国税庁は2026年9月29日、「令和7年分 民間給与実態統計調査」を公表しました。1年を通じて勤務した給与所得者5163万人について、給与の額ごとに何人いるかや、源泉徴収された所得税の額がまとめられています。

年収1000万円は、高収入の目安としてよく挙げられる金額です。実際に超えている人はどれくらいいて、所得税をどれだけ負担しているのでしょうか。

この記事では、年収1000万円超の人の割合と内訳、所得税の負担、業種による違いを整理します。記事後半では、税金と社会保険料を合わせた負担を世帯単位で見た統計も確認します。

1. 年収1000万円超の給与所得者は6.6%、男性10.2%・女性1.8%

国税庁が2026年9月29日に公表した「令和7年分 民間給与実態統計調査」には、給与の額ごとに何人いるかを示す給与階級別の分布が載っています。

1年を通じて勤務した給与所得者5163万人のうち、年間の給与が1000万円を超えていた人は6.6%でした。男女別では、男性が10.2%、女性が1.8%です。

ここでいう給与は、給料・手当と賞与を合わせた額面で、税金や社会保険料が引かれる前の金額です。

1.1 年収1000万円超は339万5000人、前年の6.2%から増えた

1000万円超の人数を給与階級ごとに足し上げると339万5000人になります。令和6年分は6.2%だったので、1年で0.4ポイント増えました。

男性は2934万人のうち299万9000人、女性は2229万人のうち39万8000人が1000万円を超えています。

1.2 年収1000万円超のうち7割は1500万円以下

1000万円超の339万5000人の内訳は、1000万円超1500万円以下が242万2000人で、全体の71.3%を占めます。

1500万円超2000万円以下は61万人、2000万円超2500万円以下は16万7000人、2500万円超は19万6000人でした。

令和7年分の給与所得者を給与階級別に分けた割合。1000万円超は合計6.6%1/2

令和7年分の給与階級別の給与所得者の割合。200万円以下18.5%から1500万円超1.9%までを並べ、1000万円超の2区分を強調した棒グラフ

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」を参考にLIMO編集部作成

2. 年収1000万円超の6.6%が、給与から源泉徴収された所得税の約6割を納めている

民間給与実態統計調査には、給与階級ごとに源泉徴収された所得税の額も載っています。年収1000万円超の人が、所得税をどれだけ負担しているかを見ていきます。

2.1 年収800万円超の12.6%で所得税額の71.4%

報告書によると、年間給与が800万円を超える人は650万人で、全体の12.6%にすぎませんが、その税額は9兆2225億円で全体の71.4%を占めています。

1000万円超に絞って給与階級ごとの税額を足すと7兆7110億円で、源泉徴収された所得税額12兆9141億円の59.7%にあたります。

2.2 1人あたりの所得税額は年収400万円台の約8万9000円に対し、1000万円超1500万円以下は約110万円

給与階級ごとの税額を納税者の数で割ると、1人あたりの源泉徴収税額の目安が出ます(LIMO編集部による計算)。

  • 400万円超500万円以下:約8万9000円
  • 1000万円超1500万円以下:約110万円
  • 1500万円超2000万円以下:約271万円
  • 納税者全体の平均:約31万円

納税者1人あたりの給与は、400万円超500万円以下が約449万円、1000万円超1500万円以下が約1188万円です。給与は約2.6倍ですが、1人あたりの税額は約12倍になります。

3. 年収1000万円超の人が多い業種と少ない業種

年収の高い人がどの業種に多いかは、業種別の給与階級の分布で確かめられます。報告書は800万円超の割合で比べています。

3.1 電気・ガス・熱供給・水道業は800万円超が47.2%

平均給与が最も高い「電気・ガス・熱供給・水道業」(854万円)では、800万円超の人が47.2%で、給与階級の中で最も多くなっています。

次いで平均給与が高い「金融業,保険業」(726万円)でも、800万円超の人が31.7%で最も多い区分です。

3.2 宿泊業,飲食サービス業は100万円以下が27.9%

一方、平均給与が最も低い「宿泊業,飲食サービス業」(276万円)では、100万円以下の人が27.9%で最も多くなっています。

同じ給与所得者でも、業種によって給与の分布は大きく違います。

令和7年分の民間給与実態統計調査では、年収1000万円超の人は6.6%で、その人たちが源泉徴収された所得税の約6割を納めていました。年収が上がるほど、所得税の負担はそれ以上の割合で重くなります。

自分の給与から引かれた所得税の額は、源泉徴収票の「源泉徴収税額」の欄で確かめられます。

ここからは、所得税に社会保険料を加えた負担を世帯単位で見た統計と、民間給与実態統計調査の税額に何が含まれるのかを確認します。