株式市場の振り返り-日経平均株価は3日続伸、年初来高値更新まであとわずかに迫る

2019年10月23日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,625円(+76円、+0.3%) 3日続伸
  • TOPIX 1,638.1(+9.5、+0.6%) 続伸
  • 東証マザーズ株価指数 853.8(+8.5、+1.0%) 4日続伸

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,531、値下がり銘柄数:535、変わらず:89
  • 値上がり業種数:30、値下がり業種数:3
  • 年初来高値更新銘柄数:104、年初来安値更新銘柄数:1

東証1部の出来高は11億8,961万株、売買代金は2兆1,526億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米中貿易摩擦問題の緩和期待、英国のEU離脱問題などで多少のニュースフローがあったものの、月末のイベントなどを控えた様子見スタンスが主流となりました。売買代金は4日ぶりに2兆円を上回ったものの、盛り上がりに欠けた商いとなっています。

そのような中、日経平均株価はやや荒い値動きとなって戻りを試す展開となりました。米国株の軟調を受け、前場の序盤には一時▲91円安となりましたが、後場の半ば過ぎから急速に巻き返して一時+100円高まで反発する場面が見られました。最後はやや失速しましたが、それでも3日続伸で引けています。

また、TOPIXも同じような値動きで続伸となり、上昇率は日経平均株価を上回りました。

なお、一部のメディアにおける相場コメントで「日経平均株価は連日の年初来高値更新」とありますが、適切な表現ではありません。正しく書くならば「終値ベースで見れば、日経平均株価は連日の年初来高値更新」となります。

そもそも、年初来高値(年初来安値)は、取引時間中の値段(ザラバ値)も含めるのが普通です。したがって、日経平均株価の年初来高値は10月18日のザラバに付けた22,649円となります。23日の高値(22,648円)はこれにあと一歩まで迫りましたが、上回ることはできませんでした。

東証マザーズ株価指数は4日続伸、売買代金は52日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は3,814万株、売買代金513億円となり、いずれも前日より増加しました。前日よりは増えたものの、依然として個人投資家の物色意欲が停滞しており、売買代金は52日連続の1,000億円割れとなりました。

ただ、一部主力銘柄が買われた結果、株価指数は4日続伸となりました。ここから再び900ポイント回復を目指していくのか注目です。

エーザイがストップ高の大爆騰、“つながらない”楽天が一時▲5%安に迫る大幅安

個別銘柄では、米製薬会社と共同開発するアルツハイマー病の新薬を2020年に米国で承認申請することを発表したエーザイ(4523)が買い気配で値が付かず、最後は比例配分ストップ高+1,000円高(+18%超高)の大爆騰で引けました。

また、前日に続き金融株に買戻しが入り、りそなホールディングス(8308)など銀行株が上昇し、証券株では野村ホールディングス(8604)が年初来高値を更新しています。

一方、通信株で下落が目立ち、とりわけ、新規参入の携帯電話の試験サービスで接続に関する苦情が相次いだ楽天(4755)が一時▲5%安に迫る大幅安となり、ソフトバンクグループ(9984)も一時▲4%安に迫る大幅下落となりました。

また、ハイテク株の一角が利益確定売りに押され、東京エレクトロン(8035)が▲4%超安、ローム(6963)が一時▲6%安に迫る急落、ルネサスエレクトロニクス(6723)が一時▲7%安に迫る急落となっています。

新興市場(東証マザーズ)では、そーせいグループ(4565)が6日続伸となり、アンジェス(4563)やサンバイオ(4592)も値を上げました。また、中村超硬(6166)は3日連続でストップ高となっています。

葛西 裕一