しかし、材料の種類が多いと「どれを使おうか」と悩んで時間を消費してしまうこともあるようです。特に低学年の頃は図工の授業中にあれこれ考え込み、残りの時間が少なくなり、駆け込みで適当に作ってしまうという悪循環に陥ることが何度かありました。
また、無駄に材料が多いと袋から探し出すのにも時間がかかってしまいます。その反省を踏まえ、材料選びをする時はどのような作品を作るのか、それには何が必要なのかを考えるようアドバイスをしました。
その甲斐あってか、最近は的を絞って材料を持っていくようになっています。子供達によると、事前に作品の構想を練るようになり、授業中は集中して取り組めるようになったそうです。
授業参観の時に見た、材料にとらわれない子供達の発想力
授業参観に行くと、子供達の作品が壁に飾られていたり、廊下に並べてあるのをよく目にしますよね。先日、筆者も学校の授業参観に行った際に色々な作品を見ましたが、個々の材料の量に左右されない、子供達の感性に驚きました。
材料が少ない子は、少ないなりに発想力でカバーしているのも伝わってきましたし、持参した材料が多いと思われる子もそれに頼らずに自分の個性を作品に出していたのです。与えられた材料で、それぞれの力を十分に発揮するみずみずしい感性に感動を覚えました。
大人はどうしても、「材料が多い方が有利」と思いがちです。しかし、作品を実際に目にすると、大人の考えがいかに狭いものかを突きつけられているようで、何とも恥ずかしい気持ちになりました。
捨てるもや自然の材料を集めると無駄な出費をなくせる
図工の材料集めは普段の生活で出る廃材を集めることで、無駄な出費をなくせます。たとえば、通信販売で購入した商品を梱包していた凹凸のあるビニールや処分する洋服についているボタンなどは、図工の材料としてニーズがあります。
定番のプリンのカップにペットボトルのキャップも使用頻度が高い材料と言えます。どんぐりや松ぼっくりも、他の子と差がつく材料の一つです。休日家族で公園に出かけた際に、親子で集められるのでおすすめです。
材料をコツコツ集めておくことで、「明日図工で材料を持っていく」といった子供の急な要求にも対処できるようになります。親世代とは異なる図工事情ですが、親子で模索しながら6年間だけの図工という授業を楽しめたらいいですね。
中山 まち子