米バットメーカーのチャンドラー・バットは2026年9月30日(現地時間)、ロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手とのパートナーシップ契約を発表しました。

同社の公式Instagramには、大谷選手がバット製作の裏側や意見交換を行う動画が投稿され、「The bat behind the player who changed the game.(野球を変えた選手を支えるバット)」というキャプションが添えられています。

今回の契約は用具提供にとどまらず、大谷選手自身がバットの製品開発に関わる点が特徴です。本記事では契約の詳細とともに、チャンドラー社とはどのような企業なのか、そしてSNSの反応についても紹介します。

1. 単なる用具提供ではない。大谷選手が"開発"に参画する新契約

今回の契約で特徴的なのは、大谷選手が構想・デザイン・改良といったバットの製品開発そのものに直接関わる点です。

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@chandlerbats

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同社は、ユース世代の選手からメジャーリーガーまであらゆるレベルに向けた新たな製品ラインの開発に、大谷選手が携わっていくことを明らかにしています。

第1弾として発表されたのは、大谷選手の実戦使用モデルと同一スペックで作られた木製バット「SO17.4」です。

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世界1000本の限定生産で、米国向け・日本向けに500本ずつ振り分けられます。各バットにはPSA鑑定書・真贋証明書・個別シリアルナンバー・プレミアムパッケージが付属する仕様です。

大谷選手は2023年シーズンからチャンドラー社製バットを使用しており、2023・2024年の本塁打王、2025年の自己最多55本塁打はいずれも同社のバットで記録したものです。

この発表を受け、SNSには、

  • 「今まで契約してなかったのが意外」
  • 「一家に一本必要だね」
  • 「野球はしないけど、欲しい。でもお高いんでしょう?」

といったコメントが寄せられています。

2. チャンドラー社とは?倒産寸前から市場シェア4位へ"V字回復"

チャンドラー・バットは2009年、米ペンシルベニア州イーストノリトンで創業したバットメーカーです。2019年に経営破綻に陥りましたが、ホームランダービー連覇者のヨエニス・セスペデス選手が資産を買い取り、再建を主導しました。

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再建後の成長を後押ししたのが、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手です。ジャッジ選手はキャリア初期からチャンドラー社と協力関係にありました。

大谷選手はジャッジ選手の活躍に関心を持ったことがきっかけでバットをテスト。2023年シーズンから使用を本格化させました。

この"二大スター"が使用することで知名度が上昇し、チャンドラー社はMLB選手のバット市場シェアで4位(10.4%)まで成長しています。日本市場には2021年から輸入総代理店が入り、販売が行われています。

3. 大谷選手のグラウンド外収入はさらにアップ

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@chandlerbats

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大谷選手のグラウンド外(スポンサー等)収入は1億2500万ドル(約196億円)で、全アスリートの中でもトップクラスとなっています。今回のチャンドラー社とのパートナーシップは、こうした副収入をさらに押し上げる要素になるとみられています。

一方でチャンドラー社にとっても、大谷選手という世界的なスター選手の名前を冠した限定商品を1000本単位で販売できることは、ブランド価値と収益の両面で大きな意味を持ちます。

倒産寸前だった中小メーカーが、スター選手の起用によって市場シェア上位に食い込んだ事例として、スポーツ用品業界におけるアスリートマーケティングの効果を示す一例ともいえます。

4. スポーツトレンドウォッチャーのひとこと

大蔵 大輔

今回の契約が従来のスポンサー契約と異なるのは、大谷選手が"広告塔"ではなく"開発者"として関わる点です。

これまで大谷選手が結んできたアンバサダー契約の多くは、ブランドの世界観を体現する役割が中心でした。一方、今回のチャンドラー社との契約では、バットという大谷選手自身の競技成績に直結する道具そのものの開発に関与することになります。

企業側にとっては、トップ選手の知見を製品改良に生かせるメリットがあり、大谷選手にとっても自身の競技力向上に直結する取り組みとして、他の広告契約とは異なる位置づけになると考えられます。

倒産寸前だった中小メーカーが、ジャッジ選手・大谷選手という二人のスター選手の存在によって市場シェア上位まで回復したという経緯も踏まえると、今回の契約は単なる商品化にとどまらず、両者の信頼関係の延長線上にある取り組みといえそうです。

参考資料

大蔵 大輔