脚本家の倉本聰さんが2026年9月18日に91歳で亡くなったことが公表されました。
『北の国から』をはじめ、数々の名作で多くの人の心に残る作品を遺された方でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。
倉本さんは、生前から自分の意思でお墓を用意していたことでも知られていました。
「自分が入るお墓のことを、まだ何も決めていない」。そんな人も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、生前にお墓を準備しておくことでどんなメリットがあるのか、注意しておきたい点とあわせてご紹介していきましょう。
1. そもそも「生前墓(寿陵)」とは
生前に自分の意思でお墓を用意しておくことを「生前墓」、または「寿陵(じゅりょう)」と呼びます。
倉本さんは、主宰していたイベント「富良野やすらぎの刻」の最終回で、建立中だった自身のお墓の墓碑に、参加者への感謝を込めて名前を刻みたいと伝えていました。財団公式サイト「倉本聰界隈」で明らかにされた内容です。
寿陵は古くから、長寿や子孫繁栄を招く縁起の良いこととされてきました。かつては「生きているうちにお墓を建てるのは縁起が悪い」という考え方もありましたが、こうした価値観は薄れつつあるといえるでしょう。
2. 生前にお墓を準備したい人の割合は
株式会社NEXERが2026年7月に発表した「50代以上の終活に関する調査」によると、自分のお墓を生前に決めておきたいと答えた人は47.7%にのぼりました。準備への抵抗感が「ない」と答えた人も73.7%と、7割を超えています。
一方で、実際に「終活を始めている」と回答した人は19.7%にとどまりました。

1/2
出所:株式会社NEXER Group「50代以上の終活に関する調査」(2026年7月)をもとにLIMO編集部作成
内閣府が2024年10月に実施した「令和6年度 高齢社会対策総合調査」でも、終活をしていると答えた高齢者は60.0%にのぼる一方、そのうち「お墓の準備」をしている人は21.8%にとどまりました。関心の高さに対して、行動に移せている人はまだ多くないというのが実態かもしれませんね。
2.1 お墓の種類別平均価格データ
費用面も見ておきましょう。
株式会社鎌倉新書が2026年3月に発表した「第17回お墓の消費者全国実態調査」によると、実際に購入されたお墓の平均価格は一般墓が152万円、納骨堂が81万5000円、樹木葬が71万7000円でした。
たとえば一般墓と樹木葬を比べると、その差はおよそ80万円にのぼります。
3. 生前墓が相続税の節税になる理由
墓地や墓石、仏壇などは「祭祀財産」と呼ばれ、相続税の非課税対象です。
国税庁の法令解釈通達では、墓地・墓石やそれらの尊厳の維持に必要な土地のほか、日常的な礼拝に使う仏壇・位はいなども対象に含まれると示されています。
現金を遺して家族がお墓を購入すると、その分の財産に相続税がかかる場合があるのです。
生前にお墓を購入しておけば、その分だけ相続財産が減り、結果として節税につながります。ただし、商品や骨とう品、投資目的で所有するものは対象外とされている点には注意が必要でしょう。
お墓のかたちは樹木葬や納骨堂など年々多様化しており、選択肢が増えたからこそ、自分に合った形をじっくり検討する時間も必要になっています。
生前墓というと「気が早い」「縁起でもない」と感じる人もいるかもしれませんが、相続税の面でもメリットがあることを踏まえると、「元気なうちに検討しておく」こと自体は、決して早すぎる話ではないでしょう。
