国税庁が2026年9月に公表した「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、民間の事業所で1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は486万6000円でした。

同庁が公表している長期時系列で平成元年分からたどると、平均給与は平成9年分の467万3000円まで上がったあと下がり、400万円台前半で上下する時期が長く続きました。

この記事では、平均年収(平均給与)の約30年の推移を一覧にし、推計方法が見直された新しい系列で令和7年分までの動きを確認します。

1. 民間の平均年収の推移は、平成9年分の467万3000円がピークだった

民間給与実態統計調査の長期時系列のうち、従来の推計方法で作られた系列には、平成元年分から令和3年分までの平均給与が載っています。まずこの系列で平均年収の動きを見ていきます。

1.1 平成元年分〜令和3年分の平均年収の推移(従来の推計方法)

平均給与は平成元年分の402万4000円から上がり、平成9年分の467万3000円が最も高くなっています。

民間の平均給与の推移(平成元年分〜令和7年分)1/2

国税庁の民間給与実態統計調査の長期時系列による、平成元年分から令和3年分までの従来の推計方法の平均給与と、平成26年分から令和7年分までの新しい推計方法の平均給与を示した折れ線グラフ

出所:国税庁「民間給与実態統計調査結果(長期時系列データ)」総括表を参考にLIMO編集部作成

【従来の推計方法による平均給与】

  • 平成元年分:402万4000円
  • 平成2年分:425万2000円
  • 平成3年分:446万6000円
  • 平成4年分:455万円
  • 平成5年分:452万2000円
  • 平成6年分:455万5000円
  • 平成7年分:457万2000円
  • 平成8年分:460万8000円
  • 平成9年分:467万3000円
  • 平成10年分:464万8000円
  • 平成11年分:461万3000円
  • 平成12年分:461万円
  • 平成13年分:454万円
  • 平成14年分:447万8000円
  • 平成15年分:443万9000円
  • 平成16年分:438万8000円
  • 平成17年分:436万8000円
  • 平成18年分:434万9000円
  • 平成19年分:437万2000円
  • 平成20年分:429万6000円
  • 平成21年分:405万9000円
  • 平成22年分:412万円
  • 平成23年分:409万円
  • 平成24年分:408万円
  • 平成25年分:413万6000円
  • 平成26年分:415万円
  • 平成27年分:420万4000円
  • 平成28年分:421万6000円
  • 平成29年分:432万2000円
  • 平成30年分:440万7000円
  • 令和元年分:436万4000円
  • 令和2年分:433万1000円
  • 令和3年分:443万3000円

1.2 平成21年分の平均年収は405万9000円まで下がった

平成10年分以降は平均給与が下がる年が多く、平成21年分は405万9000円でした。平成9年分の467万3000円から61万4000円下がっています。

その後は平成22年分〜平成28年分に408万円〜421万6000円の間で推移し、令和3年分は443万3000円でした。

2. 推計方法を見直した新しい系列では、令和7年分の平均年収は486万6000円

国税庁の報告書によると、民間給与実態統計調査は令和4年分の調査から統計の作り方を見直しています。長期時系列では、平成26年分以降の平均給与を新しい推計方法で計算した系列も公表されています。

2.1 平成26年分〜令和7年分の平均年収の推移(新しい推計方法)

新しい系列の平均給与は、平成26年分の420万9000円から令和7年分の486万6000円まで、12年分の数字があります。

【新しい推計方法による平均給与】

  • 平成26年分:420万9000円
  • 平成27年分:423万4000円
  • 平成28年分:425万円
  • 平成29年分:433万6000円
  • 平成30年分:439万1000円
  • 令和元年分:438万4000円
  • 令和2年分:435万1000円
  • 令和3年分:445万7000円
  • 令和4年分:457万6000円
  • 令和5年分:459万5000円
  • 令和6年分:477万5000円
  • 令和7年分:486万6000円

令和6年分は前年から18万円増え、令和7年分は前年からさらに9万1000円増えました。

2.2 令和6年分の477万5000円は、平成9年分の467万3000円を上回る

新しい系列の令和6年分477万5000円と令和7年分486万6000円は、従来の系列で最も高かった平成9年分の467万3000円を上回っています。

ただし、平成9年分は従来の推計方法、令和6年分・令和7年分は新しい推計方法による数字です。同じ平成26年分でも、従来の方法では415万円、新しい方法では420万9000円と5万9000円違うため、2つの系列は1本の線としてつないで比べられるものではありません。

民間の平均給与は、平成9年分の467万3000円をピークに平成21年分の405万9000円まで下がり、新しい系列では令和7年分の486万6000円まで上がりました。

自分の給与がこの間にどう変わったかは、毎年の源泉徴収票の「支払金額」を並べると確かめられます。調査の「給与」と同じく、税金や社会保険料を引く前の金額です。

ここからは、物価の上昇を差し引いた実質の平均給与と、銀行の窓口でご相談をお受けしていた経験から、給与の伸びを物価の伸びと比べるときの見方を見ていきます。

中本 智恵

平均給与は金額としては増えていますが、同じ時期に物価も上がっています。給与の額だけでなく、その給与で買えるものがどう変わったかもあわせて見ていただきたいところです。