頭小売価格の約1.5%だったので、金貨は金地金よりも、買ってすぐ売ったときに戻ってくる割合が小さいことになります。

3.2 金貨は小さいサイズほど差の割合が大きい

同じ日の公表値では、メイプルリーフ金貨の1/10オンスは店頭小売価格8万3634円、店頭買取価格6万9833円でした。差は1万3801円で、店頭小売価格の約16.5%です。

1オンスの約9.2%と比べると、小さいサイズの金貨ほど売買の差の割合が大きくなっています。

10月2日の金の店頭価格は、買うときが1グラム2万3482円、売るときが2万3126円で、ニュースで目にする「金価格」がどちらの値段かによって、受け取る印象は変わります。

金地金か金貨か、どのサイズかでも売買の差の割合は変わります。手元の金の目安を知りたいときは、田中貴金属工業などが毎営業日に公表している店頭買取価格の欄を確かめられます。

ここからは、金を持つときに押さえておきたい性質と、売ったときの税金の扱いを見ていきます。

和田 直子

金の値段は「いくらで買えるか」よりも、「いま売るといくらになるか」で見ると、手元の資産の実態に近づきます。地金と金貨では売買の差の大きさが違うので、どの形で持っているかもあわせて確かめておくと安心です。